むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • 自由を愛す

    珍しく土曜日が祝日でクリニックも休みでした。土曜日は、おもに仕事のある人が受診されるので忙しいのですが、その土曜が休診となると、前後の土曜日に相当数患者さんが来るのではないかと思います。現に先週の土曜は忙しかったです。来週の土曜も多くなると予想されますので、気合を入れてがんばります。今日は春分の日ということで、桜も八分咲で春爛漫ですが、あいにくの雨となりました。朝晩の冷え込みもなく、過ごしやすい一日でした。

    私は、仕事のある平日は、朝・昼はほんの少ししか食べず、間食もしません。しかし、休日に家で過ごしていると何かしら口に入れたくなります。油断大敵です。やはり誘惑が多いとダイエットは難しいですね。ところで、私が訪問診療している施設で、わりと入居者さんに自由を許している施設があるのですが、ある患者さんは毎日日課でビールを飲んでいます。朝昼晩一日3本と決められていて、往診する時間もご飯もそこそこに美味しそうに部屋でビールを楽しまれています。紳士的な人で、酔って誰かに迷惑をかけるでもなく、肝臓も壊していないので、年取って、昼間から多少のお酒を嗜むのも悪くないなと、その方の生き方がちょっと羨ましくも感じます。

    私はこの老人ホームの自由な雰囲気が好きです。他の施設では、外出も厳しく制限されているところがあります。管理責任という意味では、気軽に外に出てもらっては危ないのですが、ある程度は自由にさせてくれる方が好きです。ご家族も、自分の親を施設に入れる際には、そういう点をよく知った上で選んでいただきたいと思います。部屋の綺麗さとか、ご飯の美味しさも大切ですが、どのくらい自由があるかは重要なポイントです。

  • 血圧や脂質はなぜ下げるのか

    血圧やコレステロールの薬を初めて処方すると、こういう薬は一度始めたら一生飲まないといけないんでしょう、といわれます。実際にそうかも知れないし、そうでないかもしれません。では、なんのために血圧やコレステロールの治療をするのか。通常、多少血圧やコレステロールが高くても自覚症状はなんともありません。それを薬で治療しても、何ら変わった感じはしないと思います。それでも、血圧やコレステロールを管理することはとても大切な事です。それは、20年くらいたってから差が出てきます。脳卒中や心筋梗塞になる確率の問題です。

    もし、脳卒中や心筋梗塞を起こしてしまえば、その先は半身不随や寝たきりになるかもしれません。孫に囲まれて幸せな老後を夢見ていても、寝たきりになってしまえば、旅行もできず、美味しいものも食べられず、介護施設で過ごすことになるでしょう。かかる医療費や介護施設での費用は相当な額になります。今の若い人たちは老後に十分な年金をもらえることはないでしょうから、お金がなければ、寝たきりを世話してくれる施設にも入れません。大変な老後が待っています。それを避けるためにできること。それは、血圧管理、コレステロール管理、血糖管理です。食べすぎず、運動する。薬が必要ならきちんと飲む。それにつきます。

    したがって、若いからこそ血圧やコレステロールが高い場合きちんと管理しないといけないのです。逆に、80歳くらいになって多少血糖が高くても心配いりません。20年後の合併症などをあまり心配する意味はないからです。私の考えとしては、80過ぎて大きな病気をしていないばあいは、美味しいものを食べたり飲んだりして人生を大いに楽しんでいただきたいと思います。

  • 当分のあいだ心療内科の新患予約をストップします

    今週は連日相当の混み合いで、例年インフルエンザが流行っている冬の忙しい時期ぐらい混雑しています。とくに風邪など目立った流行りはありませんから、通常の患者さんで混み合っているのです。そういう中、非常に時間をとるのが、会社でのストレスなどで仕事にいけなくなった、頭痛、吐き気、動悸がする、みたいな患者さんです。毎日毎日同じような訴えでどんどん来院されます。職場は皆さんそれぞれ違いますが、症状は皆同じ。ということは、治療法もちょっと問診すれば、ほとんど決まってしまいます。その人がどんなにつらいか、一応聞きますが、治療の方針はみんな同じです。血圧が高い人に降圧剤を出すのと何ら変わりません。そして、きちんと薬を飲んでくれれば、一定の期間でだいたい元気になります。

