むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • きれいに自撮りするには

    日曜はクリニックのワックス清掃が入ったので、朝からずっと院内待機でした。最近、院内すべての端末のOSをアップグレードしたのですが、電子カルテのサーバーだけが古いOSを使っていたのでこの際と思ってアップグレードしました。さすがにサーバー機は性能の良いパソコンなので、電子カルテ端末でアップグレードしたときの半分ぐらいの時間ですみました。よし終わった、と思って、試しに電子カルテを開いてみたら、開きません。何度やってもエラーが出ます。困った。このままだと月曜は診療できないぞ、と焦りました。日曜でしたが、ダメ元で東京の電子カルテサポートに電話したら、運良く折り返し電話がかかってきて、事情を話したら、あちらから遠隔操作できちんと設定してくれました。システムエンジニアさんのする仕事は全くわからない世界です。遠隔操作されるパソコンの画面を見ていましたが、何をやっていたのかさっぱりわかりませんでした。とにかく、カルテは無事に動くようになり、ホッとしました。

    家に古いウインドウズのノートパソコンがあったのですが、ほとんど使っていませんでした。この前、思い出したように動かしてみたところ、案外良く動きました。せっかくなのでZOOMを入れてWEB講演会などにも参加できるようにしました。そして、今朝そのパソコンで講演会に参加したところ、一つメリットを発見しました。パソコンが古すぎて内蔵カメラがとても性能が悪いので、私の顔は影絵みたいにぼんやりとしか写らないのです。この講演会は原則顔出しなので、朝から寝ぼけた顔では恥ずかしいのですが、古くて性能の悪いパソコンだと全然恥ずかしくないということがわかりました!

    写真が趣味の私としては、このぼんやりとしかうつらない内臓カメラの問題は原因がすぐに分かりました。カメラの感度が低いと、ISOが自動設定の場合ISOを上げてなんとか被写体と捉えようとするのですが、ISO(感度)を上げるとノイズが増えるのです。もし、きれいに写りたいなら、ISOが上がらないようにとにかく自分の顔を明るく照らすことです。最近はYouTuber御用達の丸い照明があります。こういうものを使うときれいに写ります。YouTuberに限らず、WEB会議などで自分の写りを気にする方はぜひこの照明を利用されたらいいと思います。女優さんがレフ板を使うとシワが飛んできれいに見えるのも似たようなことです。 参考→https://moov.ooo/article/5f3a252cbfc53754ed5808c6

  • コロナとうつ病

    この土曜日クリニックは大変な混雑でした。今週平日は結構ガランとしていたので、土曜にこれほど集中するとは予想していませんでした。けっこう、ピッチを上げてサクサクと診療を進めましたが、後半はだいぶおまたせすることになり、すいませんでした。仕事の都合とか、遠方から来院される方もあり、土曜の混雑は避けられません。血圧は待合で測っていただくか、血圧手帳をお持ちいただくとスムーズに進みますので、ご協力をよろしくおねがいします。

    診療が終わってから、夕方は医師会で研修会でした。最近の研修はほとんどWEB講演なのですが、今回はリアルに集まっての会でした。3時間にも及ぶ長丁場で、前半は講演を聞き、後半はグループごとのディスカッションでした。テーマは「コロナ禍におけるかかりつけ医のためのうつ病診療」というタイムリーな話題です。近隣の先生たちが日々遭遇する困った症例を持ち寄り、アイディアを出し合います。

    皆さんから出た意見で多かったのは、病気で入院すると家族との面会が禁じられており、特に緩和ケアの場合最期に元気な姿を見せてあげたいけどそれがかなわない、という意見。また、デイケアなどが閉鎖になったり、参加を控えた結果認知症が進んでしまった症例。PCRをして陰性だったのにいつまでたっても自分はコロナではないかと疑って病院を転々とする症例、などなどいろんなケースが有り、みな体だけでなく精神的な問題を抱えています。かかりつけの先生たちは内科医がメインなので、精神的なサポートを勉強するいい機会だったと思います。

  • 視野が狭いと問題は解決できない

    勝間和代のYouTubeを見ていたら、面白いことを言っていました。「問題解決の糸口は自分の視野の外にあることが多い」例えば仕事で行き詰まったとき、あるいはゴルフなどのスポーツでなかなか上達しないとき、自分でどれだけ頑張っても、解決の方法がわからない。自分よりできる人に聞いてみると、なるほど、それは気づかなかった、というようなポイントを教えてくれる。つまり、自分の視野で見えている範囲で何度繰り返しトライしても解決できないのは、解決の糸口は自分の見えているところにはないからなのです。仕事上の先輩やベテランの人は経験を積んでいる分、視野が広いために自分が見えていないところまで見えるのです。したがって、自分が見ている視野が全てだと勘違いせず、もっと広い視野で見る訓練が必要なのです。

