むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 胃腸炎が急増

    週が開けて、今日は急に胃腸炎の患者さんが増えてきました。胃腸炎はコロナやインフルエンザに比べると感染力が強く、わたしたちも油断するとうつります。ふしぎと、一日に何十人もの発熱患者さんに接しているのに私たち医療スタッフは誰もコロナやインフルエンザにはかかりません。自然免疫がついているのと、仕事中はこまめに手洗いや手指消毒をしているからです。私たちも、もし家族内でコロナやインフルエンザが出てしまうと、さすがにうつってしまうことがあります。それは家庭内では仕事中ほど手洗いをしないからだと思います。胃腸炎で注意しないといけないのは、通常のアルコール消毒が効かない点です。胃腸炎の患者さんに触れた手をアルコールで消毒しても、自分の鼻や口を触ってしまったらもうアウトです。すぐに感染します。胃腸炎の場合、流水で洗うか次亜塩素酸での消毒しか予防法はありません。

    胃腸炎のウイルスが怖いのは、接触感染だけでなく飛沫感染もするところです。トイレも感染源となります。水洗の際に霧状になった水しぶきに乗ってウイルスが飛び散るので、便器の蓋をしてから水を流すようにしてください。ご家庭で胃腸炎の人がトイレを使ったら、塩素系のハイターなどをさっとスプレーしておくと消毒になります。(トイレですがキッチンハイターでも大丈夫です)ドアノブなども感染源となるので手洗いは必ずしましょう。胃腸炎患者さんの洗濯物や吐物がついてしまったタオルなどを洗濯する際には薄く塩素系漂白剤を入れておくと良いと思います。酸素系漂白剤は消毒になりません。

    私は胃腸炎の治療は漢方一択です。その他の整腸剤や胃薬など漢方の効果にははるか及びません。感染初期なら黄連解毒湯。2−3日たったら半夏瀉心湯が著効します。早いときは1回飲んだだけで治ります。感染初期に38度を超えるような発熱する場合があります。その時は黄連解毒湯に葛根湯を合わせて使います。この治療法のおかげで、胃腸炎のために点滴をする人は年に僅か2−3人です。

    ちょっとピンボケしてますね