むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 進化を止めない

    3月に入り、風邪の患者さんも一段落して少し仕事に余裕が出てきました。冬の間はトイレに行く暇もないほどでしたが、今は診察の合間にちょっとだけ本を読む事が出来ます。わずか数分の中休みですが、私は本を読むのが早いので診察に合間にちょこちょこ読むだけでも2日で1冊くらいの本は読めます。

    本を読むと言っても小説や雑誌のような娯楽ではありません。医学に関する書籍や文献です。「男子三日会わざれば刮目すべし」といいます。3日前の自分と今日の自分が同じではいけません。つねに勉強して進化して止まらないように意識しないといけません。毎日努力あるのみです。学生なら毎日授業があるので、確実にその分賢くなります。3日前には知らなかったことを今は知っているのです。社会人になっても、努力でなんとかなります。NHKのちこちゃんがいつも言うように「ぼーと生きてんじゃねーよ」ということです。テレビを見ても役に立つ情報があればメモしておくことです。テレビを見て忘れてしまったら見なかったのと同じです。メモしてそれを繰り返し見ることで知識となり、実践することで役に立てばテレビを見た時間が有効だったということになります。

    漢方の勉強は2000年以上の歴史ある医学を学ぶことで、古いことばかりで新しいことはなにもないような気がしますが、これは違います。勉強すればするほど新しい発見があります。温故知新です。それに加えて、最近私のハマっている分子栄養学はさらに新しい発見が日々あり、ワクワクが止まりません。今日はアマゾン・キンドル(電子ブック)で英文のビタミンDの最新の総説を読み始めました。

     

  • ビタミンDの摂り方

    このブログでビタミンDが花粉症に効くと書きましたが、それを実践して早速改善したという嬉しい報告がありました。飲み始めて5日で耳鼻科からの薬がいらないくらい改善したそうです。その人は1カプセル1000単位の日本製を1日4カプセル(4千単位)をとったとのことです。何単位を何日飲めば効果が出るかは個人差があります。それは、もともとその人のビタミンDがどのくらいのレベルにあるかということと、その人の肥満度です。ビタミンDは脂溶性ビタミンなので体内に取り込まれたら脂肪組織に取り込まれます。脂肪が多い人は体全体に行き渡るまでたくさんのビタミンDが必要となるのです。

    飲んだビタミンDが吸収されるには、油が必要です。夕食なら油成分が多いと思いますが、朝にパンとコーヒーという感じだと油がありませんから、ビタミンDを飲むには適しません。バターコーヒーにしたり、パンにたっぷりバターやオリーブオイルを塗って食べれば、ビタミンDの吸収も良くなります。まず一日5000単位前後とってみて数日様子を見てください。あまり効果を感じないときは1万単位、1万5千単位、2万単位と増量してみてください。朝夕に分ける必要はありません。油の摂取の多い食事を摂るタイミングでまとめて飲んで結構です。

    効果が出てきたら、後は1日量を減らして結構です。体内の脂肪組織の濃度が必要量に達したと考えられるからです。脂溶性ビタミンは体から急には抜けないため、一旦効果が出たら後はそれを維持するのに必要な量に落としていいのです。私の場合、1万単位を3日に1回で維持できています。また、前に書いたとおり、納豆を毎日食べるか、ビタミンKを一緒に取るようにしてください。ビタミンDの副作用対策に必要となります。

  • 太陽と健康

    仕事が終わって帰宅するとき、まだ明るかったです。金峰山が夕日に染まっていました。嬉しいですね。春がきたなーと感じます。まだ冷えますが、三寒四温です。春になり日照時間が増えてくると気分も明るくなります。これは、目から入る光刺激が体内のホルモンバランスに影響しているということです。その一つがセロトニンです。脳内で気分を穏やかにして不安を取ります。抗うつ薬はこのセロトニンを薬の力で増やしますが、光の力でも増やすことが出来ます。春は元気になるチャンスです。天気のいい日はできるだけ外に出て散歩をしましょう。太陽の光を浴びるのは薬になります。

