むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 熊本地震から5年

    熊本地震から5年が経ちました。地震の時、当院はクリニックの建設中でした。設計の際に当院敷地内の地盤調査をしました。熊本の在住の方はご存知と思いますが、クリニックのある小峯付近は小高い丘になっており、厚い火山灰の層になっています。地盤調査をして分かったのは20メートル以上杭を打っても固い地盤に届かないと言うことでした。そこで当院を建設する際には杭を打つ建築方法は諦め、基礎全体をコンクリートで固める方法をとりました。

    基礎の工事にはかなりお金がかかりましたが、幸い地震の際に被害はなく、無事クリニックが完成しました。地震の後、当院の向かいにある東稜高校は避難場所となっていました。もし当院が既に開業していたならば、東稜高校の避難所をボランティアで回っただろうと思うのですが、当時私は桜十字病院に勤めていましたので、南区の多くの患者さんたちを受け入れ桜十字病院で診療を続けました。桜十字病院は大きい病院なので、廊下やロビーに近所の人たちがたくさん避難してきていました。地下水が使えたので、断水もありませんでした。毎日の診療は本当に大変でしたが、余震の中お互い励ましあいながら仕事をしたのをついこの前のように思い出します。また何年か後に熊本で大きい地震があるかもしれません。あるいは南海トラフ地震があるかもしれません。そういった際にも我々は医療人としての使命がありますので、地域住民の方々のためにできることを精一杯果たしたいと思っています。

    当時こまった思い出として、停電が続いたため、自宅の電動シャッターが開かず、車が出せないで大変でした。あと、この季節夜はかなり冷え込みますので、運動場や体育館で一夜を過ごすのは本当につらいことだと感じました。そんな困った中でも、近くの公園では水の配給とおにぎりなどの炊き出しがあり、こんな状況でもなんとか生きていけるんだと安心したのも今思うと貴重な体験でした。