むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 追っかけ漏れは治せる

    今週は秋雨前線で雨が多いみたいですね。暑さのピークは過ぎましたが、結構蒸し暑いです。頭痛や食欲不振等が起こりやすい季節です。暑いときは冷たいものが欲しくなりますが、冷たいもののとりすぎには注意しましょう。胃腸が冷えるのは万病の元です。

    古くからの知恵で、冷奴や冷やしそうめんなどにはおろししょうがが添えられています。しょうがはお腹を温めてくれるので、食材の冷たさを緩和してくれるのです。夏こそ生姜をたっぷり食べて健康に過ごしましょう。私は、しょうがをスライスしてピクルス用の酢につけています。毎日たくさん食べます。ちょうど寿司屋のガリみたいな感じになります。美味しいですよ。普通の酢につける場合は、はちみつなどで酸味を緩和すると美味しくできます。

    いつものように夕食時にTVを見ていたら、「教えてもらう前と後」という番組のエンディング直前で男性の排尿後の追っかけ漏れを治す方法を説明していました。排尿後に会陰部を手で押し上げることで尿道に溜まった尿を全部出すことができるというもの。この方法は以前こちらのブログに紹介したことがあります。間違いなく有効です。追っかけ漏れは、骨盤底筋の筋力低下(老化)です。実際、筋トレで改善します。

     

  • 心配しないで薬をのんで元気になってほしい

    お盆休み明けの週で混雑が予想されていましたが、やはり混みました。待ち時間をできるだけ少なくとは思っているのですが、数カ月ぶりに来る人や、遠方から時間をかけて来ておられる人を2−3分で終わるわけにも行きません。わざわざ来たかいがあったと思っていただきたいので時間がかかってしまいます。一見元気そうに見える人も、よくよく聞くと、明日は会社に行けそうもないという場合もあり、短時間の診察ではなかなか聞き出せない悩みもちょっと時間をかければ話していただけます。そこを聞き出せずに次から次へとこなしていくだけの外来診療ではいけないと思っています。

    そういう中で私が困ってしまうのが、せっかく出した薬を飲みませんでした、と言われるときです。安定剤や抗うつ薬などに抵抗があったので、飲まなかったと言われると、がっかりです。この2週間を無駄にしてしまった感じです。薬を使わず自力で過ごしてもたいして変わるはずもなく、20点くらいの毎日でしょう。薬を飲むのは嫌かもしれませんが、ちゃんと飲んでもらえば、今頃70点か80点くらいにはなっていたかもしれません。生活の質(QOL:クオリティー・オブ・ライフ)を上げることこそ大切だと思います。きつくて気分が沈んでいるけど、薬は飲みたくないから寝て過ごした、なんて、かぎられた人生を無駄に過ごしている気がします。薬で治るなら飲んでいいと思います。

    もちろん、薬を飲まずに自力で治ったという人がいないわけではありません。当院を受診される人の1−2割は薬を使わず治っていると思います。しかし、残りの8割位の人は薬を使ったおかげで元気になっていると思います。薬を飲んで元気になったら薬をやめればいいのです。当院では薬依存にならないよう漢方なども併用したりといろいろ工夫しているので、指示通り減薬すれば、やめられないという心配はないと思います。

  • 気温が下がると頻尿になります

    お盆やすみ明けの今週は患者さんが集中すると予想しています。できるだけ待ち時間なくスムーズに診療できるよう考えます。ただ、休み中に体調をわるくした患者さんも多そうなので、多少時間がかかるのはご了承ください。先週のお盆明けの金土はちょうど5月の連休明けみたいでした。というのは、1週間ほど会社に行かないでよかったのでリフレッシュしたのはいいけど、いざ仕事となると、朝から気分が悪くて会社にいけません、といった訴えが非常に増えています。いわば8月病です。

    もう一つは、たて続けの台風で体調を悪くしたという方です。頭痛やめまいなどは気圧の変化の影響を受けます。いつもの頭痛・めまいが悪化したと言う方がかなりおられます。今日の週間天気予報を見たら、ずっと曇りか雨みたいです。秋雨でしょうか?今年は夏の始まりが遅かったですが、もう秋雨なら夏も終わりということですね。先日、近所にコウモリが大量発生、と書きましたが、日に日に減ってきて、昨日は10匹程見ましたが、今日はゼロです。いなくなりました。そして、あたりは秋の虫の合奏でにぎやかです。