    もう一つはビタミンDです。ビタミンDは太陽に当たると皮膚で合成されます。日照時間の少ない冬の間は血液中のビタミンDは少なくなり、活動性は低下し、冬眠モードに入ります。代謝が落ち、食べたものは脂肪として蓄積します。春になり、次第に光に当たるようになるとビタミンDが増えてきて、冬眠モードから目覚めます。体は活発になり、溜め込んでいた脂肪も燃焼して痩せてきます。一日家にこもってテレビばかり見てすごしたり、散歩は日が暮れてからしかしないとか、外出するときはサングラス、マスク、長袖、日焼け止めばっちり、という人は夏でもビタミンDは増えませんから要注意です。車の中や窓際など明るい場所でもガラス越しの光では紫外線のUV-Bがカットされますが、それではビタミンDは増えません。直射日光でないとダメなのです。また、年をとると光に当たってもビタミンDを合成する力が衰えます。骨が弱くなる原因の一つです。

    このように、人の体は光にかなり影響を受けます。農業などで外に出て働けば、そういう太陽の恵みを受けられるのですが、私たちはほとんど一日中室内で過ごしています。意識的に光を浴びないといけない時代です。蛇足ですが、最近ナノイー技術で日焼け止めの粒子が極微小化しています。これほど小さな粒子は、皮膚を通過してしまう恐れがあるため、アレルギーなど思わぬ副作用が出る可能性があります。気をつけたほうが賢明だと思います。

  • 家庭血圧を測りましょう

    クリニックの待合室に自動血圧計を設置しました。家庭血圧を血圧手帳につけている場合は必要ありませんが、日頃自宅で血圧を測っていない場合、待っている間に血圧を測っておいていただけると助かります。病院などで血圧を測ると通常より高く出てしまうことがしばしば見られます。そこで最近は、病院での数値より家庭血圧を重視します。血圧の薬の選択をする際にも家庭血圧をもとに調整します。病院での血圧だけを信じて薬を選ぶと強めになってしまい、家庭で低血圧によるふらつきなどの心配があるからです。

    家庭での血圧測定は上腕タイプの血圧計をおすすめしています。手首のタイプは簡易で値段も手頃ですが、信頼できるデータは取れません。手首の血管は上腕に比べて心臓から離れているので血管が細く、ちょっとした温度変化や緊張などの影響を受け易いと考えられるからです。また、手首は動きが大きいため、心臓との位置関係にばらつきが出ます。手首を心臓の高さにして測らないといけませんが、上腕タイプなら最初からマンシェットを巻いたところが心臓の高さになるためそういった心配がありません。また、血圧測定時はゆったりと座って測ってください。足を組んだり変な姿勢で測ると足の方の血行が悪くなってそのぶん腕の方の血圧が上がってしまいます。

    家庭血圧を測る時間ですが、朝は起きてからトイレを済ませてから測ることを勧めています。ちょうど朝の薬を飲む前で薬の効果が薄くなっている時間です。また朝食などの影響が少ない食前が一定の条件で測ることが出来ます。血圧が測るたびに違う値だと言われることがありますが、そのとおりです。心臓は一日に約10万回動きます。その心拍ごとに血圧は変動します。一日に10万通りの血圧が出るわけです。したがって一喜一憂する必要はないのですが、2−3回測って数値が下がれば下がったほうを記録しておいて良いと思います。大抵最初の1回目は少し高く出ると思います。

  • ストレスの多い3月

    2月は逃げるといいますが、あっという間に3月です。皆さん、結構忙しそうです。そうです。3月というのはおそらく一年で一番慌ただしい月です。「受験」「合格発表」「転勤」「引っ越し」「部署異動」「進学」「進級」「送別会」「卒業式」「PTA」そして最も大きいのが「決算」です。どれも3月何日と日が決まっており、絶対にそれを逃すわけにはいかないため、残業でも何でもして必死に間に合わせようとします。季節は三寒四温といいますが温かいと思ったら寒くなり、寒暖の差が大きく体調を壊しやすい季節です。自律神経も乱れやすいと思います。

    その結果、3月は心筋梗塞が1年を通して最も多い季節です。日頃血圧が高い、コレステロールが高い、という人は要注意です。特にいそがしくて薬をのむのを忘れてしまった、というのがいけません。血圧を薬で抑えていたのが、一気に上がってきます。皆さん気をつけてください。

    世は確定申告の季節です。税金を払うのもストレスです。頑張って稼いだお金の半分を税務署に持っていかれます。我々事業主は決算を終えて集計してみないと収めるべき税額がわかりません。手元(通帳の中)にあっても自分のものではないわけです。クリニックは通常の会社と違って医療に特化した収益しか許されません。例えば自動販売機などで収入を得てはいけません。別会社を作って経営すればいいのですが、それも面倒なので、あまり税金対策できないのが現実です。そこで、私の税金対策は、頑張って働いてくれるスタッフにボーナスを十分支払うことです。

    藤崎宮 参道