    しかし、そうはいえ皆さん職場で上司がいかに自分に対してひどいことを言ったかとか、聞いてほしいことは山のようにあります。ただでさえ混み合っている外来で、そのような話を5分10分と聞いていると、待合の人数はどんどん膨れ上がります。私としては、困っている患者さんの手助けをしたい気持ちは山々ありますが、同じように、毎月血圧の薬をもらいに来る患者さんの待ち時間を短くしつつ、的確な治療をしたいという気持ちも強くあります。

    そういうジレンマを抱えて、とても悩むのですが、これ以上心療内科の新患が増えると、いままでの馴染みの患者さんに迷惑がかかるので、当分は新患の予約をストップします。現在予約を受けているところまでとします。なお、漢方内科や循環器内科の新患は通常通りお受けいたします。

    ホスピタルメント桜十字

  • 役に立つ軟膏

    ワセリンは非常に便利な塗り薬です。傷に塗っておけばキズ薬になるし、乾燥肌に塗れば潤いが出ます。湿疹の治療にも使えるし、寝たきり老人の褥瘡(とこずれ)にも使えます。万能です。医薬品として処方することもありますが、普通に薬局で買えます。白色ワセリンといいますが、薬局にはVaseline(ヴァセリン)というアメリカ製がよく目につきます。着色料も防腐剤も何も入っていないので大人も子供も、敏感肌の人も幅広く使えます。花粉症の人は鼻腔に軽く塗っておくと、花粉を鼻の入り口でキャッチするので花粉症が軽くなると言われています。私は、手指のさかむけなどに塗りますが、ついでに10本のツメに塗ってやるとツメもきれいになります。また、私のワセリンにはティーツリーのアロマオイルを染み込ませているので、塗るといい香りがします。また、ティーツリーには抗菌作用があるのでキズなどには一石二鳥です。

    もう一つよく使う軟膏がヘパリン類似物質軟膏(あるいはクリーム)です。市販されているヒルドイドと同じです。油性の軟膏が一番保湿作用が強いのですが、少しサラッとしたクリームや液状のローションもあります。また、最近は泡状になった製品もあり、塗る場所によって使いやすいものを選ぶと良いと思います。これも敏感肌に優しい究極の保湿剤みたいに言われており、薬局で買えるのに処方箋を求めて来られる患者さんが多く見られます。基本、美容目的は保険が効かないので、薬局で買っていただきたいのですが、何らかの皮膚疾患でこういった保湿剤を使うことが望ましい場合は保険で処方することができます。

    私が好んで処方するもう一つの軟膏はケラチナミン軟膏とウレパールローションです。尿素配合軟膏とも呼ばれます。いずれも薬局で買えるので、処方するのは美容目的以外です。この軟膏は保湿作用が強く、冬場に手の皮がむけたりする場合、丁寧にケラチナミンを塗って保湿してあげると手の皮はツルツルになってむけなくなります。こういった軟膏は皮膚科が専門ですが、当院前の凌雲堂薬局にも取り揃えています。

  • WEB講演会ざんまい

    このところ、16時間ファスティングを試してみています。夕食を食べたら翌日の昼食まで16時間ほど食べないというもの。厳密にするため、朝のコーヒーもやめてみました。1週間ほどたちましたがコーヒーまで控えたのはあまりたいした効果を感じません。朝を抜くと昼まで血糖値が変動しません。食べないと上がらない。上がらないと下がらない。結果、血糖は低め安定するわけです。これは、結構快適です。一方、朝何も食べないとお腹の動きが悪くなり、便秘気味になります。同じことを患者さんも言っていたので、16時間ファスティングの問題点だと思います。対策として、食物繊維たっぷりの寒天(できればゼロカロリーのもの)を朝食べてはどうかと思い、患者さんには提案してみました。自分でも試してみたいと思います。

    ZOOMを使った勉強会が連日開催されています。一日にいくつもの講演があるのですが、いろんな方面から案内があり、メールが新旧ごちゃごちゃになり、結局今日の講演の視聴用アドレス(リンク)がどこにいったか全然見つかりません。そういう中で、優れた製薬メーカーはZOOMのスケジュール機能を利用して、参加申込をした段階で、パソコンやスマホで使っているカレンダー(iCALやGoogleカレンダー、Yahooカレンダーなど)に自動的に講演日程とリンクのアドレスを張ってくれるところがあります。これはとても助かります。

    逆に、しょうもないメーカーは講演視聴を申し込もうとすると自社WEBサイトに誘導し、会員登録したり、パスワードなどを設定しないと講演の申し込みができないところがあります。こういうところは、面倒なので、却下です。このように、WEB講演会は雨後の筍のように乱立していますが、案内のわかりやすさや参加のしやすさなどは各社相当差があります。