むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • パン屋さんとクリニックと

    また台風が接近中です。沖縄の映像を見ると相当強いみたいなので、被害が心配です。このブログがアップされる時間にはすでにかなりの風雨となっているかもしれません。くれぐれもお気をつけください。私も、植木鉢や外に置いているごみ箱など飛んでいきそうなものは重石を乗せたりして固定しました。

    私は通常は糖質制限でご飯やパンはほとんど食べませんが、台風の時は念のためパンを買い置きすることにしています。停電したりして、食料に困らないようにするためです。おかずとしては、鯖缶を大量に備蓄しているので、心配ありません。そのパンですが、滅多に食べないので、せっかく買うなら美味しいものを買いたいという気持ちです。コンビニで買うのは最終手段です。今日はポンパドールで買いました。ところで、自宅の近くにパン屋さんがあったのですが最近潰れてしまいました。ここは3年くらい前から潰れそうな気がしていたので、予感が当たった感じです。

    パン屋は店も多く激戦だと思います。まず何と言ってもコンビニと戦わないといけないので、ハードルが高いです。コンビニはどんどん新商品が出るし、サンドイッチから菓子パンまで品揃えも豊富です。そこにパン専門店として戦うには、やはり本物志向で高品質でないといけません。クリニックの近くにとても繁盛しているパン屋さんがあります。売れているところと潰れてしまうところを見ると、やはり商品の魅力が全然違う気がします。我々医療業界も同じだと思います。病院はいくつもあるけど、遠くてもわざわざ行く価値があると言っていただけるよう努力したいと思っています。

  • 在宅医療ネットワーク

    在宅医療ネットワークという会合に参加してきました。診療が終わりへとへとになりながら医師会へ向かってみると、会場は大入り満員でした。在宅医療に取り組もうという医療機関がいかに多いかが伺えます。今日の勉強会は、複雑な在宅医療の診療報酬の仕組みについての解説でした。当院は実際に訪問診療を50名ほど受けていますので、だいたい診療報酬の仕組みに関しては理解しているつもりですが、非常に複雑で言葉(専門用語)も独特ですから取り付きにくいものです。また、インスリンの自己注射の指示や自宅酸素の指示はきちんと決められた文言をカルテに書かないといけないというルールが有るため、単に丁寧にカルテを記載するというだけでなく、必要事項をもれなくかけるフォーマットづくりが大切だと言うことです。これも、当院では電子カルテにフォーマットを登録しているため、ちゃんとできていると思います。

    このようなシステムの構築がなにより大変です。一つ一つコツコツと積み上げなければできません。ドクターだけでできることではなく、よく勉強している医療事務員さんの手助けがないと歯が立ちません。また、在宅医療をするにあたってネックになるのが、24時間365日対応の体制づくりです。私もこの対応のため学会にはほとんど参加できず、行ったとしても福岡に日帰り程度です。こんな状況をこの先何年も続けられるのか、心配になります。

    そういう中、徐々に進んでいるのが、診療所どうしの助けあいです。在宅診療グループを作ってお互いに学会に行っている間をカバーし合ったりする仕組みづくりです。今後も在宅患者さんが増え続けますから、我々ドクターも一人でなくチームで対応する時代になりそうです。

    写真は当クリニックが建つ前の更地の状態(思い出)

  • インフルエンザのワクチン予約を開始します

    涼しくなって風邪が増えて来ました。まだインフルエンザの流行はありませんが、県外ではすでに発生しているようですので、注意が必要です。インフルエンザの予防接種ですが、やっとワクチンの入荷のめどが立って来ました。昨年はワクチン製造の工程でトラブルがあり、日本中でワクチンが非常に品薄でした。今年は幸いそのような話はないようなので、十分量が流通すると思います。当院でも10月1日からは接種可能な状況ですが、最初のしばらくは数にも限りがありますので、予約をお願いします。予約は診察の際でもいいし、電話で確認していただいても構いません。

    この頃は咳がなかなか治らないという患者さんが多く見られます。秋の空気が乾燥しているのも影響しますし、接近中の台風で調子が悪くなるという気圧敏感型の患者さんもおられます。乾燥による咳なら麦門冬湯がおすすめです。気圧の低下で喘息のような咳が出る場合、小青竜湯、麻杏甘石湯などを使います。今週私が処方したのはどちらかというと麦門冬湯が若干多かったような気がします。

    それにしても、また週末に台風接近の予報です。九州直撃ですが、予想通りなら熊本は中心より西に入りますので、比較的被害は少ないパタンです。しかし、この前関空をむちゃくちゃにした台風と同じくらい強いらしいので、油断できません。備えあれば憂いなしです。

  • 私のお仕事

    9月の半ばくらいから患者さんの数が急増しています。この9月は連休が多く、その影響で営業日が少ないために、混み合っているのかと思いましたがわかりません。とにかく毎日が忙しく、患者さんのみなさんにもいつも以上に長い待ち時間となりご迷惑をおかけしています。出来るだけ簡潔に的確な診察をしたいと思っていますが、新患も多いためどうしても時間がかかってしまいます。

    新患は実際何の疾患かもわからないところからスタートし、必要な検査をしたり病態に仮説を立てて治療方針を考えます。初回はだいたいここまでです。2回目の診察では、採血などの結果をみて最初の治療方針が正しかったか検証します。ここで難しいのは、治療の結果何種類か出した薬のうちどの薬がどのくらい効果を発揮したのか、あるいは効かなかったと考える薬は違う薬に変えたほうがいいのか、それとも量を増やしたほうがいいのか、患者さんとの会話の中から瞬時に判断します。非常に難しい判断ですが、ここで方向性を間違うと、最初に考えた病態の仮説が正しかったかどうかがわからなくなってしまいます。

    3回、4回と診察を重ねるに従って、仮説が正しかったのか、治療方針は間違っていないか、選んだ薬とその量は適切だったかということもだんだんはっきりして来ます。そこで患者さんにもお願いしたいのは、私に遠慮しないで効いているのか効いていないのか正確に伝えて欲しいということです。

  • 東洋医学の普及は外国から日本へ

    昨日はNHKで東洋医学の特集がありました。夕方7時半から10時までという長丁場でした。取り上げられたテーマは、鍼(ハリ)、ヨガ、漢方薬、お灸と多岐に渡っていました。日本における東洋医学の歴史はおそらく遣隋使の頃に始まりますから、日本の漢方の歴史は1500年くらいでしょうか。元祖中国の東洋医学の歴史が3ー4000年と考えられていますので、中国には及びませんが、十分長いものです。これだけの歴史の積み重ねがあるにもかかわらず、日本では東洋医学は西洋医学に準じるもの、あるいは民間療法という扱いです。

    NHKが番組で紹介したのは、海外の東洋医学事情でした。米軍では、戦場での緊急処置として痛みを取る耳鍼を確立した話、ヨガが大学病院で癌患者さんの痛みや睡眠をコントロールするために導入されている話。アメリカの小学校でヨガを毎朝することで、生徒の不安などが解消して非常にいい成績を上げていること、アフリカではイギリス人のドクターが日本式のお灸を普及する活動をしており、結核患者の免疫を上げることに成功していることなどなど海外における東洋医学の取り組みが次々と紹介されました。

    一方日本では、番組では紹介されませんが、鍼灸やヨガなどをやっている大学などごくごくわずかだし、保険適応も限定的なため、医学として全く認知されていません。日本は不思議なもので、外国でみんなやっているという状況になるまで手元にあっても気づきません。健康に対する意識の高い人たちだけが漢方や鍼灸、ヨガなどに価値を見出しています。