むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 次の地震に備えよう

    朝から日向灘沖で大きな地震がありましたね。熊本の南区で震度4、当院のある東区で震度3でした。南海トラフの予想震源地近くでの地震だったため、今後連鎖的に起こってくる地震に要注意です。気象庁はその心配はないと言っていますが、地震予測はうまく行った試しがありませんので、警戒するに越したことはありません。とりあえず今後しばらくは予備の食料の確保と、倒れやすい家具の固定など気をつけたいと思います。クリニックの場合、停電した際の電子カルテの問題や、医療機器の問題、避難所の住民の皆さんに対する医療提供体制などいろんな備えが必要となります。

    災害の際に役に立つのは鍼灸です。ハリは材料がいりますが、検査機器も電気も何もいりません。患者さんの多彩な訴えに答えることができます。4000年の歴史がありますから、効果に関しても間違いありません。国際的にも災害救助の際に国境なき医療団のようなチームに鍼灸部隊が協力しているそうです。残念ながら日本からは西洋医学のドクターしか参加していませんが、韓国などは国の組織として鍼灸師を海外の被災地に派遣しています。

    当院では、常に数千本のハリを準備しています。もちろん患者さんに毎日たくさん使うわけですが、必要以上に多めに備蓄しているのは、災害時の備えでもあります。ハリは、避難所生活での腰痛や肩こりに効くのはもちろんのこと、気が滅入るとか不眠、耳鳴り、めまい、風邪症状などあらゆる症状に使える手段なのです。

  • 漢方サークルの新歓コンパ

    連休明けで忙しいのは忙しいのですが、予想したほどの忙しさではありません。おそらく、多くの患者さんが連休明けの今週を避けて来週受診されるのではないかと思います。今週中に受診したほうがこまずに済むかもしれません。本日当院に来た製薬メーカーさんによると、他のクリニックも同じ状況のようだと言われていました。

    木曜夜は熊本大学の漢方サークルの新歓コンパでした。私が作ったサークルなので、顔を出しましたが、今年の新入生は18名だそうです。世の中、漢方ブームですね。入学生の約2割が漢方サークルに入るなんて、すごい時代になりました。この中から数名がコアとなる人材に育ってくれると思います。頼もしいです。学生サークルでは漢方理論などを基礎から勉強します。私などは今となっては理論を飛び越えてた経験に基づく処方をします。学生の興味ある基礎理論とはあくまで考える基本ではあるのですが、実践は教科書通りにはいきません。柔軟で応用的な思考が必要となります。

    多くの施設では基本に忠実な処方をされます。当院にたどり着く患者さんは、そのような基本通りの処方はとっくに試していて、治らなかったというツワモノ揃いです。そこで、私なりに基礎理論に薬理的思考を追加したり、多くの経験から編み出された処方を使うことになります。その結果、他の病院でいろいろ漢方を貰ったけど治らなかったという患者さんが私の処方で速やかに改善すると、嬉しいことこの上ないです。毎日本当に難しい患者さんが集まってきますが、これぞ天職と思って頭を捻りながら処方を考えています。

  • ルーチンワークはプロの証(あかし)

    料理上手のお母さんとプロの料理人のどこが違うか考えたことがありますか?私が思うに、プロはどんな時も味にブレがない。素人は料理が上手でも日によってばらつきが出ます。また、食材をその時々でかえてしまいます。美味しそうなものがあったとか、安くて新鮮なものが手に入ったからと言う理由でレシピを変えてしまうのです。それはそれで美味しいし、悪いことではないのですが、プロはどんな時も同じ食材で同じ味を出してきます。それは、料理の面白みとか楽しさを超えた世界で、厳しいとか、極めるという表現が近いと思います。

    仕事を探すときに、好きな仕事、楽しい仕事、趣味の延長と思ってやってみると、思ったほど楽しくない、厳しい、ということはザラにあります。それでは、それが自分にあっていなかったのかというと、それはわかりません。好きなこと、得意なことを仕事にすれば、おそらく他の人より上手にできると思います。ただ、それが楽しいかどうかというのは別の話なのです。

