むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • 薬の効きが悪いと思ったら・・・

    高血圧の治療では家庭血圧を重視します。診察室で看護師さんに測ってもらうといつもより高くなることが多く、その数値を信じて血圧の薬を調整すると、家庭では低くなりすぎてふらついたりするからです。家庭血圧は血圧手帳に書いてもらって、診察時に見せていただくことが多いのですが、最近ではスマホのアプリで管理されてる方も多く見受けられます。当院では血圧手帳を無料でお配りしていますが、これがあとどのくらい続けられるかわかりません。実は、この手帳は武田薬品や大塚製薬などのメーカーの協力で無料で頂いているのを配っていたのですが、国の政策でジェネリックを推奨するため、先発メーカーの体力が落ちて新薬開発力が極端に低下してます。降圧剤など新しく開発、販売する会社などありませんので、今後はジェネリックばかりになっていきます。ジェネリック会社は宣伝費を使いませんから血圧手帳などをくれるはずもないというわけです。

    ということで、当院でも手帳の在庫が切れたら、有料化せざるを得ない状況です。血圧手帳を売って商売するわけではないのでそれほど高い値段はいただきませんが、仕入れ価格に消費税を加えたギリギリの価格を考えています。有料に切り替わるときはまたご案内しますが、携帯のアプリを使ってみるのも良いと思います。

    ジェネリックといえば、この数年あらゆる医薬品が品薄で、市場は混乱が続いています。薬価が安すぎるためジェネリックの会社が工程を手抜きしたり、製造でミスしたのがきっかけで工場が止まったりと大変な自体です。ちゃんと薬を飲んでいるのに血圧が不安定とか、眠剤が効かなくなったというのはジェネリック薬の品質が粗悪なためかもしれません。薬が効かないと言われると医師はだんだん強い薬を処方するわけですが、先発薬にすると薬を強くしなくてもバッチリ効く例が多々あります。国の政策には反しますが、ジェネリックは安かろう悪かろうです(例外としてAGという高品質グレードもあります)。私たちドクターは一般名で処方するので、銘柄はめったに指定しません。治療効果に疑問を持ったら薬剤師さんに頼んでいい品質の薬を選んでもらうのも一手です。多少値段が高くなりますが、健康には変えられません。