むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • クレイ・セラピー

    連休はいかがお過ごしでしたか?いい天気でしたね。私は地域医療センター(医師会病院)の出動協力医として朝からお仕事でした。熱中症、胃腸炎、溶連菌感染症など朝8時から13時の交代の時間まで全く休みなしに診察でした。ロビーは座るところもないほどの混み合いです。しかし、この病院は医療体制が全くなっていません。驚くべき姿です。私が日ごろ自分のクリニックで診察するペースの半分も見られません。システムができていないからです。私の診察ブースで約五人待ちでしたが、それがなんと1時間待ちの状況だそうです。私としては全く忙しくないのですが、診察ブース担当ナースがどこか行ってしまって戻ってこない、検査に出すと結果が戻ってこない。レントゲンを撮るのに15分以上かかる、という感じです。国立病院機構熊本医療センター(名前は似ていますが)のように救急部担当のドクターをきちんと配属して体制づくりをしないといつまでたっても変わらないでしょう。

    と、愚痴を書きましたが、今日は仕事が終わってから玉名までちょっと行ってきました。相当久しぶりです。私はドライブが嫌いなので、休みも全く遠出をしません。歩いていける範囲を散歩するだけです。でも、数年ぶりに親戚の住む玉名まで行ってみると、空気もいいし懐かしいし、行って良かったです。玉名まで行ったのは、クレイ・セラピーに詳しい人が私に連絡をしてきて文献を読んで欲しいと言われたからです。クレイセラピーとはいわゆる泥パックのような施術でデトックスするものです。駅前にある喫茶店兼アロマ・クレイショップでしばらく話をして、Earthpaste(泥歯磨き)という名前のクレイセラピーグッズを買ってみました。磨き上がりの歯は本当に綺麗でスッキリです。他にも泥パック用品や入浴剤なども売ってありました。

    統合医学というのは西洋医学に固執せず、漢方、ヨガ、ハーブ、アロマなどなんでも効くものがあれば興味を持って勉強する学問です。クレイ・セラピーも統合医学の一つとして扱えるのではないかと思って、ちょっと勉強した1日でした。

    玉名温泉つかさの湯にて。たまたまフラのショーをやっていました。

  • 冷たいものの飲み過ぎに注意

    小中学校の部活には保護者に氷当番なるものがあった記憶があります。豆腐の空容器に水を凍らせて学校に持っていく当番です。部活の練習中に飲む飲み物を冷やすのだと思います。大人もこの季節、冷たいものをたくさん摂ります。ジュース、ビール、アイスなどなど。特にビール好きは毎日2リットルなんてざらにいます。

    先だって亡くなられた元新潟大学の安保先生の理論の受け売りですが、臓器は冷やすと癌化しやすいそうです。がん細胞はクエン酸サイクルが壊れていて解糖系でしかエネルギーが産生できません。冷えた臓器は血流が悪くなりますから、結果クエン酸サイクルが回らなくなり、解糖系で生き抜くがん細胞の独壇場となるようなのです。胃に冷たいものを入れて冷える臓器といえば、胃はもちろん、その後ろにある膵臓もあります。胃がん、膵臓がんなど要注意です。

    冷たいものを飲むと、飲んだ水分を37度まで温めるだけのエネルギーを使います。かなり無駄なエネルギー消費ですから、それだけで疲れます。夏バテの原因の一つです。胃を刺激して温めるのは、暖かいお茶を飲んでもいいですが、スパイスをうまく摂るのもいいと思います。カレーなんて最適です。私は昨日・今日2日連続タイカレーを食べました。

  • 体育館には冷暖房を!

