むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • 経営について考える

    私にしては珍しくゆっくりした毎日を過ごしています。午前中はレセプトのチェックに費やしましたが、先月分はやっと全て見終わりました。これからが私の休みです。とはいえ、どこかに行こうとすると混雑するので特に出かけることなく家で本を読んだりテレビで映画を見たりして過ごしています。一日数時間アメリカのHBOというテレビドラマを見ていたら、ついに夢も英語で見るようになりました!やった!ってかんじです。テレビでは即位の儀の中継を延々やっていますが、いくら歴史的な儀式であれ、私にとってはダイジェストをニュースで見れば十分です。一日中天皇家の生い立ち、ご友人のコメントなど聞いても仕方ありません。平和な日本に生まれたことに感謝。それが全てです。

    いつも仕事に追われて、患者さんのこと、診察の待ち時間のこと、訪問診療のことなどしか考える暇がありません。しかし、10日もフリーな時間が取れると、おのずとこれからクリニックの進むべき方向とか、経営に関することを考えます。院長でありながら法人の理事長であるから当然のことです。そう簡単に新たな経営方針が湧いて出てくることはありません。また、アイディアがあってもその事業にかかるコストや採算性をシミュレーションしなければいけません。また、医療業界は高齢化により安定的な気がすると思いますが、そうでもありません。

    今後急激に人口減少が進むため、今から大きな借金をして事業を始めると、返し終わる前に人口減少に伴う患者減で予測を誤ります。また、働く世代がどんどん減ってきますから、外国人が入ってこないかぎり介護業界などは人手不足で、営業さえできない時代です。ゆっくりする時間があれば考えることも多いのですが、難しい問題でいっぱいです。

     

  • 令和元年のスタートです

    テレビは平成最後のなんとかという番組ばかりです。休日のワイドショーを見ても一日中天皇陛下のご苦労話などを紹介しているだけです。そもそも、改元をどのようにお祝いしていいのかがわかりません。除夜の鐘が鳴って初詣に行くとか、紅白の餅を飾るとか、なんでもいいので、誰か祝い方を教えてくれ、って感じです。そもそも、改元というのは天皇の崩御とセットのことがほとんどですから、国民は喪に服して新しい年号に変わるのが通例です。今回は状況が違うので、喪に服する事なく新しい時代を迎えるわけですから、もっとお祝いムードでもいいのでしょうが、どう祝うのかさっぱりわかりません。

    マック(iPhoneやiPad)のiCALというカレンダーを見たら、12月のクリスマス前にあった天皇誕生日はすでに消えています!そのかわり、来年(2020年)2月23日に天皇誕生日があり、たまたまそれが日曜なので、翌24日(月)が振替休日になっています!もう一つ気づいたのは、今年(2019年)10月22日に「即位礼正殿の儀の行なわれる日」という休日があります。新しい祝日みたいです。皆さん知っていましたか?私が単にニュースなどをあまり見ないから知らなかっただけでしょうか?

    令和を祝うのもいいですが、わたしたち医療人にとっては患者さんの生年月日から年齢を計算するのが難しくなります。もういい加減西暦表示にしないと、お年寄りは大正生まれもいますから早見表を見ないと計算出来ません。また患者さんの病歴も平成◯年に胃がんの手術をしました、というのが、果たして何年前なのか、瞬時にはわからなくなります。役所に出す書類は仕方ありませんが、当院で書くカルテ、紹介状、診断書などは西暦表記にすることにします。

     

  • 小さくても自由の利く仕事がいい

    連休、いかがお過ごしですか?雨も降っていたので、行楽日和ではありませんでした。私は、月初めの行事として毎月しないといけないのが、レセプト(診療報酬)チェックです。あさ6時半には起きてひたすら見ましたが単調な作業なので眠くなります。お茶を飲んだりコーヒーを飲んだり音楽を聞いたりスクワットをしたり、気分を変えながら進めましたが、夕方までに半分ちょっとしか終わりませんでした。まだまだ残りはあるのですが頭が飽和したので明日に回します。後の時間はアマゾンプライムビデオで「シェフ」という映画を見ました。

    この映画は、レストランに料理評論家が来るというのでシェフが自分の腕をふるったメニューを出そうとするのですが、レストランのオーナーは定番のメニューを変えるなと命令します。「歌手のコンサートに行って客は何を期待するか、新曲ではなくて定番のいつもの歌が聞きたいんだ」とオーナーは主張します。なるほど~と思ったのですが、結果は・・・ネタバレになるので詳細は書きません。結果的にシェフは店を離れてフードトラック(移動販売車)を購入して各地を転々と移動しながら自分の感性で好きなようにサンドイッチなどを作って販売します。やはり、やりたいことをやりたいようにできる個人事業主は幸せだなと思います。

    よく、大空を鳥のように飛べる飛行機が好きだからパイロットになった。という人がいます。それは良かったですね、と言いたいところですが、パイロットは大変な仕事です。全く自由がありません。1分1秒決められたとおりにしないといけません。航路も高度も指示通りです。ちょっと眺めの良い方へ行ってみようとか、気分がいいので街の上をもう一周とかできません。結局自動操縦の監視役でしかないパイロットは自由がなくストレスいっぱいだろうと思います。はたからみてかっこいい仕事より、小さくても自由の利く仕事は転職だろうと思います。

    庭に咲いたブルーベリーの花

  • 意地を張って先発薬を使う?

