むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 秋は秋の漢方

    涼しくなりました。風邪の患者さんもだいぶ増えてきました。気をつけましょう。夏の風邪は葛根湯で温めると逆効果のことが多いのですが、最近は葛根湯でも良さそうな人が増えてきました。しかし、まだ本気で漢方で温めるには早いと思います。扁桃腺を腫らして40度近い患者さんは一見葛根湯がいいように見えますが、まだそんな季節ではありません。今の季節では、葛根湯に小柴胡湯加桔梗石膏を加えます。この二つを合わせると温め過ぎず、消炎清熱効果があります。

    秋は咳が出やすいシーズンです。喘息の場合は胸がヒューヒューなったりしますから、ひどい時はきちんと吸入薬を使いましょう。そこまでひどくない場合は漢方も使えます。気管支拡張作用のある麻黄湯、麻杏甘石湯、五虎湯などを使います。今年は夏が暑くて長かったため、結構体力を消耗している患者さんが多い印象です。ちょっとした風邪が長引いてなかなか治りません。そのような時は補中益気湯で体力回復を要します。補中益気湯は夏バテにも使いますが、風邪の予防効果があります。体力だけでなく、免疫力をアップします。

    風邪の予防には霊芝(サルノコシカケ)も有効です。私は冬の風邪シーズンは毎日煎じて飲みます。サルノコシカケはキノコ類ですが、秋はキノコの季節ですね。しいたけ、舞茸、松茸など美味しいキノコはたくさんあります。どれも免疫を上げる働きを持っています。私は毎日シイタケなどを食べるようにしています。最近気になっているのは、おがくず栽培物のシイタケと原木栽培のシイタケは味も値段も全然違います。免疫アップにはやはり原木栽培の方がいいに違いないと感じていますが、あいにく薬理学的なデータはまだ持ち合わせていません。