むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 慎ましく生きよう

    今日は冷えてきましたね。週末暖かかったのが嘘みたいに真冬に逆戻り。山間部では雪が降るとの話で、体調管理にはくれぐれも気をつけましょう。このところ、日替わりで漢方の研修にドクターが来られているので、私の後ろで診察を見学されています。症例ごとに漢方的な見方や処方の決め方、鑑別処方などを解説しているので、通常の診察より若干時間がかかってしまいます。ただでさえ混雑しているところすいませんがご了承ください。

    それにしても、最近の医薬品不足は日に日に状況が悪化しています。葛根湯も麻黄湯も咳止めもありません。たんを切る薬も血圧の薬(何種類か)も、とある利尿剤も手に入りません。こんな状況で、漢方を勉強しても、薬がないのでせっかくの知識が活かせません。今日の日経新聞にドラッグロスとかドラッグ・ラグという記事が乗っていました。日本は厚労省が医薬品の価格を決めるのですが、毎年のように薬価引き下げをするので外国の製薬メーカーにとって日本での商売はしたくない。それで、せっかくいい薬ができても日本に入ってこないという記事でした。

    しかし問題はそんな新薬が入ってこないところではなく、昔からある日々診療で必要な普通の薬がないのです。しょうがないので、ある分をあるだけ出しています。もちろん治療効果も私たちがベストと思う処方ではないので、何割か減になるかと思います。葛根湯や咳止めなどは病院や調剤薬局には全然ありませんが、市販品はふんだんに薬局に並んでいます。なんだかなーと思ってしまいます。

    ニュースを見ていると、デフレからの脱却、物価上昇、それ以上の賃上げ、としきりに政府は叫んでいます。しかし、今のところ物価が上がっただけでデフレから脱却できたと喜んでいる人なんていないと思います。生活はますます苦しくなり、高い物は買えない。人手不足でタクシーを呼んでもこない、バスは減便になる、郵便は投函してもいつまでたっても届かない。コロナがきっかけ?なんでこんな世になったんだろうと不思議でもあり、情けなくもあり。こうなってしまえば、生活を変えるしかありません。今までみたいな大量輸送、大量消費の時代は終わりました。身の丈を知り慎ましく生きるしかありません。

    久木野 道の駅のドッグラン