むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 台風敏感体質の頭痛

    今年は次から次へと台風が発生しては日本へ接近します。毎週のように来るので目が離せません。今日もだんだん風が強くなってきました。頭痛持ちの患者さんの中にはこのような台風を敏感に感じ取って頭痛がすると訴える方がいます。そのような体質の場合、今年はこたえるのではないかと思います。このような場合、イブとかロキソニンを使いすぎると体に悪いのはご承知の通りです。何か頭痛予防を考えないといけません。

    私がこんな患者さんによく処方するのは漢方です。漢方は体質に応じて使い分けますが、台風の際に頭痛がする人は当帰芍薬散、五苓散、苓桂朮甘湯などを使います。生理前に頭痛がするという人も同じ体質です。こういう漢方をあらかじめ飲んでおくと頭痛を予防できるか軽くて済みます。それでも頭痛がするときはデパケンやプロプラノロールを使います。片頭痛予防には非常に効果的です。

    喘息体質の人は台風接近で喘息を起こします。その際は、麻杏甘石湯や五虎湯が効果的です。不思議なのは、こういう台風敏感体質の方は台風がフィリピンより南にあっても反応するところです。かなり微妙な気圧の変化を敏感に察知するのですね。

  • 私の健康法

    自分で健康とアンチエイジングのために色々やっていることを書いてみようと思います。ほとんどは今までこのブログに書いてきたことでもあり、診察で患者さんにお勧めしていることなので目新しいことではないと思うのですが、一応、私が本当にやっていることをまとめてみます。まず食事ですが、基本は炭水化物ダイエットです。朝はコーヒーとヨーグルトだけ。パンやご飯は食べません。ヨーグルトにすこし糖分が入っているだけです。昼は自作の弁当。子供が高校時代使っていた2段の弁当箱を使っています。ご飯を入れるところは空っぽです。完全に炭水化物抜きです。おかずは唐揚げなどいくつかの冷凍食品とインゲン、ほうれん草、オクラなどをココナッツオイルかオリーブオイルで炒めて塩胡椒したものを大量に食べます。晩御飯もご飯は食べません。おかずだけですが、肉と魚を1品ずつ食べます。納豆やめかぶ、もずくなどを常用します。小腹が空いたらカカオ72%(ポリフェノール)のチョコレートやミックスナッツ(ビタミンEなど)、クコの実など。

    サプリはいくつもあります。ビタミンB50を朝夕、ビタミンC(1日2000から3000mg)を数回に分けて、ビタミンE400mgを朝夕、ビタミンD10000単位を週2回、フラッシュフリー・ナイアシン500mgを朝夕、ビオチン1000ug を一日おき、亜鉛15mgを朝夕、カルシウム・マグネシウムの合剤、オメガ3(DHA120mg, EPA180mg)、ホエイプロテイン20gを朝夕。ビタミンAは人参(カロチン)を毎日取るようにしています(ビタミンAのサプリは肺がんが増えると言われており注意)。

    飲み物:朝はコーヒー1杯、お茶は粉末緑茶や普通の緑茶(カテキン)を1リットル職場に持っていきます。ワインは赤(ポリフェノール)1日グラス1ー2杯。霊芝を煎じたものを週に数回。デザートに寒天(食物繊維)にココア(食物繊維と亜鉛など)やフィッシュコラーゲン5gを溶かして固めたもの、甘みは国産の蜂蜜を小スプーンに1杯を毎日。あとは雨が降らない限り通勤で往復1万歩。これが私が毎日実践している健康法です。スタミナばっちり、頭も冴えて毎日元気に仕事しています!