    Googleなどで検索すれば、知らないこともどんどんでてくるから大丈夫、と思っている方も多いと思います。しかし、ググる際の検索キーワードは自分の知っている範囲でしか検索できません。つまり、自分の視野が狭いとうまく検索できないのです。当院に来院される患者さんも、自分の症状をググってみて、とんでもない病名にたどり着いた挙げ句、いらぬ心配をして夜も眠れなくなる人がいます。(例を上げると、風邪で首のリンパが腫れているだけなのに、悪性リンパ腫を疑って、死ぬかもしれないと勘違いする、など)私たちは20年以上の医学の勉強と経験を積んでいるのでそんな過ちは滅多にしませんが、医学部の学生などは勉強すればするほど自分の体調不良が大病に感じてしまう医学生症候群みたいなものに陥ります。

    そう考えると、たちが悪いのは素人なのにちょっと聞きかじった知識でそれが全てだと思いこんで判断する人たちです。どの店にもそういう困ったお客さんは来ることと思います。それに対して、こちらはプロですからいちいち反論せずに、素人はこんなふうに考えるんだ、と逆に感心しながら暖かく見守り、正しい方向へ導いてあげないといけません。教訓「視野を広く持ちましょう」

  • 腎性貧血の新しい治療

    慢性腎臓病、腎不全になると貧血を合併します。それを腎性貧血といいます。腎臓は造血ホルモンであるエリスロポエチンという物質を分泌して赤血球の合成を促進しているのですが、腎機能が低下すると、造血ホルモンの分泌も減って貧血になるのです。このエリスロポエチンを発見したのは熊本大学の宮家先生といいます。私は熊大医学部を卒業して血液内科の研修医になったので、その当時エリスロポエチンが発見されて間もないころで、宮家先生の苦労話はよく聞かされていました。そして、研修医時代にはすでに大腸菌で遺伝子組み換え技術により作成したエリスロポエチンが医薬品として登場し、私たちもその臨床治験を行いました。

    そのように、当時からエリスロポエチンを使って貧血治療をしていたので、この薬には馴染みがあります。開業する前には桜十字病院で透析を担当していたので、腎不全で透析になった患者さんの多くにエリスロポエチンを使っていました。その流れで、現在開業してからも腎臓が悪くて貧血になっている場合、エリスロポエチンの注射を使った治療をしています。貧血は、鉄欠乏だったり、再生不良性貧血だったり、加齢による造血機能の低下だったり、骨髄異形成症候群と言って白血病に近い造血異常の疾患だったりしますから、本当に腎性貧血かどうかの見極めをしないとエリスロポエチンは使えません。

    今日は、診療のあとWEB講演会で腎性貧血の勉強をしました。なんとこの度新規で内服の増血剤が発売されたのです。データによると従来のエリスロポエチン注射と遜色ない効果が得られているそうです。注射しないでいいのは患者さんにとってはありがたいことです。何より、簡単に治療できることで貧血が改善すれば体も軽くなり元気が出ますから朗報です。

    苔むした山小屋

  • 夜間頻尿の新薬について

    漢方を専門にしていると、多科にわたる相談が来ます。冬に多いのは夜間頻尿です。一晩に3回以上トイレに起きるのは病的と捉えます。睡眠が分断されて日中だるくなるし、夜間ボーとしてトイレに行くことで転倒や骨折の危険もあります。今日は診療のあとに泌尿器科の先生を中心とする夜間頻尿の勉強会がありました。わたしも、ZOOMで参加しました。当院では漢方や従来の頻尿治療薬で治療しているのですが、難治のケースは多々あります。最近、勉強会のテーマであった抗利尿ホルモン「デスモプレシン」を利用した頻尿治療薬がでてきました。当院でも数例使っていますが、なかには劇的に頻尿が改善する例があります。一人は、夜間6回トイレに起きていたのがほぼ1回で良くなった、よく眠れて体調がいいと言われています。

    水分代謝を直接変化させる薬なので効果は間違いありませんが、心不全や低ナトリウムなどの注意が必要で、慣れないと使うのが難しい印象の薬です。しかし、とてもよく効くので、しっかり勉強して、注意しながら患者さんの生活の質を上げるためにうまく使っていきたいと思いました。

    ZOOMのおかげで、家にいながらにして毎日高度に専門的な勉強ができます。ありがたいことです。オンラインセミナーは一時期WebEXやTeamsなど乱立していましたが、最近はほぼZOOMに絞られてきました。私も毎日2回はZOOMでの会議やオンラインセミナーに参加しています。今日の泌尿器科のセミナーでも、参加者の先生たちがまだZOOMに慣れておらず、音声ミュートや画像のオンオフなどの操作がわからない人だらけで驚きました。せめてZOOMだけはきちんと使えるようになりましょう。ZOOMの使い方がわからないなんて、スマホを持っているけど検索できないのと同じくらい時代についていっていません。

    ホリエモンも言っていますが、スマホ1つあれば会社を起こしてほとんどの仕事をこなせる。それだけスマホの能力は高いのですが、大切なのは、常に新しくてスペックの高いスマホを使うこと、そしてそれを十分使いこなす努力をすることです。決まりきった検索とかLINEとかゲームだけしていてはもったいないです。今やスマホでは指紋認証で銀行振込みや株の売買などもできます。AIを使った多言語翻訳も可能です。カメラもへたな一眼レフよりきれいです。私たちの頭脳や手足の能力をカバーしてくれる魔法の神器です。

    南阿蘇 ホテル夢しずくの展望ロビーの窓からの景色 日帰り温泉600円です