    秋に気をつけないといけないのは、アレルギー性鼻炎、喘息、血圧上昇などでしょう。また、冷えてくると、夜間頻尿がだんだん悪化してきます。夏の間は夜に1回起きるかどうかという人も、次第に2回3回と回数が増えてきます。夜間のトイレが4−5回ともなれば睡眠に支障が出ます。そうなる前に早めにご相談ください。当院は内科ですが、夜間頻尿の治療を行っています。

  • 入院中の食事には注意

    最近、マツダの車の名前はドイツ車みたいに3とか5とか番号になりました。以前はいろんなネーミングがありましたが、番号のほうがスッキリしていいですね。日本人は何にでも名前をつけたがります。先日JR(国鉄時代)の人がインタビューに答えていましたが、新幹線にはネーミングをする予定はなく、番号で呼ぶつもりだったが、開業ギリギリでひかりとこだまとネーミングされたそうです。その後JRに限らずありとあらゆるものにネーミングしているのは御存知の通りです。最近気になるのはトヨタのタンク。日本語にすれば戦車です。もうひとつ気になるのが、三菱のデリカ。日本語にすれば、お惣菜屋さんです。なんでこんな名前にしたのかわかりませんが、外国人が聞いたらびっくりでしょう。

    ところで、最近友人が交通事故で入院しました。お見舞いに行ったのですが、病院食があまりに質素でお腹が空くので、毎日売店でカップ麺を買って食べているとのことでした。不健康極まりないです。入院中にこんな食事をして、リハビリなんてできるはずありません。骨折した骨はカルシウムとコラーゲンからできています。その周りの筋肉はタンパク質です。そこで、当たり前ですがこういう入院の際には蛋白(アミノ酸)を十分とらないといけません。プロテインが手っ取り早いですが、アミノ酸ならグルタミン酸とバリン、ロイシン、イソロイシン(3つ合わせて分岐鎖アミノ酸という)、カルシウム、そして、摂取した蛋白がコラーゲンに再構築されるために必要なビタミンCなどを大量にとらないといけません。

    入院中の食事は国が一日あたり幾らと値段を決めているので肉など蛋白を増やしたくても予算の都合で増やせません。結果、入院中はわずかなおかずとどんぶりご飯です。もし皆さんが入院するような際には自分でなんとかしないといけません。決してどんぶりご飯を全部食べないこと。代わりにプロテインを飲むこと。ビタミンなどのサプリを取ること。間違ってもお腹が空いたからカップ麺、というのはいけません。パンもだめです。SOYJOYなどのプロテインバーはいいと思います。

  • 足のむくみについて

    足がむくんだと言って来られる人がたくさんいます。なかには血相を変えて来られる人がいます。むくみ方も、靴下のゴムが多少食い込む程度のひとから、靴が入らずサンダル履きで来られるほどひどい人もいます。軽い人のほうが大騒ぎする傾向にあります。自分のおじさんは足がむくみ始めて1週間で亡くなったとか、そういう素人判断のから騒ぎです。

    足がむくむ際に心不全、腎不全などもありますが、実際はそういう原因の可能性は低く、多くの場合座っている時間が長すぎるとか塩分や水分を取りすぎているとか、そういうことが原因となっています。しかし、この夏の盛りに水分を取りすぎないように指導するのは難しいし、むくみをとるために強い利尿剤を使うこともはばかられます。血液が濃縮すると脳梗塞のリスクとなるからです。多少足がむくんでいても何も起こりませんが、むくみとりに必死になって脳梗塞になっては仕方ありません。

    eGFRという腎機能の指標がありますが、これは血清クレアチニン(Cr)というデータに性別や年令を加味して計算式に入れることで推測する腎機能です。年齢が計算式に入っているため、クレアチニン値は一定でも年を取るほどeGFRは下がっていきます。70,80歳ともなると、それほどクレアチニン値が悪くなくてもeGFRが低く計算されるため、腎臓に問題ありと指導される場合がありますが、むくみとはなんの関係もないことがほとんどです。こんなことで一喜一憂して蛋白制限食(腎不全食)など取らないようにしてください。年をとったら筋力が低下するので、蛋白をしっかり取らないといけません。根本をまちがうと結果は健康維持という目標から大きく外れてしまいます。