むらかみ内科クリニック

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  • 検査のしすぎに対しての警鐘

    沖縄から超有名な徳田安春先生が熊本に講演に来られたので参加しました。Choosing Wisely キャンペーンというタイトルのお話です。何のことかわからないと思いますが、とても大事なことで、あちこちの病院の有名な先生たちが観衆として参加されていました。

    たまたま検査したらガンが見つかったという場合、たいていは見つかってラッキーだった、ということで落ち着きますが、はたしてそうでしょうか。検査せずに、ガンを見つけず放置した方がいい場合もあるのです。手術をして抗がん剤の投与を受けて、結局肺炎を起こして亡くなったというようなのは日常茶飯です。何もしなかったら今頃元気だったろうに、と思います。そういう検査のしすぎ、治療のしすぎに対してアメリカから警鐘を鳴らしてきたのが今回のキャンペーンです。大事なことなので、そのまま以下に書いておきます。

    1 無症状の人々に対してPET-CT検査によるがん検診を推奨しない。2 無症状の人々に対して血清CEAなどの腫瘍マーカー検査によるがん検診を推奨しない。3 無症状の人々に対してMRI検査による脳ドック検査を推奨しない。4 自然に軽快するような非特異的な腹痛でのルーチンの腹部CT検査を推奨しない。5 臨床的に適応のないルーチンの尿道バルーンカテーテルの留置を推奨しない。

    この5項目です。専門用語でわかりにくいかもしれませんが、安心のためと思って不必要な検査を受けたばかりに不幸な最後を迎える、といったことのないよう患者さんも賢くならないといけません。