むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 偽痛風

    偽痛風と言う疾患があります。痛風のニセモノです。痛風のように関節が熱をもったように腫れて傷みますが、採血してみると尿酸は高くないのであれれ?と言う感じになります。痛風は足の親指の付け根が腫れることが多く、他に足背や足首あたりが多いですが、偽痛風の場合、膝や股関節など比較的大関節に炎症を起こします。偽痛風は尿酸では無くピロリン酸という結晶が悪さをしているそうですが、血液中で検査できず、膝などに溜まった水を抜いて顕微鏡で確認するとピロリン酸の結晶が見つかるそうです。

    膝などの関節が腫れて痛いというと、整形外科に行くことが多いと思います。そこで、レントゲンやMRIをとっても変形がたいしたことないとか、軟骨が減っているけどそれほどひどくないと言われた場合、実は痛風や偽痛風の可能性があるので、内科受診を勧められます。治療に関しては、痛風と偽痛風はたいして変わらず、炎症をとるための薬と痛みを取る薬を組み合わせて使います。薬が効けば数日で痛みは取れますが、その後経過を見ながら薬を徐々に切っていきます。

    漢方では、関節の痛みは熱を持っている場合と持っていない場合で治療の方法が変わります。熱症の場合、越婢加朮湯、熱を持たない場合麻杏薏甘湯を使います。痛風はビールなどにお酒の飲み過ぎや焼肉などタンパク質のとり過ぎ、明太の子やカズノコのような魚卵系珍味の食べ過ぎで起こると言われていますが、偽痛風は食事とは関係ないようです。

  • インフルエンザワクチンの予約開始

    今年もインフルエンザワクチンの予約を開始しました。コロナワクチンも同時進行なので煩雑ですが、季節なので、準備していきます。情報によると、今年のインフルエンザワクチンは例年以上に品薄だとのことです。当然希望者全員には行き渡りません。当院でも、何本入ってくるかわかりませんが、先行予約を開始しました。体力のない方、高齢者、呼吸器の持病がある人などはお早めに予約をとってください。価格は据え置きです。コロナワクチンの3回目の問い合わせが時々ありますが、当面はないと思っています。医療従事者にはすると噂はありますが、定かではありません。アメリカのCDCの発表によると、アメリカでは医療従事者も含めて3回目の予定は無いとのことです。重篤な基礎疾患のある人だけ3回めを打つと言っています。私がこのニュースを見て感じたのは、3回打つことで得られるメリットよりも副反応などのデメリットが上回るという判断からだと思います。

    お年寄りの訪問診療を100名近くしていると、いつもニコニコ元気そうな人と、いつもあれこれ体調不良を訴えてうつ病みたいな人に別れます。そこで考えました。高齢者を2つの軸で4つのグループに分けます。一つは認知の軸(ボケた人、ボケていない人)、もう一つは健康の軸(元気な人、持病に悩む人)この2つの軸で4グループに分けると、1番目が<ボケていない>:<体調はよい>グループ。これは心配ないです。幸せな老後です。2番めが<ボケている>:<体調は良い>です。これは本人がボケたことに対して憂いがないなら幸せいっぱいです。問題は元気良すぎて徘徊したり迷子になって警察のお世話になるというもの。本人はともかく、家族が大変です。3番めに<ボケている>:<体調はよくない>です。このグループはとても多いのですが、病気がたとえガンであっても将来への憂いが少なく、体調は優れなくても苦しそうではありません。

    そして、4つ目のグループが<ボケてない>:<体調は良くない>です。これは最悪です。ちょっと食欲が落ちたり体重が下がっただけで、ガンかもしれない、と恐れ、不安でいっぱいになり眠れなくなったり血圧が上がったりします。老人ホームでは、ボケていないと、することがない、楽しくない、周りにいるお年寄りと自分を一緒にするな、病気が不安、将来が不安、とにかく不安や心配の塊です。そして、こういう人たちはいつ話しかけても眉間にシワを寄せているため、介護する側も暗い気持ちになり、あまり近寄りたくない。結果、お世話も行き届かなくます。かわいそうな老後です。私は、このようなお年寄りには抗うつ剤を積極的に投与します。鬱々とした気分が晴れて、不安も減ります。内科的治療だけではハッピーな老後にするのは難しいと思います。

  • パルスオキシメーターはきちんと理解して使おう

    酸素飽和度(SpO2)という検査があります。パルスオキシメーターという機械で測るのですが、コロナの影響で、低酸素を家庭でも感知できるように購入された方も多いかと思います。指に小さな機械をはめると、酸素飽和度と脈拍が数値で表示されます。このパルスオキシメーターは私が研修医の頃、世に登場しました。最初の機械は電話帳くらいの大きさでした。採血することなく酸素の具合を測れるとあって、とても衝撃的でした。

    酸素飽和度というのは血液中の赤血球の内部にヘモグロビンという物質があり、これが酸素と結合するのですが、何%が酸素と結合しているかという数値になります。一方、私たちが救急などの現場で重要視するのは酸素分圧(PaO2)という数値です。こちらが生命維持にとても大切な数値なのですが、採血しないとわからないため簡便な酸素飽和度(SpO2)で代用しているわけです。実は、酸素分圧と酸素飽和度は直線的な相関関係にはありません。グラフにすると曲線となります。その結果、パルスオキシメーターで見た酸素飽和度が95%と98%はさほど酸素分圧に差がないのですが、92%と95%ではものすごい差となります。どちらもわずか3%の差ですが、92%を切ったあたりから酸素分圧は急激に落ちていきます。私たちが指にパルスオキシメーターをはめて精一杯息こらえをしたとします。最初98%くらいだとして、30秒間一生懸命息をこらえても92%を切ることはあまりありません。つまり、92%以下というのは激しい低酸素状態だということです。(参考:https://knowledge.nurse-senka.jp/19377/

