むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 痛風の季節

    痛風は足の親指の付け根が腫れて痛むものです。風が吹いても痛いという話で、相当な痛みを伴うようです。人によっては小指側だったり足首、足背が腫れて痛む場合もあります。痛すぎて歩けない、仕事に行けないということが多いです。痛風の原因は高尿酸血症です。尿酸が高いと関節の組織内に尿酸が沈着して炎症を起こすそうです。尿酸はプリン体という核酸が代謝されるとできるのですが、プリン体は肉やビールに多く含まれます。毎日のように焼き肉を食べたりビールを飲むと尿酸が上がります。しかし、実際はそれだけでなく、どのアルコールを飲んでも上がるようなので、ビールをハイボールに変えてもだめです。プリン体ゼロのビールもアルコールだったら尿酸は上がります。ノンアルコールビールはOKです。

    不思議と、毎年今ぐらいの季節に痛風発作で来院される方が多いようです。なぜ季節変化があるのかわかりません。梅雨時にビールなどのアルコール消費が増えるのでしょうか?とにかく、毎日数名の痛風発作の患者さんが来院されます。ほとんどの症例は腫れた足をぱっと見ただけで診断が付きます。しかし、念の為採血してみると尿酸の値は様々です。すごく高い人からあまり上がっていない人まであります。痛風発作では、尿酸があまり上がっていない場合もあります。大事なのは血中の尿酸の値ではなく血管外(組織中)に沈着した尿酸だからです。

    痛風発作は通常のロキソニンのような鎮痛剤だけでは1週間たってもまだ痛みます。当院ではコルヒチンなどの特効薬をいくつか組み合わせることで素早く炎症を取ります。尿酸を下げる治療は痛みが落ち着いてからになります。不思議なことに、慌てて尿酸を下げると、痛みが悪化するといわれているからです。当院では尿酸の薬を処方するときには、開始のタイミングを処方箋に書いて差し上げています。

  • 動悸の原因と治療

    動悸がするという訴えで来院される方が結構います。動悸というと、心臓がドキドキすることですが、人によっては心臓が速くうつとか、脈が乱れるとか、脈は乱れていないけど強く打っているのが気になる、とか、人それぞれです。本当に不整脈(心疾患)の場合もあれば、精神的なものもあります。毎日何度も起こるようなら検査をすればちょうど動悸がする時の心電図などが取れるので確認できるのですが、それが難しい場合はホルター心電図と言って、24時間心電図を記録し続ける道具を使います。最近のホルターは小型化しており、防水になっているので日常生活はほとんど通常通りしてもらうことができます。この検査をするときは、いつもどおりの生活をしてください。安静にしていつもの動悸がでないと意味がありません。

    いろいろ検査をして不整脈が見つかった場合、経過観察でいい不整脈と、治療が必要な不整脈があります。心エコーなども行い、心臓の評価をして治療方針を立てます。一方、不整脈が記録されなかった場合、心因性の可能性が高くなります。これは、たいてい「強くうつ」あるいは「速くうつ」という表現をされることが多いです。

    私は心因性と思っても、心拍が速くなっているようなら心臓の薬を使って遅くなるよう調整します。これがうまく効くと、不思議と心も穏やかになり、快適な毎日が過ごせます。下手に安定剤を使うよりよほどいいと思います。

  • ワクチンが効くまで1ヶ月かかるそうです

    検査会社の人から聞いたお話。コロナワクチンを打ってから抗体ができるまでの期間は人それぞれですが、若い世代は3週間ほどでピークに達するのに対し、高齢者は1ヶ月以上たってゆっくり増えてくるそうです。今回のワクチンはmRNAでできているのですが、RNAはDNAという遺伝子(設計図)からタンパク質を合成する際につくるDNAのコピーです。RNAは必要なときに必要な部分だけできてくるので、DNAに書かれた全設計図のうちの一部分というわけです。今回はこのRNAを人工で設計して注射にしたわけです。筋肉内に注射されたRNAはタンパクの設計図なので、体内でRNAに書かれたとおりタンパク質を合成するのですが、出来上がったタンパク質がウイルスの表面のスパイクと同じものなので、免疫がつくわけです。高齢者はアミノ酸やビタミンなどの栄養が不足しており、蛋白の合成力も落ちているため、効果が出るまで時間がかかるものと思われます。年をとったら傷の治りも悪くなる、というのと同じ理屈です。

    細かいことはともかく、高齢者はワクチンを打ってから効果が出るのに1ヶ月以上かかるそうなので、注射を打ったからもう大丈夫とうかれて街に飲みに出かけたりカラオケで大騒ぎするのはもう少し待ったほうが良さそうです。

