むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 被害者意識は自立を妨げる

    被害者意識があると、治るものも治りません。例えば交通事故。被害者にはお気の毒ですが、相手方の保険で治療を受けている間はなかなか治りません。ここが痛い、ここがしびれる、頭が痛い、天気が悪いと更に調子が悪いと、何ヶ月たっても改善の兆しがありません。しかし、保険には限度があります。後遺症と認定して示談金を払うのを最後に保険での治療を終了するというものです。大抵の人はここでやっと症状が軽くなります。実際は、多少の後遺症があるかもしれませんが、どれだけ言ってもそれ以上の保険金は出るわではないので、あきらめるのです。実際、こういう患者さんたちを見ていて思うのは、早く諦めたほうが早くなおるということです。

    これは、治らないほうが利得があるという構造が深層心理に働き、いつまでたっても治らない、というか、治らない方を体が選択しているのです。会社で嫌な目にあったりして体調を壊す場合も、なおらないほうが利得がある場合が結構見受けられます。そもそも会社に行くのはきつくて嫌だ、上司のパワハラを理由に会社を休むことができた上に傷病手当をもらったらなんとか生活が成り立っている、という場合、いつまでたっても治りません。

    一方、傷病手当もこれで最後とか、これ以上仕事をしないなら離婚させていただきますと三行半を突きつけられると急に症状が改善して仕事に行けるようになる場合があります。最近の韓国を見ていても同じことを感じます。被害者意識を捨てて、さっさと自立した一人前の国になりなさい、と言いたいです。

    ソウル東大門で見かけたLINEのクマのキャラクター。