むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 新しい糖尿病食のあり方(私見)

    従来の糖尿病治療はエネルギーコントロール食と言って1日の総カロリーを計算して制限する方法がとられてきました。しかしこのエネルギーコントロール食は十分なタンパク質やビタミンが取れず、栄養のバランスが悪いと思っています。そこで大切なのは糖質を制限して血糖を上げない食事です。最近話題の炭水化物ダイエット(炭水化物を制限してその他の肉や魚野菜などは制限しない食事方法)は同じカロリーの食事をしても血糖があまり上がりません。こういった食事を糖尿病の人には食べていただきたいと思っています。また同じ食べ物でも食べ方によって血糖が上がる場合とあまり上がらない場合があります。例えばご飯を暖かくして食べる場合と冷やして食べる場合では血糖の上がり方が異なります。冷えたご飯を食べると血糖はあまり上がらないことがわかっています。コンビニでおにぎりを買って食べる時、レジで温めますかと聞かれた場合、温めずに食べた方が血糖が上がらないと言うわけです。

    スムージーも人気ですが、スムージーにはリンゴやバナナなど甘い果物を一緒に入れますので、血糖はかなり高くなります。同じく市販されている野菜ジュースも、甘い果物を一緒に入れてあるため、単にトマトやニンジンといった野菜のジュースに比べて血糖が上がりやすくなっています。それを考えると、野菜はサラダとして食べ、果物はデザートとして食べた方が血糖が上がりすぎずにいいと思います。

    ご飯の前に野菜サラダを食べると同じ量のご飯を食べても血糖は上がりません。このような工夫を重ねることで栄養はしっかりとりつつ血糖を上げない食事が可能となります。食品交換表でカロリーの計算ばかりして味気ない糖尿病食に我慢するよりこのような知識を持って豊かな食生活を目指してはと思います。