むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • バランスよく歩く

    通勤で毎日1万歩歩いています。ほとんど毎日同じスニーカーで歩くのですが、ついに靴が壊れてしまいました。そんなに古くはないのですが、その靴で歩くと靴ずれになりそうなので、買い換えることにします。このように使い古した靴を捨てる前に、チェックしていただきたいことがあります。それは、靴底の減り具合です。左右均等にすり減っていますか?めったに左右均等という人は少ないと思います。多少なりとも左右差があるものです。

    上半身は左右均等にはできていません。たいてい利き腕の右が発達しています。一方、内臓は心臓がやや左、肝臓が右にあります。このような、上半身のアンバランスさが骨盤にかかってきます。その結果、歩くときの左右差となります。整体で骨盤がゆがんでいると言われることとがあります。骨盤の歪みは腰や膝の痛み、ひいては肩こりなどいろんな症状を呈してきます。日頃から左右のバランスを気をつけないといけません。

    私の場合、診察のとき机(パソコン)に向かって左側に患者さんが座るので、一日中体を左に捻っています。このような仕事絡みの体のバランスの悪さはどうしようもありません。仕事のない時間帯に矯正するしかありません。私の矯正タイムは毎日の徒歩通勤です。左右の足のバランスに気をつけながら歩くことでバランスが矯正されます。バランスをとるため、荷物はリュックにして手にはあまり持たないようにします。

     

  • 風邪をビタミンで治すには

    今年もインフルエンザの季節となりました、当院では毎日10人以上インフルエンザ確定患者さんが出ます。そのような患者さんには抗インフルエンザ薬を使います。やはり使ったほうが経過がよく楽に治ります。しかし、インフルエンザでなかった(通常の風邪の)場合は特にこれといった治療法はありません。喉の炎症止め、咳止め、鼻炎の薬、解熱剤などを組み合わせて使いますが、いずれも対症療法です。

    先日、そのような風邪の患者さんに風邪薬を処方しましょうとお話ししたら、ビタミンで治したいと言われました。そう、この方は私のブログを熱心に読んでいただいているのです。日頃から私の推奨する健康法をいろいろ実践されており、これ以上あまり言うことはないくらいです。ただ、お話していて一つ補足しないといけないと思ったことがあったので、書いておきます。それは、ビタミン剤の量の話です。

    通常、健康を維持するためのビタミンCは1500−2000mg程度です。これは、普通の生活をしていて発生する活性酸素を消去するのに必要な量です。一方、風邪などの際には喉などで炎症が起こるので、通常の10倍以上活性酸素が発生します。そこで、ビタミンの必要量も上がってきます。経験的には3g以上、できれば5gから10g程度は必要になります。コンビニなどにはC1000(ビタミンC1000mg含有)とかありますが、1000mgは1gですから、その5から10倍を必要とするのです。これは、ドリンクなどでは無理です。高用量サプリをおすすめします。ちなみに私が飲んでいるのはアメリカのNOW社のC1000(1錠1000mg)です。また、ビタミンCをたくさん取るときはビタミンEを必ず併用してください。理由は割愛しますが、少なくともEを600単位は取るようにしてください。そうすれば、風邪をビタミンで治療できます。

  • インフルエンザの治療の選択肢

    インフルエンザが急増しています。注意報レベルですが、警報レベルまでもうわずかです。検査はかなり感度が高くなっていますが、熱が出てすぐに来院されても正しく出ません。解熱剤などを使いながら少なくとも半日は様子を見てから来院頂けたらと思います。家族がインフルエンザと確定している場合、検査で陰性と出ても状況から考えると別の風邪の確率は低いと考えます。そのような場合は、症状確定(インフルエンザの症状が典型的で感染経路も明確な場合、検査の結果にかかわらず臨床的にインフルエンザと診断)します。そのような場合、当院ではタミフルの処方を行っています。

