むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 狭心症と神経症の違い

    胸が痛い、違和感がある、という場合心臓の病気だったらよくないと心配になります。そのような症状があれば、早めに検査することをお勧めします。主に、検査といえば心電図やレントゲン、心エコーといった検査になります。ただ、気をつけないといけないのは、狭心症のような心臓疾患の場合胸部症状があるときと症状が治まっている時では心電図が変化するということです。心電図は刻々と変化します。いいときもあれば悪いときもあるのです。従って、来院された時に症状が治まっていれば、心電図には異常が認められないかもしれないのです。

    ただ、狭心症のような心臓病の場合は症状に特徴があります。労作性狭心症の場合、坂道や階段を一定の運動量登ったら起こります。じっとしていて起こることは滅多にありません。もう一つ、冠攣縮性狭心症というのがあります。比較的若い世代に多いのですが、寝ていて朝4時とか5時くらいに胸痛で目がさめるというパタンです。労作性と違って安静時に起こります。いずれも5分か10分で症状は良くなります。それが狭心症の特徴です。逆に朝から昼くらいまで胸に違和感があるというのはほとんどの場合狭心症ではありません。念のため心筋梗塞のような痛みが長引く疾患でないことを心電図で確かめたら、ほぼ神経症で間違いありません。

    肋間神経痛というのもあります。神経の痛みですから、結構鋭く痛いことがありますが、狭心症のような心疾患ではないので、胸が痛くても心配いりません。鎮痛剤で痛みを取れば知らないうちに治ることが多いものです。いずれにせよ、私たち循環器専門医の場合、こういう症状は痛みの性状を詳しく問診するだけでかなりの確率で診断できます。検査はその確認のためにしているだけなのです。