    ワクチンを作っているファイザーという会社にはずっとお世話になりっぱなしです。私は循環器内科が専門なので、ノルバスク(アムロジピン)という血圧の薬やリピトール(アトルバスタチン)というコレステロールの治療薬が出てきたときは新しい時代を感じました。従来の薬とは一線を画するすごい効果だったからです。その後、心療内科の方でジェイゾロフト(セルトラリン)やイフェクサーと言った抗うつ剤もとても効果がよく、私の仕事を多く支えてくれました。そして今回のワクチンですが、打ったみんなはホッとしたと言って喜んで帰られます。まるで抗うつ剤みたいです。

  • 暑さに負けるな

    暑くなってきて、塩麹を作るのに適した気温です。作ったことありますか?まず、米麹と美味しい塩を買ってきます。あとは、ネットで調べて適切な分量で混ぜて水を加えて混ぜるだけです。この季節だと、室温に放置して4−5日もすれば完成です。完成するまでは毎日1回はかき混ぜましょう。私の好みはつぶつぶがなくなってお粥みたいになった塩麹です。いつまで待ってもそこまでトロトロにはなりませんので、今日はだいたい出来たと思った塩麹をすり鉢に移してすりこぎでお粥状(ペースト)に仕上げました。味見をしたら素晴らしく美味しいです。さっそく、毎日食べている野菜の酢漬けに混ぜて味付けに使ってみました。明日が楽しみです。塩麹は肉や魚にまぶして一晩ほどおいておくことですごく美味しい料理になります。かんたんで失敗なし。いい麹と美味しい塩は佐土原のマルシェ有機生活にあります。使いやすくておすすめですよ。

    ところで、最近は気温が高く熱中症の危険があります。とくに室内が高温となり危険です。学生の部活だと、剣道、バトミントン、バスケットなど体育館でする競技。体育館は風通しも悪く高温となるので気をつけましょう。仕事ではビニールハウスの農家さん。ハウス内はすでに35Cはあるとのことですから、十分対策をしておきましょう。保冷剤を入れたマフラーなどあります。工事現場などは梅雨明けの炎天下で危険なほど熱くなりますが、今はまだそこまではありません。

    当院では、このような熱中症対策として漢方薬を使います。熱中症と言っても、いろいろあります。のぼせ、頭痛、吐き気などには黄連解毒湯。倦怠感、食欲不振には清暑益気湯。水分を取りすぎてお腹が痛くなったり下痢するときは安中散と五苓散をあわせる。その他、めまい、口渇、不眠など暑さに伴う体調不良はいろいろありますが、たいてい漢方でなんとななります。逆に、漢方でなくて西洋医学で治せと言われたら相当困難だと思います。

  • Stasherバッグをご存知ですか

    梅雨らしい雨の一日でした。今年は早々と梅雨入りしたかと思ったら、なかなかちゃんと雨がふらず、近所ではまだ田植えもできていません。やっと雨が降ってよかったです。最近、患者さんに家庭菜園で取れた野菜をいただきました。新鮮なとれたて野菜がこんなに美味しいとは、驚きです。生でサラダにしたり、オリーブオイルで炒めて沖縄の美味しい塩「ぬちまーす」をふって食べたり、酢漬けにして食べたり。特に最近ハマっているのは酢漬けです。キャベツや玉ねぎ、キューリなどをザクザクと切って酢漬け用(またはピクルス用)の酢につけるだけ。かんたんで健康的で美味しいです。

    酢漬けにする際に、これまでは瓶でつけていたのですが、酢を瓶の上まで入れないと下の方だけしか漬かりません。それでは酢が大量に必要でもったいない。蓋が金属製だと酢で溶けたりして有害なので、瓶を振ったりできません。そこで、ビンのフタがプラスチックのものを買ってみたのですが、瓶をひっくり返して上の方まで酢につかるようにすると酢が漏れてきます。いい方法はないかなと思っていたところ、YouTubeでいいものを見つけました。Stasher(スタッシャー)というジップロックをシリコン素材で頑丈に作ったようなバッグです。ちょっと高いので環境にはエコだけど財布にはエコではありません。→https://stasherbag.jp

    Stasherは冷凍、電子レンジ、オーブン、食洗機すべてOKの頑丈なバッグです。洗って使えるので、ジップロックみたいに使い捨てにしないでいいところも好感が持てます。Stasherの使い方をネットで見ると、肉や野菜を刻んで入れておいて、そのまま湯煎したり電子レンジで調理すればかんたん時短調理ができるというもの。それにいろんな野菜を入れて、酢と胡椒と唐辛子をいれ、ギューッと押しつぶしながら空気を抜いてジップすると少なめの酢でも野菜全体にまんべんなく酢が行き渡ります。一晩おいてできた野菜の酢漬けは大満足の味でした。