    ほとんどiHerb.comから買った(個人輸入した)アメリカ製。安くて高力価です。

  • 夏バテしていませんか

    朝晩はずいぶん涼しくなりました。北海道や群馬では8月にして10度以下になったということで8月の最低気温の記録だったそうです。熊本はそこまで冷えてはいません。むしろ昼間の暑さはいまだにこたえます。今年は梅雨明けが早かったため、そろそろ暑さも体力的に限界という人が続出しています。きつい、食欲が落ちた、という感じです。そういうときは漢方です。漢方は冷房のない2000年以上前から夏の体力低下に対して治療法を確立しています。貴重な朝鮮人参を主に使っているため、おそらく庶民ではなく皇帝や殿様のための処方だったと思われますが、今では一般庶民も保険適応です。幸せな時代です。

    使う処方は清暑益気湯です。とてもよく効くので、困っているときは遠慮なくご相談ください。また、冷たいのものを取りすぎて胃の調子が悪くなったら安中散、水分を取りすぎてお腹がチャプチャプなら胃苓湯がオススメです。

    ところでこの夏の時期に風邪をひいたという患者さんで温めで汗をかけば治るかと思ったけど治らなかったということで来院されています。夏風邪は基本温めて治すことはありません。冬の風邪は寒の邪に犯されるため温めて毛穴を開くことで邪を追い出すのですが、夏は暑さのせいで最初から毛穴は開いており、温めなくても汗をかきます。こういうときは長風呂、サウナ、葛根湯など温める治療は無効です。私の場合小柴胡湯を使います。

  • Podcastは役に立ちます

    iPhoneをお持ちなら最初から入っているアプリでPodcast(ポッドキャスト)というのがあるのをご存知ですか?使っていますか?いろんなラジオ風の音声番組を聞くことができます。ほとんど無料ですから少し聞いて面白くなかったら次に変えればいいだけです。とても便利です。番組は動画に比べればファイルサイズもさほど大きくありませんから、Wi-Fi環境があれば、一本の番組などものの数秒でダウンロードできます。私はこれをダウンロードしたものを聴きながら歩いて通勤します。とてもためになります。

    本当は秘密にしておきたいのですが、私がよく聞く番組をいくつかご紹介します。まずは「青木毅の質問型営業」これは営業の神様と言われた青木毅が営業での役に立つトークの雛形を徹底的に教えてくれるものです。私たちにとって診察と営業は異なりますからその雛形通りでは使えないのですが、最近歯科医の先生がインプラントの説明トークをこの雛形をベースに開発された話がありました。やはり、診察時に問診するのも質問型営業と言い換えることができそうです。私にとってはPodcast中の最大の恩師です。

    ほかには「クドケンの隣の治療院、治療院経営のヒント」という2つの番組があり、整体や鍼灸院を経営する際のお悩み相談だったり覆面調査員が受診した際に感じた良かった点悪かった点を番組で話す、と言った構成です。クリニックと治療院は似たようなものだし、患者心理を学ぶには大変勉強になります。私はこのような番組を通して日々通勤途中にウォーキングx耳学問しています。

    江津湖に流れ込む清流

  • 登山は正面突破だけではない

    お盆休み明けは予想通り相当多くの患者さんで混み合いました。休みに入る前にこられた患者さんで、とても変わった症状のためいったいどう治していいのかその方法が謎の患者さんがいました。詳しくはかけませんが、病態を類推して、治療仮説を立てます。こうやったら治せるかもしれない、とひらめいたら、次に2ー3パタンの治療法を考えます。登山でも正面からアタックするだけが道ではなく、東西南北どちらからも道があり、どれか一つが正解ということはありません。したがって、最も効果的で副作用の少ない方法を考えるのです。正面突破しか思いつかなかったときは、あとで考えればなにか考えが足りなかったりとらわれやこだわりに惑わされていた可能性があります。

    そんな感じで治療方針をあれこれ考えた挙句、これで行こうと処方した患者さんが、休み明けて来院されたわけです。聞いてみるとずいぶんよくなっていました。病態の把握と治療方針が間違っていなかったということです。謎の病気だなーと思っていても、こうして元気になってくれると嬉しいものです。そして、こういう経験の積み重ねが、次に来る謎のような難病患者さんの治療方針を解く鍵となってストックされます。

    わたしたちでさえいろんな情報にとらわれたりこだわったりします。もちろん患者さんもそういう傾向が多分にあります。睡眠薬は怖いとか、漢方は安全とか、思い込んでいます。治療の方針にはいくつもあり患者さんごとに最適と思われる方法を一緒に考えていくのが一番であり、過剰なこだわりやとらわれはメリットが少ないと思います。