むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 漢方で免疫を高める

    土曜の夕方は、恒例の漢方の勉強会でした。私も以前勤めていた桜十字病院の岡先生に講演していただきました。桜十字病院は私がいた頃にたくさんの漢方薬を採用してもらった都合上、今も積極的に漢方を使っています。入院中の患者さんにもたくさんの漢方を使います。

    なかでも画期的なのは、MRSA(多剤耐性菌)に対する漢方治療です。免疫機能を高める人参養栄湯を使うと、MRSAで苦しんでいる患者さんからMRSAが消えてしまいます。抗生物質だと菌と抗生物質の戦いなので、菌のほうが強くなれば、更に強力な耐性菌となります。抗生剤の開発と菌の耐性獲得のイタチごっこですが、菌のほうが圧倒的に先をいきます。抗生剤はこの先10年以上新しいものが出てくる事はありません。どの製薬メーカーも開発治験をしていないからです。

    人参養栄湯は菌と直接戦わず、人間の免疫を高めることで菌を排除してくれます。理想的な戦いです。寝たきり高齢者は肺炎になったり褥瘡ができたりで感染症でなくなることが非常に多いので、人参養栄湯は非常に役に立ちます。漢方を勉強していれば、こんなこと当たり前過ぎてわざわざ言うまでもないことなのですが、西洋医学しかやらない先生は信じないかもしれません。ただ、せっかく処方しても漢方が苦手で飲めないと言う方が結構います。我慢してでも飲むか、飲まないと断るかで命に関わる分かれ道となります。

    人がたくさんいるのは無料のドッグランです。道の駅久木野

  • 卵黄レシチンで夕方まで頭脳明晰!

    朝晩は冷えてきました。立冬だそうです。それでも昼はポカポカ陽気で気分良く往診に出かけられました。毎日のカラカラ天気でクリニック前の植え込みは枯れてしまうのではないかと心配になり、朝からホースで水撒きしました。立冬の日に水撒きなんて、過去にないかもしれません。水をまいていると植え込みの南天たちから喜びの声が聞こえる気がしました。例年、南天は今頃寒さで紅葉して真っ赤に染まるのですが、今年はまだ青々としています。朝から自宅でえらく寒いなと思って温度計を見たら20度でした。体感温度と全然違います。夏に暑かった分、20度でさえ寒く感じます。

    金曜日は午前の診療が終わりしだい城南まで往診にいきます。片道30分以上かかります。行った先の老人ホームで15人ほど診察してとんぼ返りで帰ります。運転も診察も疲れますが、行き帰りに時間がかかるので、帰ってすぐに午後の診療が始まります。昼休みにお茶を飲む暇もありません。そうすると、午後の診察は頭の回転もにぶって来ていたのですが、最近は完全にこういった変化を克服しました。

    それは、卵黄レシチンの力です。以前も書いたので新しい話ではないのですが、全く頭が疲れなくなりました。夕方6時まで朝と同じスッキリした頭脳で診療ができています。レシチンを飲み始める前とは雲泥の差です。頭が良くなるのを期待して飲み始めたサプリですが、私にとっては革命的です。あくまでも個人的な感想ですが、自分でも驚いています。

    つい先日のグリンピア南阿蘇にて。ススキの穂とアジサイが同時に見られるとは驚きました

  • ヨガ呼吸で自律神経を整える

    ヨガの呼吸法で大切なのは、鼻呼吸をすること、ゆっくり腹式呼吸すること、吸う息よりはく息に時間をかけることなどです。これは、ヨガの最中だけでなく日常的にそのような呼吸を心がけると自律神経が整い、体に良いようです。私は毎日片道3キロを歩いて通勤します。その際に、クリニックまでは上り坂なのでつい口呼吸になってしまいますが、できるだけ鼻呼吸を心がけます。それが、どう自律神経に効くのかと思ったのですが、やってみてわかりました。

