むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 真夏のサプリ

    日が暮れて犬の散歩に出かけてみると、まだ全然涼しくありません。息苦しくなってきて、深呼吸をします。歩いているうちに頭痛がしてきます。皆さんくれぐれも体調管理にはお気をつけください。これだけ暑いと真昼間の外来は患者さんも少ないですので、ゆっくり話を聞いて欲しいと思えば、この時間が穴場です。今日も10年以上も困っているという症状についてゆっくりとお話をすることができました。一方、夕方になってくると、混み合ってきます。実際には午後2時も4時もほとんど変わらない暑さですが、皆さんの心理ですね。

    8月2日の熊本の天気予報では37から38度を予想されています。今まで夕立が来そうな湿った空でしたが、いよいよカラッと晴れてくるそうで、さらに注意が必要です。汗をかくと体からミネラルを失います。主には塩分なので、少し塩気の効いた梅干しや漬物を食べればいいのですが、スポーツや屋外で仕事をしている場合は、塩分だけでは足りません。亜鉛、マグネシウムその他のミネラルも汗から失います。こういった微量元素を食品で取ろうとすれば、かなり気つけてバランス良い食事をしないといけません。簡単にはマルチビタミン・マルチミネラルのサプリです。

    私の場合はマルチビタミン・マルチミネラルの代わりにビール酵母で補います。毎日ではありませんが、特に汗をかいた時にはエビオスを30粒一気に飲みます。栄養価が高く、値段も安いのでオススメです。

     

     

  • 夏バテの治療

    大雨の次に猛暑ですが、なかなかカラッと晴れた天気ではないですね。そうこうしているうちに、もう8月です。毎日昼には院外へ往診に出かけますが、車の温度計が40度くらいを指しているので、クラクラします。夏バテを漢方的に色々病態を考えると、人それぞれです。画一的に暑気あたり、というわけにも行きません。例えば、純粋に高温にやられた人、冷たいものの飲み過ぎで胃が冷えている人、水分の取りすぎで胃がタポタポの人、などなどです。

    高温で疲れが出ている場合、清暑益気湯が効きます。冷たいものを飲みすぎた場合、安中散。水分摂取過剰なら胃苓湯。さらに疲れがひどい時は紅参末を加えます。口渇がひどいなら白虎加人参湯、のぼせがひどいなら黄連解毒湯を合わせて使います。これらの漢方をうまく使い分けるには、どのような高温の環境にいたのか(屋外か、室内か、エアコンはついていたのかなど)、水分はとったか(冷たい飲み物か、冷やしていないものか、氷のようなものかなど)、お腹は冷えていないか、何日くらい前から暑さにさらされているのか、などを確認します。また、舌診では胃腸の冷え具合や水分の多さ(水毒、痰飲)を確認します。

    これくらいは最低確認してから治療方針を立てますが、逆に西洋医学だけで夏バテや熱中症をみんなどうやって対処しているんだろうと思います。点滴で治るほど簡単な病態ではないと思うのです。

    庭先に咲いた桔梗です。今の季節、のどが腫れてが痛い風邪が多いですが、桔梗はのどの炎症を取ります。桔梗湯や小柴胡湯加桔梗石膏などに含まれています。排膿作用があり、十味排毒湯や排膿散及湯などにも配合されています。

     

  • マグネシウムローション

    セレブとアンチエイジング業界の専門家の間では今や常識となっているものに、マグネシウムがあります。先日、玉名駅前のアロマショップに注文していたマグネシウムローションが届いたとのことで、受け取りに行ってきました。アメリカ(フロリダ)製で、体に塗った瞬間アメリカの匂いがしました。アメリカの匂いというのは、アメリカに行ったことのある人はわかると思いますが、空港に降り立ったときすぐに「アメリカについた」と感じる匂いです。成分を見たら、塩化マグネシウムの他に、シアバターやココナッツオイル、バニラオイルなどが配合されているので、まさにこれがアメリカを思い出させる香りなのです。試しにふくらはぎに塗ってリンパマッサージをしてみたら、塗ったところがほんわかと暖かくなり、筋肉が柔らかくなりました。血行が良くなる働きがあるので、それが実感されたのだと思います。むくみや肩こりに最適だと思います。

