むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 医学生症候群

    土曜日は秋分の日です。クリニックもお休みとなりますので、お間違えの無いようよろしくお願いします。今ちょうど秋のお彼岸に入っています。お彼岸といえばおはぎを食べるのが習わしですが、皆さん食べますか?私は毎年食べる習慣はないですが、ちょうどこの時期にお店に行くと売ってあるので買うことはあります。「おはぎ」と「ぼたもち」という似たものがありますが、違いをご存知ですか?私もうろ覚えだったので、今ググってみました。秋のお彼岸に食べるのが「おはぎ」で、つぶあんです。春に食べるのが「ぼたもち」でこしあんだそうです。秋は収穫したての柔らかい小豆を使うので、その食感をいかしてつぶあんのおはぎにするそうです。一方、春には乾燥して固くなった小豆を使うのでぼたもちはこしあんにするそうです。また、秋は萩の季節でおはぎ、春は牡丹の季節でぼたもちと呼ぶそうです。面白いですね。

    さて、話は変わって、医学生が医学の勉強をするとき、新しい病気を知るたびに自分はもしかしてこの病気ではないかと心配になって先生に相談するということがあります。いわば医学生症候群です。医学部では医者人生で一生出会うことのないようなまれな疾患も勉強するのですが、勉強するうちに自分はこの症状にぴったりだと思い悩んだりするのです。最近よく遭遇するのが、素人の患者さんがネットで病気のことをちょっと聞きかじって自分はこの病気ではないかと心配して来院されるもの。これも医学生と同じようなもの。わたしたちのように医者を30年もしていると、患者さんが心配していることが間違いであるのは話を聞いて数秒でわかるのですが、それは違う、そんな病気ではないと笑って済まそうとしても患者さんは聞きかじりの知識を披露してどこどこ大学のなんとか教授が〇〇新聞に書いていた記事だと切り抜いて持ってきたりされます。

    それに反論するのは時間がかかるし、患者さんの思い過ごしで、その考えは間違っていると説得するためには証拠となる検査データなどがないと納得できません。楽観的な人はいいのですが、心配性な人はネットであれこれ調べないことをおすすめします。