むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 血圧や脂質はなぜ下げるのか

    血圧やコレステロールの薬を初めて処方すると、こういう薬は一度始めたら一生飲まないといけないんでしょう、といわれます。実際にそうかも知れないし、そうでないかもしれません。では、なんのために血圧やコレステロールの治療をするのか。通常、多少血圧やコレステロールが高くても自覚症状はなんともありません。それを薬で治療しても、何ら変わった感じはしないと思います。それでも、血圧やコレステロールを管理することはとても大切な事です。それは、20年くらいたってから差が出てきます。脳卒中や心筋梗塞になる確率の問題です。

    もし、脳卒中や心筋梗塞を起こしてしまえば、その先は半身不随や寝たきりになるかもしれません。孫に囲まれて幸せな老後を夢見ていても、寝たきりになってしまえば、旅行もできず、美味しいものも食べられず、介護施設で過ごすことになるでしょう。かかる医療費や介護施設での費用は相当な額になります。今の若い人たちは老後に十分な年金をもらえることはないでしょうから、お金がなければ、寝たきりを世話してくれる施設にも入れません。大変な老後が待っています。それを避けるためにできること。それは、血圧管理、コレステロール管理、血糖管理です。食べすぎず、運動する。薬が必要ならきちんと飲む。それにつきます。

    したがって、若いからこそ血圧やコレステロールが高い場合きちんと管理しないといけないのです。逆に、80歳くらいになって多少血糖が高くても心配いりません。20年後の合併症などをあまり心配する意味はないからです。私の考えとしては、80過ぎて大きな病気をしていないばあいは、美味しいものを食べたり飲んだりして人生を大いに楽しんでいただきたいと思います。