むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 咳の季節

    夕方診療が終わって外に出たら真っ赤な満月が東の空に見えました。美しい!一気に疲れが取れました。仕事の後はまっすぐ家に帰宅せず、糖尿病の勉強会に参加しました。中央病院主催の会で、糖尿を専門とする先生たちの集まりです。ハイレベルの講演で大変勉強になりました。

    昨日のブログで風邪が増えてきたと書きましたが、風邪でなくても咳が続くという人もたくさんいます。喉は痛くない、熱もない、ただ咳が出る、という感じです。咳は仕事で結構さしつかえます。人の前で咳をするとあからさまに嫌がられます。それが風邪でなく、喘息だったとしても、うつる咳なのか、うつらない咳なのかは判断が難しいからです。接客をする仕事の場合、特に気になることと思います。

    そのような場合、肺機能検査やレントゲンで一通りの評価をして、場合によっては喘息に使うような抗アレルギー剤や気管支拡張剤を使ったほうがいいと思います。単なる咳止めではなかなか止まりません。当院ではそのように喘息治療薬を咳の患者さんに使っていますが、それでもひどい咳が続いてしまうことがあります。ブタクサなどの秋の草に対するアレルギーもありますが、稲刈りシーズンで稲のアレルギーも多いのではないかと思っています。

  • 風邪が増えてきました

    インフルエンザのワクチン接種は始まっていますが、去年に引き続きワクチンの入荷が滞っているようです。去年は製造過程で失敗して国が予想した株の成長が悪く、急遽別の株を作り直しましたがシーズンに間に合わず大流行してしまいました。今年はそんな話もないのできちんと十分量入ってくるのかと思ったら、ぜんぜんそんな状況ではありません。品物によっては、去年の4割程度しか製造できていないものもあるそうです。

    インフルエンザは当然体力があればかかりません。かかったとしても、通常の免疫があれば1週間程度でなんとかなります。問題は受験生や高齢者、そして、ガンなどの治療中の方です。ワクチンが少ないので、優先的にそのような方に使いたいのですが、来院してくれないことには始まりません。受験生などの皆さん、早めに予約をお願いします。クリニックでは希望者優先となります。

    先日患者さんから、先生は風邪うつらないんですか?と聞かれました。そう、うつらないんです。なぜなら、毎日風邪のウイルスに暴露されているから、流行りのほとんどのウイルスに対して免疫があるのです。しかし、それだけでなく、ストレスを溜めず十分な栄養と休養は必要です。私の場合ストレスも休養も睡眠も十分とは言えませんが、栄養は気をつけています。そして、毎日ビタミンCを4000mg取っています。これが風邪対策の秘訣です。

  • 難しい症状は漢方が良い

    目の周りの筋肉がピクピクするという訴えは結構あります。おそらく、かかりつけの先生に相談しても、「それはストレスのせいかなー」くらいで流されて、治療はしてもらえないことがほとんどだと思います。そんな症状をどう治療していいか、大抵の医師は習ったこともないと思います。実はこの症状は漢方薬で治せます。気の巡りを改善すればいいのです。

    他によくあるのが喉の違和感です。喉に何か詰まったような気がして気になる、息苦しい、飲み込みづらい、などの訴えです。梅干しの種が引っかかったような感じということで漢方用語で梅核気(ばいかくき)と呼びます。人によっては干し肉(ビーフジャーキー)が引っかかった感じとも言います。この症状も漢方で改善が見込まれるのですが、案外難しくて治療に難渋することがあります。そんな時は、漢方にこだわらず、安定剤なども使います。

    更年期でよく見られるホットフラッシュ(突然カーと暑くなったり汗が出たり)も漢方が効きます。その辺りは産婦人科の先生も漢方を勉強してうまくコントロールされます。しかし、たまにそういう標準治療ではうまくいかない場合があり、そういう患者さんが当院のような漢方専門医を受診されます。さすがに治療困難なことが多いのですが、いろんな工夫で症状は軽くできる場合が多いようです。日々新しい治療法の勉強と研究です。

  • いろんな香り

    仕事が終わって自宅まで歩いて帰るといろんな香りが漂ってきます。今一番素晴らしいのは金木犀です。自衛隊は桜の名所ですが、外周を取り巻くようにたくさんの金木犀が植えられており、横を歩くとすごくいい香りです。天然のアロマの散歩道です。そこを通り過ぎて、近所の学校の周辺では、イチョウがたくさん植えられています。歩道には大量の銀杏が落ちており、なんともいえない強烈な匂いを放っています。

    通り道に、生活排水の流れる下水溝が歩道になっているところがあります。その歩道には換気口みたいな穴があり、そこから歩道の下を流れる水の匂いがします。真冬に歩けば、そこからは煙突のように凄まじく暖かい湯気が立ち上ってきます。よほど臭いのかと想像されるでしょうが、実際は、そうではありません。なんの匂いかというと、入浴剤や洗剤の化学的な香りです。

    最近は柔軟剤に強力な香りのするものがあり、洗濯物にいい香りをつけるということでしばらくはやっていましたね。いまや公害ならぬ香害ということで社会的にも下火になっていますが、下水からはあの強烈な匂いが立ち込めているのです。私は、洗濯に柔軟剤は滅多に使いません。洗濯物が乾いたときにゴワゴワするのは洗剤のアルカリ性が残っているためです。そこで、柔軟剤を入れるところにクエン酸を小さじ半分くらい入れておくだけで、すすぎで残った洗剤は中和して流れます。もちろん乾いたときのゴワゴワもありせん。ぜひおためしください。

  • 若い女性の手指の関節痛は鉄欠乏

    素晴らしい秋晴れの1日でした。掃除をしたり、学会の準備をしたりですが、充実した週末でした。先週は3つの講演会に参加して勉強したので、新しい知識がたくさん入ってきました。大事なことを忘れないようにきちんとノートに記録しておかないといけません。せっかくですから、面白い知見をこのブログでも紹介したいと思います。

    まず過活動膀胱。どういう原因で発症するのかという疑問です。その答えは、なんと生活習慣だそうです。高血圧、高血糖、高脂血症などで膀胱の血流が低下することが原因になるそうです。男性の場合、前立腺肥大で尿の出が悪いと膀胱内圧が上がりますから、結果的に血流が低下するというメカニズムがあるそうです。だとしたら、私が日頃から勧めているように炭水化物制限、ビタミンCやE(抗酸化ビタミン)の大量摂取がいいと思われます。

    次に整形外科の話。若い女性で手指の関節の痛みを訴えて来院される方が頻繁にいます。皆さんリウマチを心配しているのですが、調べても99%リウマチということはありません。結局、更年期ではないかとか、そういう説明をされるのですが、あまり治療法がありません。昨日の講演では、こういう関節痛の患者さんは鉄欠乏が隠れているとのことです。私がパニックやうつの患者さんに積極的に鉄剤を投与しているのと同じ理屈で、鉄が不足すると関節に痛みが出るそうです。鉄剤を飲んでもらうだけでなく、当帰芍薬散や桂枝茯苓丸が痛みに効くそうです。驚きの事実でした。

    住吉神社・博多