むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • 冷え性の漢方治療

    今日は日赤の加島先生が漢方の講演をしたので、診療が終わり次第駆けつけました。夕方の診察後にしばらくお客さんが来たりして対応していたので、講演に10分ほど遅れたのですが、100人は入る講演会場が大入り満員で、私は一番うしろの補助席でした。その後も続々と来場する先生がおられました。主催したクラシエの集客力と漢方に対する本気度が伝わります。講演の内容は冷え性の病態解説と漢方の使い方です。これからの季節、冷え性は多くなります。漢方の出番です。西洋薬ではほとんど冷えには対応できないと思います。

    冷え性というのは不思議なもので、かなり主観的なものです。足が冷えると言う患者さんの足を触っても冷たくないことがよくあります。漢方の診察では、脈や舌の状態から寒熱を診断するのですが、本人が冷えると言っているのに診察所見は熱という場合があります。診察しながら頭が混乱してきます。今日の加島先生の講演ではこのような頭が混乱するような症例は出てきませんでしたが、実臨床ではしばしばこういう場面に出くわします。患者さんがなぜ冷えを訴えているのかを個々の症例でじっくり考えないとうまく治療法を思いつきません。

    また、単なる冷えでなく、冷えに伴ってお腹が痛くなる人、頭痛や腰痛がする人、しもやけになる人、眠れない人など多彩な症状を合併します。それらをそれぞれの症例で病態を考えながらベストな漢方処方を考えます。本当に難しい作業なのですが、謎解きが楽しくてこの仕事はやめられません!

    ちょっと季節がおくれました。せっかく撮った写真なので出しておきます。