    せっかくなので、もう一品、アロエジェルも買ってきました。アロエには保湿作用があるので、日焼けでヒリヒリする部分に塗ってみると気持ちよかったです。これもアメリカ(テキサス)製です。ものはハワイやグアムのリゾートホテルに泊まると客室のアメニティーとして置いてあったりエステで使うようなやつです。クセがなく、香りもついていませんので、季節や目的に応じたアロマを配合して使っても良いという話でした。

    しばらくはクリニックの中で試用してみて、効果的な使い方のノウハウを積み重ねたら患者さんにも使いたいと思います。肩こりやむくみがひどい方には試しませんかと声をかけるかもしれません。もちろん、当面はモニターとして無料で施術しますので、是非感想を聞かせてください。私はというと、最近体や肌にいいものをあれこれ試しすぎて肌はスベスベです。今となってはどれが効いているのかわからない状態です。

    本妙寺にて

  • 口内炎になった

    久しぶりに口内炎になりました。先日、とてつもなく大きないりこを食べた時、舌に骨が刺さって血腫となり、そこに口内炎ができたのです。口内炎ができると塩分や辛味が食べにくく、食べ物を選ばないといけないのが大変ですが、私の場合、それだけではありません。患者さんとお話しするのが仕事ですから、口の中が痛いとうまく口がマメリません。

    口内炎は、このような外傷性のものもあれば、慢性胃炎や栄養不足でも起こります。歯並びが悪かったり入れ歯が合っていないときにも起こります。また、膠原病のような慢性疾患にも見られます。原因によって対処法は違ってきますが、なぜか西洋薬ではステロイドの口腔用軟膏ぐらいしかありません。私の場合は、この軟膏に加えて漢方を使います。患者さんの体質や口内炎に至った背景によって使い分けます。口の痛みには黄連解毒湯が良く効きます。漢方薬をしばらく口に含んで痛い部分に直接作用させた後に水で飲み込みます。そうすると、痛みが軽くなります。

    このように口内炎ができて痛いときに使う漢方処方と、口内炎を繰り返す人の体質改善に使う処方があります。漢方とは本当に面白いですね。

  • 検査のしすぎに対しての警鐘

    沖縄から超有名な徳田安春先生が熊本に講演に来られたので参加しました。Choosing Wisely キャンペーンというタイトルのお話です。何のことかわからないと思いますが、とても大事なことで、あちこちの病院の有名な先生たちが観衆として参加されていました。

    たまたま検査したらガンが見つかったという場合、たいていは見つかってラッキーだった、ということで落ち着きますが、はたしてそうでしょうか。検査せずに、ガンを見つけず放置した方がいい場合もあるのです。手術をして抗がん剤の投与を受けて、結局肺炎を起こして亡くなったというようなのは日常茶飯です。何もしなかったら今頃元気だったろうに、と思います。そういう検査のしすぎ、治療のしすぎに対してアメリカから警鐘を鳴らしてきたのが今回のキャンペーンです。大事なことなので、そのまま以下に書いておきます。

    1 無症状の人々に対してPET-CT検査によるがん検診を推奨しない。2 無症状の人々に対して血清CEAなどの腫瘍マーカー検査によるがん検診を推奨しない。3 無症状の人々に対してMRI検査による脳ドック検査を推奨しない。4 自然に軽快するような非特異的な腹痛でのルーチンの腹部CT検査を推奨しない。5 臨床的に適応のないルーチンの尿道バルーンカテーテルの留置を推奨しない。

    この5項目です。専門用語でわかりにくいかもしれませんが、安心のためと思って不必要な検査を受けたばかりに不幸な最後を迎える、といったことのないよう患者さんも賢くならないといけません。