むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 漢方では気を感じる診察方法もあり

    夕方、いつものように仕事から帰宅したらWEB講演会に参加しました。今日も3つ同時進行です。1つは循環器の分野で心不全の話。私の専門で、いつもお世話になっている日赤の先生や大学時代の同僚の先生たちが登壇していたので、きちんと話を聞きました。もう一つは消化器の分野で逆流性食道炎の話。胃酸が逆流するとなぜ胸焼けするのかという話をされていました。へー今の時代になっても、胃酸が食道に逆流するとどうして胸焼けするかわかっていないんだ、と逆に新鮮な驚きです。実は、私は大学院時代ストレスを受けるとなぜ胃潰瘍ができるかという研究をしていたので、この分野はかなり興味があります。今日の講演で演者の先生がいくつかの仮説を話されていましたが、どれも机上の空論だと感じました。実験結果はいかであれ、真実は別だろうと思いました。

    3つ目の講演は漢方のセミナーで循環器分野の漢方の話。これも私の専門ピッタリの講演でとても面白かったです。ただ、解説やディスカッションされていた先生たちは漢方より循環器のほうが詳しい人達なので、漢方解説はだいぶ間違っていました。あーそのコメント、そうじゃない!そんな使い方すると逆効果!と言いたくなるツッコミどころ満載の講演でした。まあ、漢方に関して言えば、正解はありません。患者さんを目の前にして考えるのと、紙に書いた情報だけをみて考えるのとではまるで違う答えが出て来ることがあります。

    それはなぜかと考えると、目の前に患者さんがいると、その気を感じてどこが異常かを第6感で把握するのだと思います。私は診察の時、患者さんに悟られないようにしながら、患者さんの気を全身で受け止めて感じています。まるでCTやPETスキャンを見るかのように患者さんの全身の気血水のバランスや流れを見て処方を決めています。1分ほど、患者さんと雑談しながらすぐに分かるときもあれば、何分も集中してやっと感じるときもあります。どうしてそう感じたのか、どうしてその処方に決まったのかを説明するのは難しいです。なぜならそう感じたから、としか言いようがないからです。

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