むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • おせっかいで役に立たない天気予報(渋谷の空)

    温かい一日でした。院内では半袖で過ごせます。昼に往診に出た際に長袖を着たら、あつくて車のエアコンを入れないといけないほどでした。それにしても、朝からNHKニュースなどを見ていると、天気予報がありますが、必ず東京渋谷の空模様とか、そんな話題で数分を費やします。私たちにとってはなんの役にも立たない情報です。それに加えておせっかいなのは、今日は傘を持っていけとか、コートにマフラーくらいの準備をしておけとか、洋服や持ち物にまで指図してくることです。NHKニュースを見ている人でその指図が役に立つのは人口比から考えてわずかに1割に満たないと思います。あとの9割の人にとっては、関係ない話です。

    100歩譲って、私が東京に住んでいたとしても、そういう指図は間違っています。例えば最高気温15度を暑いと感じるか寒いと感じるかは個人の問題です。北海道から来た人は温かいと感じるし、沖縄から来たら寒いと言うでしょう。また、太ったアメリカ人なら一年中半袖Tシャツでいい人もいます。国際化の時代に自分の価値観でコートを着ろとかマフラーをしろとか、傘を持っていけというのはテレビが万人に向けて言う言葉ではありません。

    私が患者さんにいろんな指導をする際は個人個人で違うことを言います。例えば、血圧が高い人に全員減塩しろとは言いません。ガイドラインは万人向けなので、減塩と書いてありますが、実際には塩分感受性が高い人(食塩で血圧が上がりやすいひと)と塩分感受性が低い人(塩分をとっても血圧があまり上がらないひと)がいます。それぞれに必要な食事指導をすべきです。ガイドラインはあくまで万人向けの一般論であり各論ではありません。その辺をわかっていないと、テレビで言っていたからとか、ガイドラインに書いてあるからといって、金科玉条のように信じるのは間違いなのです。