むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 米と餅の話

    1月11日は1が並ぶのでなにか縁起の良い日なのかと思ったら、鏡開きの日だそうです。訪問先の老人ホームにはあちこちに鏡開きのポスターが張ってありました。むかしは大きな鏡餅を飾ることもあったでしょうが、カビが生えたり割れて粉々になったりするので最近はプラスチックのお飾りしか見なくなりました。ということは、鏡開きする鏡餅はないということ。今日のためにわざわざ餅を用意するのでしょうか?それから、お年寄りに餅は喉につまらせると危険なので老人ホームなどではほとんど出さないと思います。ぜんざいに入れるなら白玉でしょう。みなさんはお餅入りのぜんざいを食べますか?

    もち米は普通のご飯(うるち米)に比べて粘りが強いわけですが、実は糖度が高く糖尿病の人にはおすすめできません。また、最近のうるち米も品種改良を繰り返してもっちり粘り気の強い品種が多くなっています。これは、もち米の性質に近い品種だからです。コシヒカリもくまモンの米も同じ系統です。一方、最近目にしなくなったササニシキはあっさりした味わいでコシヒカリの対極にあります。カロリーもササニシキのほうが低いようです。このササニシキのあっさりした感じをもっと極端にしたのがタイ米(ジャスミンライス)です。粘らないので炊いてもサラサラです。インドカレーやタイ料理やさんで出てきます。私はこれが大好きで、わざわざKALDIや無印などで買います。無印はレトルトカレーがたくさんありますが、一緒にカレーにあうタイ米を売っています。低カロリーで独特の炊きあがりの香りです。でも、この香りは妊婦さんにとってはつわりが悪化するとんでもなく強い匂いなのでご注意。

    米は炭水化物の塊だから糖尿に悪いというのは最近の常識となりました。できるだけ食べないようにしている人も増えてきました。私も米5kgあれば1年持ちます。しかし、同じ茶碗1杯のご飯でも食べ方によって血糖の上がりが違ってきます。一番悪いのはおにぎりみたいに白米をいきなり食べること。油成分があると糖の吸収が抑えられます。肉や魚料理、野菜にマヨネーズやドレッシングを掛けたものなどを先に食べてからご飯をたべると良いです。何もなかったらバターライスやチャーハンにして食べても、白米のご飯を食べるより血糖の上がりが抑えられます。つまり、血糖上昇とカロリーは関係しません。あくまでどう食べるかが問題なのです。