むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 脳卒中は時間との勝負

    脳卒中とは、脳梗塞と脳出血の総称です。昔は中風(ちゅうぶ)と言っていましたが、最近では「ちゅうぶ」では通じないかもしれません。私も小学生くらいの頃田舎のおじさんが「中風」になって寝たきりになったとか、そんな話を聞いて、なんて怖い病気なんだろうと思っていました。

    時代はたち、CTとかMRIなど検査技術が進み、ものすごく小さな脳梗塞が見つかるようになりました。しかも発症して数時間以内だと、詰まった血管を再開通させる技術もかなり進んできて、麻痺が残らずに治せる時代になりました。しかし、治せるとは言っても脳神経が完全にやられてしまっては元に戻りません。2−3時間以内に治療を受けることが大事なのです。

    急に半身麻痺になったとか、口がまめらなくなったとか、こういう症状があったらすぐに脳卒中センターがある大きい病院を受診してください。麻痺が残るか残らないかはその先の人生を大きく左右します。定年してやっと自分の時間を持てたと思ったら脳卒中になった、では悲しすぎます。怪しい時は早めの検査です。それから予防ですが、血圧とコレステロールはきちんと管理しましょう。最近は血圧の薬が認知症を招くなどと薬害を強調した週刊誌記事が誌面をにぎあわせていますが、半身不随になっては元も子もありません。判断を誤らないようにしたいものです。

  • 筋肉痛

    三千段の石段を登った翌日というのは、やっぱり筋肉痛です。歩く姿が少し不自然です。このような筋肉痛は乳酸が溜まって起こります。乳酸が筋肉から分解されて処理されれば痛みもやコリは軽くなるのです。

    そこで、痛くなった筋肉はマッサージがいいと思います。乳酸を筋肉から血液中に押し流すと肝臓で分解されます。当院には低周波の電気治療器があります。最新のプログラムで筋肉を電気刺激します。この刺激のパタンがコリや痛みを取る最適なパタンになっていて、とても効果的です。私はデモ機をショールームで見て自分で試して見たところ、あまりの気持ち良さに即決で買うことにしたものです。腰痛でも肩こりでもぜひ試してもらいたいと思っています。もし整形外科で使ったことがあるけどあまり効かなかったという人も、プログラムがかなり進化しているので、試してみる価値ありです。

    そういう私は今日は電気治療もマッサージもしていません。朝から自転車で通勤して足を動かし、夕方は犬の散歩で歩いて筋肉を使いました。これで筋肉に溜まった乳酸は流れていきます。もし動かすのも痛いようなら低周波治療器のお世話になるところでした。

  • 玄米は糖尿病やメタボにいい

    玄米は白米より消化に時間がかかり、食後の急激な血糖上昇がなく糖尿病にいいと以前から言われていました。米ぬかの部分に含まれる食物繊維やビタミンがいいのでしょう。

    今日は糖尿病の勉強会に参加しました。演者の琉球大学の先生が玄米食を1日1回食べることで体重減少、コレステロール低下、血圧低下の効果があることを証明して論文にされていました。これは、玄米が糖尿病患者さんにいいというだけではなく、メタボ(肥満、高血圧、高脂血症)の改善効果があるということです。朝ごはんでも晩御飯でもいつもの白米を1食玄米に置き換えるだけでいいそうです。また、玄米で作った甘酒でも同様の効果があるそうです。

    ただ、玄米甘酒の場合は糖分を含むため、メタボの人にはいいでしょうが、本物の糖尿病の人の場合は血糖上昇に注意が必要です。玄米の甘酒はなかなか売ってありませんが、自作可能です。私は作ってみたことがあります。まず、玄米をおかゆくらいに柔く炊いて、市販の麹をそれに混ぜて40度くらいで半日ほど保温します。炊飯ジャーで蓋を開けっぱなしで保温する方法もあるようですが、私はヨーグルトメーカーを使って作りました。美味しくできますよ。

  • いじめは見苦しい

    テレビをつけると一日中森友問題をやっていますね。国会でもこの話題ばかり。テロのこととか、北朝鮮のミサイル問題とか、韓国の問題など日本を取り巻く世界はとても不安定で話し合わないといけないことはたくさんあるはずなのに、みんな足の引っ張り合いばかりやっています。いじめにしか見えません。見ていて見苦しいと思います。結局みんな国政より首相の揚げ足取りの方に一生懸命です。

    こういう大人のいじめはきっと日本中あちこちで起こっていると思います。会社のために一生懸命働いてきたのに、みんな理解してくれない、きちんと評価してくれないと言って、私のクリニックに来ます。普通の人なら鬱になってしまいます。そう考えると政治家は強いですね。よく耐えられると思います。

    鬱になってしまった患者さんがよくいうのは、自分は強いと思っていた、まさか自分が鬱になるとは・・・。そう、鬱になるかどうかは心の強い弱いではないのです。風邪みたいに突然やって来ます。そして、かかってしまったらなかなか自力では治りません。誰かに相談するのが一番です。一人で悩まないでください。薬もあります。落ち込んだ心を持ち上げるには薬を使った方が早く治ります。風邪の治療と同じです。周りの同僚が鬱になったときは励まさないで見守ってあげてください。鬱の人は「頑張れ!」と言われるのが一番辛いのです。

  • のどの違和感

    慢性的なのどの違和感で来院されるというのが結構あります。喉に何か詰まった感じとか、梅干しの種がひっかかった感じ、ビーフジャーキー(干し肉)が喉につかえた感じ、魚の骨がひっかかった感じ、などなど人によって表現は違いますが、のどの違和感の訴えというのはたくさん見られます。芸能人が咽頭がんとか喉頭癌とか聞くと、自分も癌ではないだろうかと思って心配になるし、心配すればするほどのどの違和感は強くなる。そんな感じです。

    大抵は耳鼻科にいってスコープで覗いてもらい、異常なしと言われます。心配ないと言われても、症状があるのは事実だし気になって仕方ない、という人は、何件も病院を変わります。胃カメラをしたりCTを撮ったりします。なかには逆流性食道炎と診断され、胃酸を抑える処方で治る場合がありますから、検査自体は無駄ではありません。しかし、どう検査しても何もないという場合に漢方に救いを求めてこられることがあります。漢方では、そのようなのどの違和感は気の流れが悪いと診断して、処方します。もっともよく使われるのは半夏厚朴湯ですが、最近は耳鼻科や消化器の先生もこのあたりの処方は使われますので、私たち漢方専門医のところに来る患者さんは半夏厚朴湯を使ったけど治らなかったという場合が結構あります。そういう時は、患者さんの虚実、寒熱などの体質をもう一度じっくり考え直す必要があります。

    また、循環器の専門医としての目で見ると、不整脈や狭心症でも喉の違和感が出ますから、心臓の検査(心電図や心エコー)は忘れずにしておいたほうがよいと思います。