    ゆっくり鼻呼吸をすると、気道内圧が上がります。口呼吸だと抵抗が小さいので圧は上がりません。胸腔内圧が上がった状態を保つには、鼻からゆっくり息を吐くことです。鼻呼吸でないとゆっくりと呼吸するのは困難です。そして、胸腔内圧が上がることにより、心臓や肺の近くを走っている迷走神経が刺激され、副交感神経が優位になります。私たちの通常の生活は、ストレスにより交感神経が緊張しっぱなしです。血圧が上がったり脈が早くなったりします。ヨガの呼吸はこれを鎮めてくれる働きがあるのです。おすすめです。

    ところで、私は一日中パソコンを使って仕事をします。家に帰ってもiPadを2つならべて同時に2つの作業をします。そのiPadのWEBブラウザは標準がSafariなのですが、最近表示が遅くなってきて不満でした。試しにGoogle Chromeを入れてみたら、とてもサクサク動いて感動しました。

    阿蘇の噴煙は根子岳方向へ ホテルグリンピア南阿蘇より

  • ストレスで腹痛下痢は過敏性腸

    ストレスで腹痛や下痢になる人は結構います。朝、学校や仕事に行こうとするとお腹が痛くなってトイレに籠ってしまう。そうこうしているうちに遅刻しそうになる。土日など仕事がない朝は割とどうもない、みたいな症状を過敏性腸症候群といいます。単なる慢性下痢ではありません。普通の内科に行くと、胃腸炎と診断されて、ビオフェルミンなどの整腸剤を処方されるかもしれませんが、それでは一向に改善しません。原因が胃腸にあるのではなくストレス、心因性だからです。このように心の問題が体に影響している場合、心身症といいます。心療内科の出番です。

    もう一つ似ているのは、食事をすると胃が痛む、ムカムカする、胃がもたれるなどの胃腸症状をきたすが、胃カメラなどの検査をしても特に異常がないとされる場合です。このような場合、タケプロンとかネキシウムなどの胃酸を抑える薬剤を処方されますが、もともと胃炎も胃潰瘍もないので、このような薬剤は効きません。機能性ディスペプシアと呼ばれています。この場合、ふつうの胃腸薬ではなかなか改善しません。胃腸科で治療して治らないときは漢方の出番です。

    このような症状の際には、六君子湯や半夏瀉心湯などがよく使われます。当院では漢方を専門としているためすでに通常の漢方処方を使ってもあまり効かなかった方が来院されます。そのような場合、茯苓飲合半夏厚朴湯とか四逆散、大柴胡湯などを用います。西洋薬ではガナトン、ガスモチン、セレキノンなどをうまく組み合わせることで症状はかなり軽減されます。

  • 製薬会社に頼らない勉強会

    なんか患者さんが多くて混雑しているなと思ったら連休明けの火曜日でした。昨日の月曜の分まで来院されていると気づいたのは午後になってからでした。夕方おそくまで休む暇もありませんでした。診療が終わったら急いで日赤近くにあるよしむらクリニックへ向かいました。吉村院長は同級生で糖尿病を専門としているので、よく同じ勉強会に参加するのですが、今回は彼のクリニックを勉強会の会場として、主に内科系の同級生やその仲間が集ってざっくばらんな臨床の腕を磨く勉強会でした。今回が2回めです。

    これまで、製薬会社主催の勉強会はたくさんあってよかったのですが、今年から規制が厳しくなって、薬の使い方などは添付文書どおりでないといけないとか、配布資料は渡せないとか、いろんな規制がかかってしまいました。それではなんの勉強にもなりません。添付文書通りなら一度読めばわかります。私たちが知りたいのは、そこには書いてない薬の使い方やベテランの先生独自の工夫なのですが、それを言ってもいけない、資料として配ってもいけないなら勉強会など意味がありません。

    そこで、私たち同級生の内科医で集まって、製薬会社に頼らない手弁当の勉強会を立ち上げたのです。そこは、規制の及ばないプライベートな勉強会なので、スライドの事前チェックなどもなく、自由気ままに発表できます。学問というのはそういう世界でしか発展しないと思います。

    格子状の外壁のビルはニュー新橋ビル(通称おやじビル)サラリーマンのメッカ新橋のシンボルです。山手線から見ると印象的です