むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 漢方で免疫を高める

    土曜の夕方は、恒例の漢方の勉強会でした。私も以前勤めていた桜十字病院の岡先生に講演していただきました。桜十字病院は私がいた頃にたくさんの漢方薬を採用してもらった都合上、今も積極的に漢方を使っています。入院中の患者さんにもたくさんの漢方を使います。

    なかでも画期的なのは、MRSA(多剤耐性菌)に対する漢方治療です。免疫機能を高める人参養栄湯を使うと、MRSAで苦しんでいる患者さんからMRSAが消えてしまいます。抗生物質だと菌と抗生物質の戦いなので、菌のほうが強くなれば、更に強力な耐性菌となります。抗生剤の開発と菌の耐性獲得のイタチごっこですが、菌のほうが圧倒的に先をいきます。抗生剤はこの先10年以上新しいものが出てくる事はありません。どの製薬メーカーも開発治験をしていないからです。

    人参養栄湯は菌と直接戦わず、人間の免疫を高めることで菌を排除してくれます。理想的な戦いです。寝たきり高齢者は肺炎になったり褥瘡ができたりで感染症でなくなることが非常に多いので、人参養栄湯は非常に役に立ちます。漢方を勉強していれば、こんなこと当たり前過ぎてわざわざ言うまでもないことなのですが、西洋医学しかやらない先生は信じないかもしれません。ただ、せっかく処方しても漢方が苦手で飲めないと言う方が結構います。我慢してでも飲むか、飲まないと断るかで命に関わる分かれ道となります。

    人がたくさんいるのは無料のドッグランです。道の駅久木野