    いよいよ平成も終りが近づいてきました。ニュースを見ると、天皇陛下が最後の公務として緑の式典に出席された映像を見ました。その中で印象的だったのは、陛下がワイングラスを持っておられるシーンです。日本人の多くはワイングラスを持つときに細い足の部分を持ちますが、あれは国際的には間違いだと言われています。今日の天皇陛下はボウルの部分をしっかりとホールドされていました。画像検索するとエリザベス女王もオバマ元大統領も同じ持ち方をしています。ボウルの部分をしっかり持つというのがマナーなのです。まあ、ワイングラスの持ち方くらいで相手に失礼になるということはないのでどうでもいいのですが、国際的なマナーと日本のマナーがまるで違うということを知っていることは大事だと思います。https://matome.naver.jp/odai/2137191196430283401

    連休前で毎日超多忙だったのですが、忙しかったのもピークを過ぎて少し余裕のある一日でした。こういう中で、仕事をやっていて本当に良かったと思うのは患者さんに感謝の言葉をいただくときです。「今まで2年半、ずっと治らなかった症状が当院に来て1週間で良くなってびっくりしました!本当にありがとうございます」なんて言われると、本当に開業してよかったと思います。疲れが吹っ飛びます。毎日、心と体の悩みを聞いています。その人数たるや、相当数です。やはり、患者数が多いと医者の経験値も飛躍的に伸びるため、治療法に磨きがかかってきます。週刊誌でいい病院ランキングなんてありますが、いい病院の根拠は年間の手術数などを評価しています。それはまんざら間違いでないと思います。やはり、患者数が多くて、それだけ経験を積んでいると、レベルが上がるのは間違いないと思います。

    世の中は、ジェネリック(特許切れの医薬品を後発メーカーが安く作るもの)を使うようにという流れです。協会けんぽはジェネリック8割を目指すようにと目標設定しています。当院も、協会けんぽからもらったデータでは8割を達成しています。ただ、当院でがんばって(意地を張って)先発を使っているものが一つだけあります。驚かれるかもしれませんが、それはモーラステープ(湿布)です。湿布は貼ったところから鎮痛成分が皮膚に浸透して痛みを取るので、どのメーカーでも同じように思うかもしれませんが、先発メーカーは成分ではなく基材にもすばらしい技術が隠されています。ジェネリックとは全然違います。きれいに貼れるし、はがれにくいのも優れています。今日は、患者さんに、当院からもらった湿布は整形からもらったのよりよく効くと言っていただけたので、意地を張って先発を使っているだけあったかなとちょっと嬉しかったです。全ては患者さんのことを思ってのことです。それが当院の経営理念その1です。

  • 食後高血糖

    先日書きましたが、この前の日曜日に保険医協会主催の下通り街頭無料健康相談に参加しました。私のコーナーは血圧と血糖の無料測定のブースでした。血糖を測ってみると、200超え、300超えという人が続出しました。開催されたのは日曜の昼下がりです。食事時間を尋ねると、さっき食べた、という人が多くいわゆる食後の随時血糖です。これは、検診や人間ドックで空腹時血糖を測るよりも重要な意味を持つと思います。皆さん、今ご飯食べたばっかりだから、とか、今日はランチでごちそうだったから、と言い訳されますが、そんなのは関係ありません。検診では指摘されなかった耐糖能異常がこんなにもたくさん見つかるわけですから、やった甲斐があります。必ず、データを持ってかかりつけの先生に相談するようにと念を押しました。

    ブースには、血糖や血圧を測る看護師さんたちのボランティアが大勢いて、その端で私が結果を見てアドバイスをするという流れです。血糖の測定は看護師さんでないといけませんが、結果を見て異常ありませんとか、速やかに病院で精密検査を受けましょうという私の仕事は、医師でなくてもできる仕事です。人工知能(AI)の時代ですから、これからは、こんな仕事はいらなくなるなーと思いました。試しに、自宅のアレクサ(アマゾンのAI)に「血糖が200あったけどどうしたらいい?」と聞いたら「ごめんなさい、今はわかりません」だそうです。iPhoneのAIのSiriに同じ質問をしたら、WEBでこちらが見つかりました:という答えで、糖尿病の相談コーナーなどのサイトを5つほど挙げてきました。完璧ではないですが、Appleの勝ちです!

    では、AI時代に生き残るために我々は何をしたらいいのでしょうか?それは、AIロボットにはできない患者さんの悩みを聞いて共感することだとおもいます。あとは、ガイドラインで判断できない複雑な症例を総合的に判断する仕事でないかと思いました。