むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • のどの違和感

    慢性的なのどの違和感で来院されるというのが結構あります。喉に何か詰まった感じとか、梅干しの種がひっかかった感じ、ビーフジャーキー(干し肉)が喉につかえた感じ、魚の骨がひっかかった感じ、などなど人によって表現は違いますが、のどの違和感の訴えというのはたくさん見られます。芸能人が咽頭がんとか喉頭癌とか聞くと、自分も癌ではないだろうかと思って心配になるし、心配すればするほどのどの違和感は強くなる。そんな感じです。

    大抵は耳鼻科にいってスコープで覗いてもらい、異常なしと言われます。心配ないと言われても、症状があるのは事実だし気になって仕方ない、という人は、何件も病院を変わります。胃カメラをしたりCTを撮ったりします。なかには逆流性食道炎と診断され、胃酸を抑える処方で治る場合がありますから、検査自体は無駄ではありません。しかし、どう検査しても何もないという場合に漢方に救いを求めてこられることがあります。漢方では、そのようなのどの違和感は気の流れが悪いと診断して、処方します。もっともよく使われるのは半夏厚朴湯ですが、最近は耳鼻科や消化器の先生もこのあたりの処方は使われますので、私たち漢方専門医のところに来る患者さんは半夏厚朴湯を使ったけど治らなかったという場合が結構あります。そういう時は、患者さんの虚実、寒熱などの体質をもう一度じっくり考え直す必要があります。

    また、循環器の専門医としての目で見ると、不整脈や狭心症でも喉の違和感が出ますから、心臓の検査(心電図や心エコー)は忘れずにしておいたほうがよいと思います。