むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • 22日(日)は休日当番医です

    この日曜は休日当番医のため朝9時から夕方5時まで診療します。内科系の当番ですので、外傷などの外科系疾患や心療内科などはご遠慮ください。また、コロナのPCR検査は当院では行っておりませんので、もしPCR検査をご希望の方は、発熱外来をやっている施設にお問い合わせください。

    この半年ほど、造園業をやっている友人に定期的にクリニックの植木の手入れに来てもらっています。おかげで常にきれいな状態を保てています。ついでで悪いですが、クリニックの建物の外壁が汚れたり苔がついたりしていたところも清掃してもらい、とてもきれいになりました。建物は建って6年たちますが、だんだん汚れがつくのは仕方ありません。定期的なメンテナンスが一番だと思います。私は以前大学病院に勤めていたとき、中央検査部に籍をおいていました。そこは、何千万という高額な検査機器がたくさんありましたが、機器メーカーの人に聞くと、毎日の清掃、手入れが機械を長持ちさせるいちばん大切なことだと言われていました。

    ちょうど私の車も12ヶ月点検でしたが、12ヶ月点検は車検と違ってすっぽかす人もいることと思います。車の調子が良くてどこも気になるところがなかったらわざわざお金を払って点検に出すのももったいないと思うことでしょう。しかし、オイルなどはあまり走っていなくても1年くらいで交換したほうがいいし、バッテリーの劣化も車検の時に交換しなかったら、その後悪くなる場合もあります。定期的なメンテナンスが大きな事故を未然に防ぐと思います。人の体も同じ。定期的に特定健診やドッグなどをうけておきましょう。

  • コロナ禍の消化器症状

    来週、「コロナ禍の消化器症状に対する漢方治療」という講演を頼まれています。今日は本番一週間前ということで、WEB会議で講演の打ち合わせをしました。もうひとりの演者はこくぶ内科の田中先生です。私の古くからの漢方仲間です。田中先生の講演のスライドを見ましたが、不安、ストレスなどの漢方治療について話されます。本業は消化器内科の先生なのに、やはり漢方をやっていると心療内科的な治療に興味を持つんだということがわかりました。ただ、私が当院でよく見るような心療内科の患者さんと似たような症例でも、違う人がみると違う処方が出るものだと思いました。結果的にはどちらが正解ということはなく、漢方で気血水を整えてあげることで体調は改善するので、不安やうつなども軽くなるのだと思います。

    さて、そのコロナ禍での消化器症状ですが、どんな症例が多いと思いますか?食欲不振?腹痛下痢?それもありますが、実際には過食、肥満の方が多い印象です。在宅ワークで家にいると、ついお菓子を食べながら仕事するとか、中にはビールを昼間から飲みながら在宅ワークという人もいます。人から見られていないところで自制してきちんと仕事をこなすのがいかに難しいことか。やはり、職場に出勤してみんなと一緒に定時で仕事をして定時で帰宅するほうが効率が上がると思います。わたしたちが学生だった頃、夏休みなど一日をどう使ってもいいとなると、一日10時間勉強して宿題を3日で終わらせることもできるのに最後の最後まで遊び続けて、最終日に徹夜で宿題するという人がいかに多いことか。時間を自由に使えるときの時間配分は案外難しいものです。

    あと、コロナ禍で多いのは買い物に行くのを控えるために毎日似たような食材を使った料理ばかり食べている人。買い物に行ったり外食すれば、バライティーに富んだ食材を摂取できますが、あまり買い物に行かないと人参、じゃがいも、玉ねぎなど定番の食材しか食べず、日持ちのしない季節の野菜などは口に入らない。結果、栄養に偏りが出てきて体はもっと食べないと体を維持できないと指令を出すため、過食してしまいます。しかし、過食しても同じ食材ばかりでは結局必須アミノ酸やビタミンなどが満たされず、食欲はおさまらず、どんどん太ってしまうということになります。したがって、肥満防止の観点からも、多彩な食材をまんべんなく摂ることで体は満足し、過食しなくなるので太らないということです。

  • 認知症について

    今週はずっと雨でした。予想通り頭痛の患者さんが多い一週間でした。来週の予報を見ると、天気は持ち直すようですから、しばらくは梅雨入り前の一年で最も快適な時期を過ごせるようです。欧米ではジューンブライドというように6月が最もいい季節(結婚式に最適)とされていますが、日本も梅雨入り前は気持ちいいです。ちょうど、学校では体育祭が予定されているところも多いみたいです。土曜日は連休明けというのもあり、非常に込み合いました。座るところがなくて立って待っておられる方もいて、大変申し訳ありませんでした。

