むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 東洋医学の普及は外国から日本へ

    昨日はNHKで東洋医学の特集がありました。夕方7時半から10時までという長丁場でした。取り上げられたテーマは、鍼(ハリ)、ヨガ、漢方薬、お灸と多岐に渡っていました。日本における東洋医学の歴史はおそらく遣隋使の頃に始まりますから、日本の漢方の歴史は1500年くらいでしょうか。元祖中国の東洋医学の歴史が3ー4000年と考えられていますので、中国には及びませんが、十分長いものです。これだけの歴史の積み重ねがあるにもかかわらず、日本では東洋医学は西洋医学に準じるもの、あるいは民間療法という扱いです。

    NHKが番組で紹介したのは、海外の東洋医学事情でした。米軍では、戦場での緊急処置として痛みを取る耳鍼を確立した話、ヨガが大学病院で癌患者さんの痛みや睡眠をコントロールするために導入されている話。アメリカの小学校でヨガを毎朝することで、生徒の不安などが解消して非常にいい成績を上げていること、アフリカではイギリス人のドクターが日本式のお灸を普及する活動をしており、結核患者の免疫を上げることに成功していることなどなど海外における東洋医学の取り組みが次々と紹介されました。

    一方日本では、番組では紹介されませんが、鍼灸やヨガなどをやっている大学などごくごくわずかだし、保険適応も限定的なため、医学として全く認知されていません。日本は不思議なもので、外国でみんなやっているという状況になるまで手元にあっても気づきません。健康に対する意識の高い人たちだけが漢方や鍼灸、ヨガなどに価値を見出しています。