むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • 水(湿)と体調不良の関係

    ついに雨が降りました。明日からもしばらくは雨になりそうなので、カラ梅雨でなくすみそうです。本来なら今日が梅雨入りでいいような天気でした。やはり、降るべき時には降ってもらわないと、水不足が心配です。

    一方、雨になると水に関係する体調不良がいろいろ出てきます。めまい、ふらつき、吐き気、片頭痛、むくみ、喘息などです。どれも、体の中の水バランスの悪さが問題なのですが、環境の湿気に大きく左右されます。日本は島国でもあり、雨が多いので湿に関係する病態が多く見られます。漢方の本場中国の内陸では逆に乾燥に伴う病態が多く見られるそうなので、国民性も住んでいる環境により随分変わってきます。日本のように湿が多いところでは、水分を摂りすぎるとよくないと思います。漢方的に、湿の多い体質かどうかを見分ける方法に、舌診があります。舌が腫れぼったくぼってりと大きめで、舌の辺縁に歯型の食い込み(歯痕)が見られるのが湿証の特徴です。

    このような状態を見たら、胃腸の状態を整えながら余分な水分をぬいてくれる白朮、茯苓、気の巡りを良くして乾燥させる陳皮、半夏、利尿作用のある猪苓、沢瀉などの生薬を配合する処方を考えます。患者さんごとにバランスの崩れた部分が異なるので、それぞれに必要な処方はこのような生薬の使い方を一例一例考えるのです。

  • 心不全の研究会

    夕方仕事が終わってから医師会の心臓検診班会議に出席し、そのまま心不全の研究会に参加しました。通常こういった心不全の研究会といえば、循環器内科のドクターが勢ぞろいするのですが、今日の会は心臓外科の先生も参加するジョイントのミーティングでした。

    講演の内容もさることながら、国立病院勤務時代の同僚の先生たちや、済生会の先生たちとお会いして懐かしく話しをする機会を得ることができて良かったです。こういった交流がいちばん病診連携として有用です。患者さんを頼んだり頼まれたりするのに、こういう会で直接会っておくと話がスムーズです。

    心不全とは、心臓のポンプとしての機能が低下して息切れしたり手足がむくんだりする病気です。心筋梗塞のように心臓の血管が詰まる病気から始まるものや、高血圧の治療をせずにほったらかしにしておくことで心機能が低下するものなどがあります。私がアメリカのテキサスに留学していた時に、病棟回診で聞かされていた心不全の原因の一つにシャーガス病という寄生虫の感染があります。メキシコのような亜熱帯に国境を接するテキサスでは必ず心不全の鑑別診断として上がっていたのですが、日本ではほとんど話題にもなりません。

    水前寺の「ろうきん」前にて

  • 脱水にご注意を

    たしか熊本は6月6日に梅雨入りしたと言っていました。例年そのあたりで梅雨入りするし、その日は午後から雨でした。しかし、雨が降り出す前にすでに梅雨入り宣言されていて、なんだか違和感を感じました。しかも、その週の週間天気予報はその日以降ずっと晴れだったのです。最近の天気予報は驚くほど正確です。スーパーコンピュータの計算の確かさと、計算に用いるパラメータ(気温や気圧、風向きなど)がいかに的確に処理されているかが伺えます。しかし、あの日に無理やり梅雨入りを宣言したのは何か気象庁の思惑があってのことでしょう。勝手に想像すると、カラ梅雨予想でいつ梅雨入りしたかわからないうちになんとなく夏本番となるのでしょうか?何れにしても、6月の晴れの日はカラッとした清々しい暑さで、日が暮れると涼しくなるので、気持ちいいです。欧米でジュンブライドと言って6月の結婚式を理想とするのもわかる気がします。通常日本の6月は梅雨空で雨が降っているか蒸し蒸しするので、6月に結婚式を挙げるのは勇気がいるかもしれませんが、今年の6月は最高ですね。

    そうは言っても、かなり暑いので熱中症などに注意が必要です。私も日曜日には2時間のウォーキングで約15キロを歩き、2万歩でした。むちゃくちゃ暑かったです。完全に脱水症です。こんな時に、ビールを飲んだりするとアルコールがさらに脱水を悪化させますから、やめたほうがいいです。塩分と水分が必要です。また、利尿剤を飲んでいる場合脱水になりやすいので要注意です。さらに、利尿剤の中には、日光過敏で蕁麻疹のような皮疹が出ることがあります。紫外線に注意しましょう。利尿剤を飲んでいると意識していなくても、血圧の薬で利尿剤配合錠というのがありますので、そちらも同様の注意が必要です。

    上江津湖のさらに上流です。

  • 私の健康法〜飲み物編

    私が自分で実践している健康法についてご紹介します。まずは、コーヒー。1日に2−3杯飲みます。リラックス効果の他に、肝臓や糖の代謝にもいいと言われています。次にココア。食物繊維やポリフェノール、ミネラルなどが豊富で便通も良くなり、アンチエイジング効果が期待されます。最近、知人の勧めでココアに生姜を入れて生姜ココアにしています。生姜は生のものを冷蔵庫に入れておくとすぐにカビが生えてしまうし、逆にチューブ入りは1年以上腐らないのできっと強力な防腐剤が入っていると思い、避けています。私は生姜パウダーを使います。簡単です。

    緑茶は1日で500mLから1L近く飲みます。ペットボトルではなく、自分で入れます。農薬の問題が話題となっていますので、できるだけ無農薬のものを買うようにしています。魔法瓶に入れて職場で昼ごはん時などに飲みます。ブレンド健康茶(どくだみ、枇杷、桑などのブレンド)は週に1−2回やかんで煎じて作ります。紅茶、三年番茶なども飲みますが、いずれも無農薬のものを買います。無農薬の茶葉や生姜パウダーは熊本市東区の佐土原にある「有機生活」という店か、錦ケ丘にあるマクロビの専門店「ビオ天粧」で買っています。もちろん通販でも入手できます。

    それ以外には「霊芝」です。抗癌作用、免疫賦活作用、肝保護作用など色々な効能が期待されます。ほとんど毎日飲んでいます。

    そんなこんなで、何が体に効いているかはわかりませんが、インフルエンザや感染性胃腸炎などあらゆる感染症患者さんと毎日接していても、ほとんどうつることなく元気にやっています。

  • 不眠と夜間頻尿について

    私のクリニックでは、眠れませんという患者さんがたくさんこられます。その中には、単純に眠れないだけの不眠もありますが、いろんな悩みが多くて眠れないうつ病の患者さんもいれば、地震の後から不安が次第に強くなって眠れなくなった人もいます。子育てや親の介護で眠れない人もいれば、冷え症で足を温めないと眠れない人もいます。

    つまり、眠れません、というだけでは治療方針は簡単に決まらず、眠れない背景を根掘り葉掘り聞き出してやっと処方が決まるわけです。そんな中で、比較的高齢の男性で眠れないと言われたら必ず確認するのが、夜にトイレに起きる回数です。3回以上トイレに起きるようなら睡眠もこま切れになり、熟睡できません。そういう場合は、前立腺肥大の可能性がありますから腹部エコー(超音波検査)で前立腺のサイズや膀胱の容量を見て診断します。また、前立腺の画像所見で癌の可能性を否定できない場合はPSAという血液検査を行います。

    最近、前立腺肥大の薬で過活動膀胱症状にも効くザルティアという薬があり、新しい治療ガイドラインでも推奨されています。私もたくさん処方していますが、副作用が少なく効果もいいので気に入ってます。