    さて、最近は認知症の相談も多くなっています。認知症は物忘れ、記憶障害という中核症状と、暴力的になったり性格が変わってしまったとか、昼夜逆転して夜中に徘徊するとか、物盗られ妄想のような周辺症状とに分けられます。認知症の中核症状(物忘れ)に効く薬は殆どありません。一方、周辺症状にはいろいろな薬があります。漢方薬もその一つです。したがって、物忘れを良くすることは難しいけど、家族に迷惑をかける暴力行為などは薬の力を借りてなんとか生活できるようにできるということです。

    それでも物忘れをなんとかできないかと言うのが、比較的認知症早期の相談に多いようです。進行してしまえば、物忘れ自体が悩みにもならないのですが、まだ早期だと、自分でも心配になるようです。まずは、物忘れしやすくなる睡眠薬、抗ヒスタミン剤(アレルギーの薬)などを減らすこと、そして頭に良いとされるビタミンやオメガ3などの油をとること、そして家でボーとテレビばかり見ないでデイサービスやリハビリなどに参加して活動的な毎日を過ごすことが大切です。

  • 忙しいだけではモチベーションが下がる

    連休中お休みを頂いていた当院スタッフも今日から戻ってきて、またもとのようににぎやかな職場になりました。先週は最小限の人数でぎりぎりやっていましたが、やっぱりスタッフの人数の余裕は心の余裕に繋がります。同じ仕事をしていても、気持ちが明るくなるし、何かあってもなんとかなるだろうという余裕が出てきます。

    心療内科の患者さんとお話をしていて「あるある」の状況の一つが、同僚が辞めたりして人数が少なくなった分、自分の仕事が倍増して余裕がなくなり、気がついたら仕事に行きたくなくなった、というもの。同じような状況でしょっちゅう患者さんが来るので、どの職場でも起こり得ることだなと思います。本来なら仕事量を調整して人数に見合っただけの仕事をこなせばいいのでしょうが、急にスタッフが来れないときなど、仕事量は簡単に調整できないのでどうしても誰かにしわ寄せが来ます。

    こういう避けられない状態のとき、スタッフのモチベーションを維持するには、仕事量に比例した給料や人事評価をしてあげることくらいしかないと思います。同じ給料で仕事が倍なら納得いかないと思います。私は経営者サイドとして、こういう状況で頑張ってくれた人たちにいかに仕事を評価し、見合っただけの報酬を出せるかを考えるのですが、通常の給与はあまりいじれないので、賞与に反映できないか検討しています。

    桜十字ホスピタルメントのバラのタワー 大迫力

  • 仕事の効率はパートナー次第

    GW開けの月曜日、患者さんが多いだろうと予想して、前日から睡眠時間も多めにとって万全の体制で望みました。結果的には、通常の月曜より少し忙しかった程度ですみました。昼から、校医をしている中学校の健診があったので、それに遅刻しないようにと心配していましたが、大丈夫でした。また、今年から保健の先生が変わって、健診スピードがものすごく速くなりました。やっぱり、同じ仕事でも誰と一緒にするかで全然違ってきます。

    クリニックの仕事も同じです。気が利くスタッフが横にいてくれると、私がミスしてもすぐにサポートしてくれるので、私は安心して仕事ができます。よく、患者さんが今日は湿布はいらない、花粉症の薬は入れてくれ、睡眠薬は5個余っているからその分引いてくれ、とか、あれこれたくさん言われると、どうしても聞き間違えや勘違いが出てきて、処方にミスが出たりします。こちらが間違っていなくても、患者さんが言い間違えることさえあります。実はこういった細々したことは、私の診療の大枠ではどうでもいいことです。大枠というのは、治療方針であり、進むべき方向であり、治療するにあたってこの薬を使いたいという基本方針です。それ以外の残薬調整などは本当は事務や薬局でやってほしいくらいです。考える頭は限度がありますから、本当は患者さんの病態把握と治療方針に精一杯時間を使いたいのです。

    愚痴はこのくらいにして、仕事のパートナーというのは本当に仕事のクオリティーを左右します。いかに自分ひとりでやっているわけではないかということがわかります。家庭でも同じだと思います。自分で頑張ってなんでもやっているような気がしても、実はあまり家に返って来ないお父さん(夫)が知らないところで貢献しているということもあるでしょう。逆にその人のせいで仕事がはかどらず、自分の本来の実力を発揮できないという場合もあるかもしれません。どちらにしても、わたしたちは一人で生きているわけではないと言うことです。