むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 開業医の専門医更新はハード

    週末は唯一ゆっくりできる時間ですが、今週末はそうはいかないスケジュールです。地域包括診療という厚労省の決めた新しい保険システムの研修会で、日曜の朝から夕方遅くまで丸々つぶれてしまいます。通常、日曜にはクリニックの清掃や経理(帳簿整理など)をしたあとは写真を撮りながらウォーキングをするのですが、今週末は何も出来そうにありません。ただでさえお盆の連休明けで相当忙しい週でしたからゆっくりしたい所ですが、仕方ありません。こんなに忙しい毎日ですから、学会にもまともに参加出来ません。実は、学会は定期的に総会などに参加しないと点数が貰えず、専門医を更新できなくなります。

    専門医とは言っても、一度取ったらあとは毎年学会に参加して年会費を収めるだけで更新出来るのですが、開業するとその学会に参加する時間がとれません。たいてい、東京・大阪・京都などで学会があるので、土日を潰していかないといけないのですが、土曜の診療が終わって自由になるのが2時すぎなので、なかなか東京など行く暇がありません。幸い、内科学会や東洋医学会は九州地方会がある為新幹線の日帰りで参加すれば点数だけはもらえるのですが、循環器学会の地方会は土曜日の午前中にあって、診療の都合で間に合いません。

    結局、熊本地震から現在に至るまで循環器学会には参加することができずに、残念ながら専門医を更新することができませんでした。しかたないので、当院ホームページの院長紹介の欄には循環器専門医(元)と書き直しました。専門医更新をし損ないましたが、学会に参加できないのは患者さんのことを思ってのことであり、診療の質はなんらかわりませんので、今後ともどうぞよろしくお願いします。

    スタンフォード大学所蔵、国土地理院の古地図。明治21年のものです。自衛隊と第二空港線はありませんが地名は今のものと同じですね!

    https://stanford.maps.arcgis.com/apps/SimpleViewer/index.html?appid=733446cc5a314ddf85c59ecc10321b41

    これは田迎。当時南熊本駅から延岡まで鉄道がありました。熊延鉄道。私の通学路でした。神社やお寺は今も存在するので目印になります。

  • 土木治水は国家の優先事業

    近畿地方は台風の被害がでて大変です。このところあちこちで水害の報道があるため、またか、と思うかもしれません。しかし、日本中どこに住んでいてもこう言う被害が起こり得ます。たまたま台風の進路が向いたところに被害が出るだけの話です。

    そもそも土木・治水というのは国家の最も大切な事業でした。熊本でも、治水の神様といわれた加藤清正が残してくれた治水工事の結果、水害も最小限で済んでいます。しかし、それからすでに400年経っています。現在の私たちの状況はどうかと言えば、財政難でどこも工事が遅々として進んでいません。バブル以前は土木などの公共事業は税金をどんどん使って行なっていました。しかし、赤字国債が増えてしまいました。民主党政権時代に「コンクリートから人へ」と言うスローガンのもと公共事業がものすごく削減されました。

    その後政権は自民党に戻りましたが、削減された公共事業は削減されたままとなっています。治水こそが国家太平の最も大切なところだと言うことが理解されていないように思います。洪水は、私たち市民の力ではどうすることもできません。しかも、大切な財産や生命をいとも簡単に奪ってしまうのです。土木事業が昔のように花形となり、予算が使われることが将来に渡る私たちの生活の幸せに繋がると思います。

    江津湖の堤防も加藤清正の治水事業の業績です。

    http://www.ezuko-park.com/blog/11268

  • なんともあらしません

    京都の人に、台風の被害などをたずねると、たいてい「なんともあらしません」と涼やかにこたえられるそうです。しかし、実際には嵐山など大変な被害に見舞われたことは何度もあります。今日も台風が四国から近畿へ向かっています。被害が出ないことを祈るばかりです。

    京都の人は思っていることをストレートには表現しないそうで、よそ者には分かりづらくて厳しいところです。建前のいい顔をするのが身についているのでしょうが、言った言葉の通りでないと思わないといけません。京都の人がこのように素直な感情表現をしないのは自分の身を守るためだと考えられます。京都は日本の都だった歴史から、殿様や天皇などトップがコロコロと変わります。その度に政治の影響をもろに受けていたと思われます。そういう時に、昔の殿様の方がよかったなど、思っても口に出してはいけない歴史があったと思われます。そういう時感想を聞かれたら、「なんともあらしません」と言っておくのが得策です。

    人の心は不思議なもので、言葉に出すと、その通りになります。なんともあらしません、といえば、たまっていたストレスもなんともなかったかのように流れていきます。愚痴を言えば言うだけ不満が募っていきます。同僚や上司に対して不満があるときは、愚痴をいわず、なんともあらしません、と言って見るのもいいかもしれません。言っているうちに現実がなんともない状況に感じてくるかもしれないからです。

  • 八月病?

    5月は五月病と言って4月に新しい職場や部署に移ってなんとか頑張ったけどもう無理、という患者さんたちがゴールデンウィーク明けごろから大勢来院されます。そういう傾向は6月も続きましたが、夏に入り少し落ち着いていました。そして今、ちょうどお盆休み明けで状況は5月の連休明けと同じです。5ー6月ごろはなんとか乗り切ったけど、いよいよ限界という患者さんたちが、今になって大勢来院されています。いわば8月病です。

    来られる患者さんの職業やストレスの原因はそれぞれ違いますが、皆さんに似た傾向があります。それは、ストレスを溜め込んでしまう性格です。苦手な上司や同僚とうまくいかず、パワハラに近い状況でもひたすら耐えてしまいます。文句や愚痴を言ったり、上司の指示を適当に聞き流すことなく真剣にとらえてしまいます。真面目な性格です。

    このように真面目で反論せずストレスを溜め込んでしまう性格の人には適した漢方があります。抑肝散加陳皮半夏です。今月は相当数処方しています。こういう漢方を飲むことでため込んでいたストレスが軽くなったり、ストレスにより引き起こされた頭痛や吐き気なども軽くなることが期待されます。このように、当院では漢方を併用することで安定剤や抗うつ薬を最小限にする治療法を模索しています。

  • 砂糖中毒

    台風が接近しています。今回は直撃は逃れていますが、九州の西へ進むルートのため、熊本は台風の東側に入る時間帯があります。被害には十分注意が必要です。携帯の充電、予備バッテリーの充電、パンなどの食料、飲料水、乾電池、懐中電灯など準備はいいですか?連続2つの台風が来ますから、今週はしっかり備えましょう。

    夜に世界仰天ニュースという番組を見ていたら、砂糖中毒の話題でした。甘いものはコカインにも勝る依存症になるということでした。甘いもの中毒になってしまうとなかなか抜け出せません。実際は甘いものだけでなくパンや麺など炭水化物全体が問題で、特に小麦製品に注意が必要だと言っていました。東京の溝口先生の出演でした。私が日頃患者さんに説明している炭水化物ダイエットの第一人者です。

    甘いものを食べ続けてしまうのは砂糖の中毒性も問題ですが、栄養の偏りも問題です。鉄欠乏の人が砂を食べたり金属をなめたり氷を食べ続けるという話をよく聞きますが、鉄をきちんと補うとこういう変な行動が止まります。砂糖中毒の場合、ビタミンB1が消費されて脚気のようになります。まずはビタミンB1をきちんと補充し、タンパク質(肉や卵)をしっかりに取ることで砂糖や炭水化物に対する異常な執着が薄れて来ます。