むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • ストレスで腹痛下痢は過敏性腸

    ストレスで腹痛や下痢になる人は結構います。朝、学校や仕事に行こうとするとお腹が痛くなってトイレに籠ってしまう。そうこうしているうちに遅刻しそうになる。土日など仕事がない朝は割とどうもない、みたいな症状を過敏性腸症候群といいます。単なる慢性下痢ではありません。普通の内科に行くと、胃腸炎と診断されて、ビオフェルミンなどの整腸剤を処方されるかもしれませんが、それでは一向に改善しません。原因が胃腸にあるのではなくストレス、心因性だからです。このように心の問題が体に影響している場合、心身症といいます。心療内科の出番です。

    もう一つ似ているのは、食事をすると胃が痛む、ムカムカする、胃がもたれるなどの胃腸症状をきたすが、胃カメラなどの検査をしても特に異常がないとされる場合です。このような場合、タケプロンとかネキシウムなどの胃酸を抑える薬剤を処方されますが、もともと胃炎も胃潰瘍もないので、このような薬剤は効きません。機能性ディスペプシアと呼ばれています。この場合、ふつうの胃腸薬ではなかなか改善しません。胃腸科で治療して治らないときは漢方の出番です。

    このような症状の際には、六君子湯や半夏瀉心湯などがよく使われます。当院では漢方を専門としているためすでに通常の漢方処方を使ってもあまり効かなかった方が来院されます。そのような場合、茯苓飲合半夏厚朴湯とか四逆散、大柴胡湯などを用います。西洋薬ではガナトン、ガスモチン、セレキノンなどをうまく組み合わせることで症状はかなり軽減されます。