むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 筋肉の合成(アナボリック)と分解(カタボリック)

    土曜の午後はWEBセミナーで筋肉代謝の勉強をしました。日本人はタンパク質の摂取が足りていないのは自明のことです。理想的には体重1キロあたり1gとして一日60gのタンパク質が必要なのですが、それを肉に換算すれば300g程度となります。蛋白は肉に限りませんから、魚、卵、豆腐や納豆などでも取ることができます。しかし、相当意識しないとこの量は毎日取れません。しかも、理想は夕食にたくさんではなく3食に分散して20gずつのほうがいいそうです。

    私達の遺伝子にはアミノ酸の配列の設計図が書かれているのですが、アミノ酸をつないでいくとタンパク質になります。したがって、DNAは体を構成するタンパク質の設計図です。設計図通り組み立てていくには必要十分なアミノ酸が必要となるので、ちゃんと食べなかったら筋肉がアミノ酸に分解されてDNAの翻訳の材料に使われるのです。講演では、3ヶ月かかって筋トレして作り上げた筋肉も、ステイホームなどの2週間の運動不足で崩壊してしまうとのことです。高齢者で筋肉が衰えた状態をサルコペニアといいますが、蛋白の摂取が少なく、運動も足りない場合は要注意です。年をとったらコレステロールなど注意して少食にするより肉や魚をしっかり摂りましょう。

    今日の演者の先生は私と同じテキサス大学に留学していました。テキサス大学ではNASAと共同で無重力でも筋肉を落とさない方法を常に研究していました。私が留学していたころも味の素からアミノ酸の専門家が留学してきていました。今日の講演では、ホエイプロテインのほうが、大豆プロテインより筋肉合成が進みやすいこと、ロイシンというアミノ酸をたくさんとることで筋肉の合成がさらにすすむことなどを勉強しました。