むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 休職と復職をめぐる難しい問題

    最近、製薬会社からもらった薬品のパンフレットに面白いことが書いてありました。精神科医を困らせることランキング。順番は忘れましたが、会社のストレスで仕事にいけなくなった人の復職可能かどうかの診断書。たしかにこれは困ります。休職しているときはすっかり元気になって、もう大丈夫と思っても、職場へ向かったところ到着する前から動悸がしたり息苦しくなったり、吐き気がして結局自宅に後戻り、ってことがよくあります。結局のところ、主治医に復職可能か判断しろというのは責任転嫁です。行ってみないとわかりません。

    その点、しっかりした企業は、復職プログラムを準備してくれるので、最初の1-2週間は午前中勤務、その後3時までの時短勤務。そして次に5時までの勤務。その後通常勤務でも残業なし、みたいに段階的に慣らし勤務をさせてくれます。職場のストレスの場合、本当は部署を変えてもらったり転勤するのがストレスから離れるという意味では手っ取り早いのですが、会社の規模によってはそれが叶うとは限りませんから、焦らずじっくりやってもらいたいものです。たまに、職場から、完全に治るまで出てくるな、と言われるところがありますが、それは、間接的にクビを宣告しているものと捕らえます。

    私たち医師は患者さんの味方ですから、その人が会社でどんなに失敗ばかりしても、人並みに働けていなくても弁護します。会社が強硬な姿勢を取る場合、弁護士さんを紹介したりして患者さんを守ります。しかし、あまりに理不尽な対応をされる場合、それとなく転職を勧めます。しかし、暴力夫に悩む奥さんの相談の場合、さすがに離婚したら、とは言えません。医者は患者さんの話を黙って聞く(傾聴する)のが良くて、あまり具体的なアドバイスは良しとされないからです。