むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 足が攣(つ)った!

    寝ていて、久しぶりに足が攣りました。あいたたたたたた。飛び起きてうめき声をあげます。ふくらはぎが攣ったときにはすぐに足の親指を手で上に持ち上げ、足首の関節に上向きの力を加えます。そうすることで、ふくらはぎが痙攣して縮こまっているところをひっぱり伸ばします。手で足先を引っ張ってアキレス腱を伸ばすのと、ふくらはぎがつって縮むのと力比べみたいになりますが、5分10分と頑張って引っ張り上げると痛みは遠のいていきます。

    どうして足が攣ったのか考えたら、前日革靴でクリニックまで3キロ歩いて通勤したからではないかと気づきました。いつもは運動靴で歩くのですが、その日は夜に会合があったので、革靴で通勤したのです。やはり、日頃使わない筋肉の使い方をしたのでしょう。マラソンとか登山でも足が攣ることはよくあるので、攣った時の対処法は体得しておいた方がいいと思います。さて、漢方でもこのように足が攣る場合、有効な治療があります。ご存知、芍薬甘草湯(68番)です。この薬は寝る前に飲んでおけば寝ていて足が攣るのはかなり抑えられます。私の経験では、透析患者さんが透析をした日の夜に足が攣るとよく言われるので、透析日の夜だけこの漢方を処方したら、まったくつらなくなりました。また、この処方は予防投与だけでなく、足が攣ったときに急いで飲むと効果を発揮します。漢方なのに即効性がある貴重な処方です。

    このように、素晴らしい効果を発揮する芍薬甘草湯ですが、一つ気をつけないといけないことがあります。甘草の副作用で使い過ぎると血圧が上がるのです。ある日急に上がり始めてびっくりしますが、漢方をやめれば下がります。しかし、この副作用はよくないので、私は治療が長期にわたる場合、四物湯を使います。芍薬甘草湯ほど即効性はないのですが、甘草を含まず、毎日飲めば足が攣るのを抑えてくれる働きがあります。