    今年はタミフルのジェネリックが出て、インフルエンザの治療がかなり安くなりました。これは朗報です。一方、初日に1回飲むだけで治療が終了する新薬も出てきています。そちらは新薬ですから値段は高いのですが、1回でいいという利便性があります。ただ、もし飲んだ後吐いてしまったとか、飲もうとしたけど落としてしまったとか、そんなときはどうしようもなくなります。5000円がパーになります。それを考えると、タミフルは5日間飲むので、リスクが分散されます。また、初日に1回吸入すれば良い吸入治療薬もあります。

    吸入は肺の局所投与なので、妊婦さんや授乳中の患者さんにメリットがあります。一方、きちんと吸えない高齢者や小さなお子さんでは効果が担保できないので、内服のほうがいいかと思います。また、点滴を1回するだけで治療が完了するインフルエンザ治療薬もあります。高齢者などのハイリスク患者さんや受験生などにおすすめです。このように、今年はインフルエンザの治療の選択肢がぐっと増えました。適切なタイミングで検査して、適切な治療を受けることをおすすめします。

    菜の花に蜜蜂🐝、春ですね?

  • 在宅での最期

    在宅医療をしていると、亡くなる方もおられます。今日は朝から患者さんの入居している老人ホームから調子が悪いと報告がありました。点滴や酸素など施設内でできることはすべて手配してあったので、あとは訪問看護師さんに痰を吸引したり酸素の具合を調整してもらったりをお願いするだけです。折しもクリニックの方は正月明けの定期処方やインフルエンザなどの患者さんでごった返しており、今日一日で100名近くの診察をしました。容態を見に往診したくても行く時間が取れません。

    夕方になり、診察が全て終わって慌てて施設に駆けつけましたが、残念ながら最期に間に合いませんでした。でも、患者さんも私の診察が終わるまでギリギリ待ってくれたような気がします。これが数時間早かったら、外来患者さんもたくさんいて診察を中断することもできず、どうしようもないところでした。この患者さんは病院ではなく在宅で最後を迎えたいというたっての願いから病院主治医も退院を許可し、私たちクリニックスタッフと訪問看護ステーションと、入居していた施設スタッフとのチームワークで看取りを引き受けました。

    こういう在宅での最期は病院と違って家族に見守られながら静かで厳かなものです。病院では心電図や血圧計などのモニターがいくつもついて、心臓が止まりそうになるとアラームがバンバンなり、看護師さんたちがドタバタと走りまわりますが、在宅ではそれがありません。蘇生術を施したりもしませんから苦しまずにきれいな最後を迎えられます。このように最期がうまくいくかどうかの大事な鍵は、唯一「本人と家族の覚悟」だけです。

  • 焼き芋は太らない?

    今日もTVの健康番組の話です。さつまいも(焼き芋)は太らないと言っていました。何人かの大学生に毎日焼き芋を食べさせたけど太らなかったという検証でした。この検証は、大学生という若い世代に限った実験だったこと、毎日食べるという極端な食べ方をしたこと、など検証そのものに問題があります。通常の人が、芋を食べると太ると考えているということは、現実太ったという実感があるからだろうと思います。

    番組で、いも農家の人にも聞いていました。芋を食べても太らないとみな口をそろえていっていました。それが本当なら面白いです。理由を考えればいろいろあります。食物繊維の有効性です。番組では冷えた焼き芋のほうが食物繊維の量が多くて健康にいいそうです。いも農家の人達は一度に大量に焼いて、数日かけて食べるので冷たい焼き芋を食べると言っていました。

    番組の最後の最後で重要なことを言っていました。「適量は100g」だそうです。いも半分くらいです。1個食べたらアウトです。また、いも農家の人達はご飯代わりに食べると言っていました。つまり、ご飯を食べて、いもも食べるのはアウトです。トータルの糖質量を考えて食べないといけません。また、スイートポテトのようなお菓子は砂糖が大量に入っているので、やはり健康には良くないと思います。適量を食べることは食物繊維のことを考えると健康にいいのでしょう。味噌汁の具にするくらいがちょうどいいのではないでしょうか。

    江津湖畔の湧水。熊本地震から今日で1000日。地震の際はこの湧水を飲んで生き延びました。命の水です。