むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 頻尿治療は内科でもOKです

    トイレを我慢すると頻尿や排尿痛となります。尿に血が混じって薄いピンク色になることもあります。これは膀胱炎です。膀胱炎は泌尿器科と思っている方も多いと思います。それは間違いではありませんが、たいてい内科でも大丈夫です。当院では、検尿の結果を正確に判定するための検査機器を設置しています。また、尿路感染では尿を顕微鏡で見ると細菌が見えます。当院では膀胱炎が疑われる場合、顕微鏡で尿検査を行い、桿菌(おもに大腸菌)か球菌(表在菌)かという細菌の種類までチェックしています。

    膀胱炎は男性より女性が多いのですが、男性でも前立腺肥大で残尿が多いとか、トラックやタクシーの運転などでトイレを日頃から我慢する人には炎症が起こりやすいようです。一方、学校の先生とか美容師さんのような職業の場合、早め早めにトイレに行って用を足す習慣の人が多いようです。授業の前、お客さんが来る前にしておかないと、その後1時間位はトイレに行けないからです。このような人たちは、膀胱炎ではなく過活動膀胱になりやすいようです。膀胱にしっかり尿が貯まる前に排尿する習慣がついているため、膀胱容量が小さくなり、少し溜まっただけで尿意が出てきます。夜寝ていても少し溜まっただけで目が覚めてしまうという夜間頻尿も見られるようになります。

    こういった夜間頻尿は感染症ではないので抗生剤ではなく、過活動膀胱の治療薬を使います。飲んで頂くと、膀胱にしっかり尿が貯まるまで尿意が出なくなり、一晩にトイレに起きる回数が減ります。いったん治れば、薬の継続は必要ないようです。更に最近では男性用の夜間頻尿治療薬として抗利尿ホルモンのデスモプレシンという素晴らしい薬が開発されました。この薬は夜尿症にも有効です。こういった膀胱炎、過活動膀胱、夜間頻尿などのご相談は当院でも承ります。

  • コロナ患者自宅療養説明会がありました

    今週は晴れると言う週間天気予報でしたが、いっこうに晴れません。今日も昼に往診した際には大雨でした。雨が続くと、頭痛や目まいの患者さんが増えます。先週から今週はとても多い状況です。さて、そんな中、今日は医師会からコロナ患者さんの自宅療養体制構築に向けての説明会がありました。病院がいっぱいで入院できないので、軽症者は自宅療養が基本です。しかし、自宅で急変する場合もあるので、医師会を上げて往診やオンラインでコロナ患者さんを診る診療体制を早急に作らないといけないというお話でした。

    参加者の疑問、質問は、診察時の防護服などをどうするかという実践的な話が多かったです。以前は宇宙服みたいなのを着ていましたが、最近はマスクとゴーグル、手袋という感じです。ただ、患者さんのレントゲンやCTを取るのはやはり結構気をつけないといけません。自宅療養での薬は咳止めとか解熱剤などと言っていたので、風邪のときと何ら変わりません。ちまたではみんな個人輸入までしているイベルメクチンなどは全く話題に上がりませんでした。

    私が以前読んだ中国のレポートでは、軽症者の殆どは漢方薬で対応可能という話で、いろいろな処方が考えられ、検証がなされています。私はその処方の一つをワクチンの副作用対策に処方してみていますが、皆さん副作用が軽くてよかったと言われているので、たしかに効果があるように感じています。もう一つ大事なのはビタミンDです。欠乏していると重症化することがわかっています。日本人は大半が欠乏しているらしいので、サプリをとっておくことをおすすめします。

  • 精神栄養療法

    今朝の熊日新聞(8月25日17面)に精神栄養療法の記事がありました。かなり大きなスペースをさいて解説してありました。うつになりやすい人は栄養的に不足があるという話です。当院でも積極的に採血して不足している栄養(サプリ)の摂取を勧めますが、基本的には自分でネットなどを通して買っていただいています。アドバイスまではしていますが、買って飲むところは自分でお願いしています。良いサプリはアメリカ製が多いので、粒が大きくて飲みにくいとか、輸入に時間がかかってすぐ届かないとかいろいろ問題はありますが、他にいいものがあまりないので、その点は我慢してなんとかやっていただきたいと思います。

    新聞にもあるように、鬱に関連する栄養として、ビタミンB,C, D,葉酸、鉄、亜鉛、マグネシウム、アミノ酸(トリプトファン、メチオニン、チロシン)、DHA/EPA、腸内善玉菌(ビフィズス菌、乳酸菌)などです。これらの栄養成分のいくつかが不足するとうつになりやすいということです。家庭内で親兄弟は同じものを食べますから、親が鬱なら子供も同じ傾向になります。また、鬱だけでなく不安障害、パニック障害も同じ理屈で栄養不足が大きく関与します。