    今日、診察室での会話から気がついたのは、患者さんたちはパルスオキシメーターの測定原理も意味もわからず指にはめて数値を見ているということ。当たり前ですが、私たちプロからしたら、驚きでした。上にかいたような生理学の常識なしに数値を見ても解釈できません。それから、手が冷えているとちゃんと測れません。緊張したりして手が冷たくなる場合も測れなくなることがあります。それは、機械が壊れたわけでもなく、とんでもない低酸素の状態でもないので慌てないでください。まず、温かいお湯やおしぼりで手を温めて緊張せずにゆっくり測ってみてください。きちんと測れると思います。(参考:https://www.nurse-happylife.com/23676/

  • 医薬品の欠品が相次いでいます(全国規模)

    クリニックの駐車場の植え込みのところが草だらけになってしまいました。暑いし、草取りは相当時間もかかるので、まとまった時間が取れず後回しになっているうちに見苦しくなりました。ちょうど、折込チラシでそういう悩みを解決してくれそうな物を見つけました。「草なしくん」という施工なのですが、植込の木があってもその周りを特殊な土で固めてしまうと、草が生えなくなるというもの。もちろん、多少は生えてくるでしょうが、そのアフターケアも含めた施工サービスです。チラシには、あなたはこの先5年も10年も草取りに時間を費やしますか、とありました。本当に切実な悩みだったので、チラシを大事にを取っていました。すると、たまたまその会社のユニフォームを着た患者さんが来院されました。診察もそこそこに、「草なしくん」の話を聞いて、さっそく見積もりを取り、年内には施工してもらう運びとなりました。できるだけ、土日の診療時間外に作業してもらうように依頼していますが、もし、工事で駐車場スペースが制限される場合、ご協力をお願いします。

    ところで、先日も書きましたが、ジェネリックの多くの薬が入手できない非常事態です。コロナとはあまり関係ないようですが、原料が輸入できなかったり、工場が止まっていたりで大打撃を受けています。最初はジェネリックの医薬品が止まっていたのですが、そのあおりで先発薬品も品薄となり、ほとんど手に入りません。今困っているのは、アイミクス(イルアミクス)という血圧の薬です。非常に強力で1剤で血圧がよく下がるので多用していたのですが、入荷しなくなりました。代替えの処方を開始していますが、アイミクスに匹敵する薬品がないため2剤の組み合わせでないと同じ強さにできません。いろいろ工夫して、全体の薬の錠数が増えないように、そして、薬代が上がらないように考えますが、いちばん大事なのは患者さんの血圧が安定することなので、多少の変更はご容赦ください。国は国策でジェネリック医薬品の使用率アップをやっているにも関わらず、安定供給といういちばん大切なところでつまづき、このままではジェネリックの会社は潰れるんじゃないかと心配するほどです。今回、国の責任は重大です。

    もう一つはエディロールという骨粗鬆症の薬です。全く入荷しない状態です。ボナロン(アレンドロン酸)などの骨の薬は流通しているので、そちらを使います。ビタミンDは市販のサプリでも入手できますが、実際はそこまでしなくてもいいと思います。カルシウム製剤(サプリ)や牛乳は骨にとってほとんど意味がないので、取る必要はありません。おすすめはいりこなど小魚を食べることと、かかと落としのような背骨に重力をかける運動を毎日することです。

  • ニトロの使いかた

    私は、小さい車が好きです。実はこれまで、大きなSUVに乗っていました。乗り心地は良かったのですが、クリニック近くの狭い道を通るには運転に気を使うし、燃費も悪かったので、最近小さい車に乗り換えました。小さい車は取り回しも良いし、燃費も今までの2倍以上いいし、買い替えてよかったと思っています。ところで、運転席のスピードメーターですが、これまでのSUVはメーターがいくつもついていて結局どれも見ていない状況でした。しかし、今度の小さな車は基本スピードメータだけが真ん中にあり、その他の情報は殆どありません。結果、運転中にスピードを確認することができるようになりました。似たことは腕時計にもあります。クロノグラフというタイプの腕時計は文字盤の中にさらに小さな針が3つくらいついていて複雑です。よーく見ればそれぞれの文字盤から情報を得られるのですが、わかりにくいため飾りとしか思えません。現在の時間さえ、いろんなものがありすぎて読みにくくなっています。目的を搾ったシンプルなものが最も機能的です。

    さて、今日は、最近良く見る狭心症について解説したいと思います。狭心症といえば、お年寄りが坂道などで胸を抑える発作を思い浮かべるかもしれません。これは典型的な労作性狭心症です。心臓を取り巻く冠動脈の動脈硬化が原因です。症状がひどくなれば、カテーテル治療で狭いところを拡げる場合があります。一方、年令に関係なく若い世代でも、そして安静時に胸が締め付けられるのは冠攣縮性狭心症といいます。夜寝ていて朝早く胸痛で目が覚めることが多い疾患です。自律神経影響で動脈硬化とは関係なく血管が縮むことで狭心症が出ます。

    このような狭心症が疑われるときには、ニトロペンという発作時に頓服する薬がよく使われます。胸が締め付けられたような感じや、喉や歯茎などに違和感が出たらためらわずに一錠口に入れます。水で飲んだりせず、舌の下にいれて飴みたいになめて溶かします。すると、薬剤は舌下静脈から吸収されて即効します。たまに2錠目を使わないと落ち着かないこともありますが、効かないときに何錠も際限なく使うのではなく、2回使って改善しない場合、速やかに救急病院を受診してください。