    最近、小・中学生の体調不良が結構来院されます。2−3日前から子供が頭が痛いといって学校を休んでいます、と言われれば、いろいろ考えます。片頭痛をはじめとする慢性頭痛の場合もあるし、感染症も頭痛をきたす場合があります。一方、学校での友人関係などで悩んでいると頭痛がして学校に行きたくないということもあります。いろんな場合が考えられるので、パッと見て頭痛薬を出して終わり、というわけにはいきません。

    頭痛の出かたやパタン、性状、持続時間、きっかけなど根ほり葉ほり聞いてみると、最近は熱中症による頭痛を疑う子供が多数います。学校がとにかく暑いのです。私の子供が中学生だった頃(今から4−5年前)はまだ教室に冷房はありませんでした。夏場に父親参観に一度参加した際、あまりの暑さに倒れそうになりました。とても勉強できる環境ではありません。時代はその後変わったのでしょうか?私が校医をしている中学校には冷房がついています。ただ、体育館にはついていないと思います。炎天下のグランドだけでなく、体育館での体育の授業や部活も危険だと思います。

    今日のニュースでは北海道で37度を超えています。災害があちこちで起こっている昨今、体育館というのは重要な避難拠点です。そういう避難所が暑さ寒さで過酷な環境というのはなんとかしてもらいたいと思います。電気代がどうこう言っている場合ではないと思います。だいたい、日本の体育館は断熱効果が悪くできています。ぜひ、住めるレベルの体育館にしてもらえば、熱中症の子供達も少しは減るのではないかと思います。

    上江津湖の公園にて

  • 狭心症と神経症の違い

    胸が痛い、違和感がある、という場合心臓の病気だったらよくないと心配になります。そのような症状があれば、早めに検査することをお勧めします。主に、検査といえば心電図やレントゲン、心エコーといった検査になります。ただ、気をつけないといけないのは、狭心症のような心臓疾患の場合胸部症状があるときと症状が治まっている時では心電図が変化するということです。心電図は刻々と変化します。いいときもあれば悪いときもあるのです。従って、来院された時に症状が治まっていれば、心電図には異常が認められないかもしれないのです。

    ただ、狭心症のような心臓病の場合は症状に特徴があります。労作性狭心症の場合、坂道や階段を一定の運動量登ったら起こります。じっとしていて起こることは滅多にありません。もう一つ、冠攣縮性狭心症というのがあります。比較的若い世代に多いのですが、寝ていて朝4時とか5時くらいに胸痛で目がさめるというパタンです。労作性と違って安静時に起こります。いずれも5分か10分で症状は良くなります。それが狭心症の特徴です。逆に朝から昼くらいまで胸に違和感があるというのはほとんどの場合狭心症ではありません。念のため心筋梗塞のような痛みが長引く疾患でないことを心電図で確かめたら、ほぼ神経症で間違いありません。

    肋間神経痛というのもあります。神経の痛みですから、結構鋭く痛いことがありますが、狭心症のような心疾患ではないので、胸が痛くても心配いりません。鎮痛剤で痛みを取れば知らないうちに治ることが多いものです。いずれにせよ、私たち循環器専門医の場合、こういう症状は痛みの性状を詳しく問診するだけでかなりの確率で診断できます。検査はその確認のためにしているだけなのです。

  • 暑気あたり

    夏バテ、熱中症、日射病、呼び方は色々ありますが、漢方のテキストには暑気あたりと書いてあります。九州はそろそろ梅雨明けですが、日中の暑さは凄まじいものがあります。外回りの仕事をしていると熱中症に気をつけないといけません。私も昼休みには往診をしているので、エアコンの効かない車の中がいかに暑いかは毎日体験しています。冬より危険だと思います。

    私たちのように日中はエアコンの効いた部屋で仕事をしていても、往診中の車だったり、帰宅してからの自宅などはやはり暑いので、きちんと暑さ対策をしないと体に変調をきたします。まず、暑さに体を慣らすことが大切です。汗をたくさんかいて自力で体温調整できる体にしたほうがいいので、私の場合徒歩通勤です。片道30分歩くと汗をかきます。体は自然と暑さに馴染みます。

    いろいろやっても暑気あたりになることはあります。その時は漢方があります。清暑益気湯(せいしょえっきとう)という処方です。読んで字のごとく夏の暑さを冷まして元気を出させてくれるという処方です。ただ、冷たいビールの飲み過ぎで体が冷えたり、エアコンで体が冷えすぎて体調が悪い場合はこれではなく補中益気湯の方がいいかもしれません。他にもいろいろあります。夏の体調不良は漢方の出番です。