    そういうわけで、メンタル系の疾患では、日頃の食生活を見直して、炭水化物を減らし、肉や魚、野菜をしっかり食べるように指導します。心を病んでいる人の多くは、パンや麺、おにぎりなど簡単な食事しか入らないといいますが、それが病態を悪くしています。おかずをしっかり食べるようにしましょう。また、いくら栄養が不足しているからとはいえ、栄養療法だけでは数年単位での治療になります。いまストレスで仕事に行けない、という場合、栄養療法は大事ですが、薬の力も借りていったん体調を良くして、その後を栄養療法で置き換えていくようにしたほうが効率的だと思います。

  • コロナでリアル勉強の機会が減った

    夜に犬の散歩をしていたら、満月がとてもきれいでした。やっと長雨があがったら、蒸し暑いですね。心配された台風もそれ、今週は明後日くらいから猛暑が戻ってくるようです。学校はそろそろ夏休みが終わりますが、もうしばらく夏が戻ってきそうです。子どもの面倒を見ているお母さんたちは早く夏休みが終わらないかと心待ちにしているようですが、地域によってはコロナの影響で夏休みが延長され、急きょ課題を配る準備をしている学校もあるとニュースで見ました。このところ、コロナ患者さんは10−20台の若い世代に増えているので、学校が始まるのは心配ですね。

    さて、私はこのところ肩こりから腕のしびれ(頚肩腕症候群)がなかなか治らないと何度もブログに書きました。そして、きのうふと操体法による治療法を思いつき、試したところ、劇的に改善しました。今日一日忙しかったのですが、ほとんど腕のしびれは出ませんでした。9割治った感じです。本当にいろんなことを試して、どれも効果がなかったのですが、決め手となったのは操体法でした。操体法はわずか数秒で治療が完了するので、仕事中でもしびれを感じたらぱっと自分に操体法をして、治療できます。すぐにしびれは取れます。この操体法以外にも、きっと一定の効果があったと思うのは、パソコンのマウスを腕を全く動かさないでポインタ操作ができるトラックボール付きマウスに買い替えたことと、枕をニトリのホテル枕に変えたことです。どちらも肩首のストレスが改善され、買ってよかったと思います。

    私のような漢方好きは東洋医学会、東方医学会、統合医学会、鍼灸学会など面白くて参加します。コロナ以前は、リアルに集まってあれこれ仲間たちと情報交換をしながら、知らない治療法をお互い披露しあいながら臨床の幅を広げてきました。漢方にとどまらず、鍼や整体、操体法、音楽療法、気功など世の中にはいろんな代替医療があることを知ります。私が操体法を学んだのもこういったリアルの勉強会からでした。早くコロナが収束し、また今までのようなリアルの勉強会が再開されることを望んでいます。

  • 頚肩腕症候群の治し方を研究中

    頚肩腕症候群とは肩こりがひどくて腕にしびれがくるものです。肩こりというより本当は頚椎(首の骨)に問題があり、頚椎症と言ったほうがいいかもしれません。このような訴えの患者さんは非常に多く、整形外科で治療してもなかなかなおらないし、湿布や鎮痛剤も気休め程度にしかならない。リハビリ、電気治療もぱっとしない。そういう人は、鍼治療や漢方などを頼って当院や鍼灸院などに集まってきます。私も、そういう理由で頚肩腕症候群がきたら針や漢方と指圧を組み合わせて治療しています。多くの患者さんは、診察室で私が首の骨を触りながらひずみを見つけてそこをグイグイと指圧するとすぐその場でしびれが軽くなります。一時的に良くなってもしばらくするとまたしびれてくるのですが、歪んだ場所が分かれば、あとはそこを何度でも指圧矯正すればいいわけです。整体の理屈です。

    そんな中、電子カルテのパソコン作業がいそがしすぎて私自身が頚肩腕症候群になってしまいました。職場のパソコンでマウスを握る姿勢になると右腕がしびれてきます。犬の散歩で犬に右手を引っ張られても症状が出ます。そこで、いつも患者さんにするように自分で首の歪みを探して指圧してみるのですが、一向に良くなりません。しびれはじめて2週間ほどたち、気づいたことがあります。私の今までの方法で治せるパタンと治せないパタンの2つがあるということ(大発見!)。今の私はその治せない方だったわけです。これはラッキーです!自分の体で治し方の研究ができるからです。

    温泉、もみほぐし、筋膜リリース、リンパドレナージュ、指圧、整体など思いつくことを全部やってみました(漢方はもっていないので試せませんでした)。おかげで肩こりは随分良くなったのですが、一定の姿勢を取るとやっぱりしびれます。どうやったらいいんだろう。ずっと考えていて、ついに治す方法を思いつきました。操体法という治療法です。これを自分自身にセルフでやってみたところ、劇的に改善しました。しばらくするとまたしびれるので、そのたびにセルフ操体をしてみています。随分良くなってきました。今回は怪我の功名でした。