    最高のパフォーマンスを上げるには、楽しくなくても単調な仕事に没頭しなくてはいけません。単調な仕事の繰り返しをルーチンワークといいます。ルーチンといえばイチローを思い出すかもしれません。あれです。毎日同じものを食べて、バッターボックスでは決まった動きをして、きちんとヒットを打つ。天才的な人も、よく飽きないねと言われるまで同じことをひたすら繰り返す、ルーチンに磨きをかけることがプロの使命だと思います。医療も例外ではないと思います。 

  • 5月6日(月)は休日当番医です

    いよいよ連休も最終日ですね。5月6日(月)は休日当番医となっています。医師会のルールで当番医は朝9時から夕方5時までとなっています。通常の当院の営業時間とは異なりますので、お気をつけください。休日当番医は基本的には緊急性のある患者さんで、2次3次救急を必要としない急患が対象となります。しかし、今回のように長い連休となると、血圧の薬が切れたなどの緊急性はないが困っているという状況も想定されます。他院の当番医の状況を見ると、さすがに忙しそうでした。当院も混雑が予想されます。ただ、当番医の診療範囲は内科、循環器内科に限られますので、心療内科の初診のように相談に時間のかかる診察は5月7日以降で予約をお願いします。当院にかかりつけの心療内科の再診の場合で調子が悪いとか、薬が切れたなど必要なら受診されても構いません。

    私の連休はとくに旅行などすることもなくほとんど近場で過ごしましたが、開業してから初めてとも言うべくのんびりとリフレッシュできた休みとなりました。このところ、法人化の手続きなどでとてもストレスがたまっていたのですが、すっかり回復しました。休み中に気がかりだったのは訪問診療している患者さんたちの様子です。さいわい、訪問看護師さんたちから何かあれば連絡してくれることになっていたので、基本そちらに任せていました。何度か連絡が来ましたが、大したことなくて安心しました。

    休み中に時代は平成から令和へと変わりましたが、令という字がいまだにしっくり来ません(なんか、冷たい印象ですよね)。漢方では五苓散、柴苓湯、胃苓湯など苓という字をよく使いますが、茯苓という生薬のことを意味します。茯苓は胃の調子を整え、むくみをとってくれる働きがあり、非常に多くの処方に使われています。漢方好きの私としては苓和のほうが良かったなと思ったりします。 

    早朝の上江津湖をパノラマ撮影

  • 皆でいい雰囲気を共有するには

    ゆっくりできる時間があるので、相変わらずアマゾンのプライム・ビデオで映画やHBOのドラマを見ています。いろんな映画を見ていて、しばしば耳にする言葉が、”Life is short(人生は短い)”というものです。いろんな映画のいろんなシーンで使われるセリフなので、きっとアメリカ人の多くが座右の銘みたいにしている言葉なのでしょう。たしかにそのとおりです。あっという間に10年ぐらい過ぎてしまいます。仕事にばかり追われていて、年取ってしまっては人生もったいないです。連休も10日もあると思っていても、あっという間です。まだこれから土日月とありますから、もう1つ2つイベントを楽しめるのではないでしょうか。

    そういう私も、ダラダラとしていてはもったいないので、あさから松橋(実際には城南のちょっと先)にある古保山(こうやま)リゾートhttp://www.kohyamaresort.comというところに行ってみました。リゾートという名の温泉です。名前は前から知っていたのですが、行く機会がありませんでした。東区からだと40分ほどです。南区からなら30分かからないでしょう。とてもいい温泉でした。まちなかにあるスーパー銭湯とは違ってとても静かです。サウナにはTVなどなく無音です。露天風呂に入っても、鳥のさえずり、風が木を揺らす音、そして源泉かけ流しのお湯がサラサラと流れる音のみしか聞こえません。とてもリラックスした空間で最高でした。

    不思議なのは、そこに来ている客さんたちも静かなことです。結構何人も入浴しているのですが、大声で話す人など一人もおらず、皆静かにリラックスした空間を共有しているかのようでした。おそらく運営上のコンセプトがあり、設備がそれを実現するような作りになっていると、そこを訪れる人もそれに同調するのでしょう。クリニックも同じだと思います。運営するコンセプトがしっかりしていれば、職員も、待合の雰囲気も、流れるBGMもすべての波動が共鳴しあって、いい気持ちで過ごせるのではないかと思います。