むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 不眠の治療

    去年の秋に顔のレーザーシミ取りをしました。レーザーをしたあとは一度シミの部分の皮がむけて下から新しい皮膚が再生してきたのですが、その新しい皮膚が赤みが強くて最初よりもかえって目立っていました。最初にシミ取りクリニックで「いったん赤みが増したあとだんだん色が薄くなります」と聞いていたので、辛抱強く待っていたら、最近やっとその部分の色が薄くなって、きれいになりました。シミの部分は殆ど目立たなくなりきれいな頬になり、満足です。シミ取りは自己満足の世界なので、欲を言えばきりがないのですが、これ以上は当分いらないかと思っています。最近は新コロのせいで仕方なくマスクをして仕事をしています。残念ながら、せっかくきれいになった私の頬は誰も見れないですね。

    話は変わって、最近は不眠症の新患さんが大勢来られます。眠れない人に睡眠薬を出して、ハイ終わり、というわけにはいきません。心療内科も標榜するプロとして、睡眠に関しても色んな方向から分析して薬を決めています。不眠は、入眠障害(寝付けない)と、中途覚醒(いったん寝てもすぐ目が冷めてその後眠れない)、早朝覚醒(あさ3時4時頃目が冷めてその後眠れない)などに分けられます。どのパタンかによって使う薬を変えます。

    また、背景に職場や家庭のストレス、入試、何かの締切に追われて寝てる場合じゃない、などの原因もあります。また、不安障害で、風が吹いて窓がゴトゴトとなっただけで眠れなくなるとか、うつで自分の価値がわからなくなってしまって眠れないとかいろんなパタンがあります。それぞれに最適な薬で眠れるようにします。最近は、デパス(エチゾラム)とかハルシオン(トリアゾラム)などをできるだけ使わないようにという風潮です。私の外来でも極力こういった薬剤は出さないように注意しています。

  • 私の腰痛の治し方

    今年の正月から参加している経営者モーニングセミナーというのがあり、毎週1回朝の6時から7時まで講演会に参加していました。ところが、コロナの影響でそういう講演会はことごとく中止となりました。そんな中、ついに全国各地でZOOMを使ったオンライン配信が始まりました。今日は、司会が福島の郡山、演者はロサンゼルス、聴衆は日本各地から120名という会でした。私はどうせ朝は5時から起きてコーヒーを飲みながら新聞を読んでいるので、その時間に自宅でトップレベルの講演を聞くことができるのならこんなにいいことはありません。今日の講演はたまたまFacebookで見かけて知ったので参加できたのですが、日本中でいろんな講演があっているはずなのに情報が全くない、と思って、知り合いに尋ねてみました。すると、そういった情報が集まったサイト(Facebookグループ)に招待してくれました。見たら、毎日たくさんの講演会がZOOM配信されています。見ているだけでワクワクしてきました。どんどん勉強して、医学だけでなく、経営者としての腕や人格も磨きたいと思います。コロナは皆さんいやな思いやこわい思いをされたことでしょうが、このように仕事のデジタル化、オンライン化が一気に進んだのは瓢箪から駒でした。

    話は変わって、最近クリニック前の街路樹の落ち葉が毎日たくさん落ちているので、朝から掃除するのですが、腰が痛くなってしまいました。私は、自分の腰痛はストレッチポールで治します。ストレッチポールは直径20センチ、長さ1mほどのウレタン製の丸太状のリハビリ器具です。丸太の上に寝転がるだけで痛みやしびれが取れます。大体3000円程度で買えます。おすすめですよ。

    漢方では、腰痛には麻杏よく甘湯をよく使います。ぎっくり腰にはそれに芍薬甘草湯を合わせて使います。高齢でだんだん腰が悪くなった場合牛車腎気丸がおすすめです。女性の場合、疎経活血湯を使う場合もあります。また、当院ではハリ治療を併用することもあります。ぎっくり腰にはよく効きますが、10年以上たった古傷にも針が結構おすすめです。なかなか治らないとあきらめずに漢方や針もあるということを思いだしてください。

  • 夏バテ・熱中症に注意

    雨になったので涼しい一日でしたが、最近はかなり暑い日が続いています。私の処方では、季節に応じて調整するのが当たり前です。例えば血圧。夏は下がる人が多いので、薬を軽くします。また、利尿剤を降圧剤として使用している場合、夏は脱水に注意が必要です。場合によっては夏は利尿剤を切ってほかの種類の降圧剤に変更します。漢方でも季節ごとの変更をします。例えば、元気を出すために補中益気湯を処方しますが、夏は清暑益気湯という夏バテ予防の処方に切り替えます。冬に冷え性対策をしていた場合、夏は温めすぎないように処方を考えます。ただ、なかには夏のほうがエアコンが効きすぎて会社で冷えて体調不良という人もいますので、内容を聞きながら夏の処方を決めていきます。

    それにしても、急に暑くなって来たので体がついていけずに頭痛がしたりめまいがしたりだるくなったりと、夏バテみたいな症状が出ている人がいます。あまりに暑いので、エアコンを入れて快適に過ごすのが一番ですが、本来は、夏本番に向けて今は暑さに体を慣らす時です。皮膚は汗をだして体温を調整するのですが、汗をかく練習がないと夏本番で汗が出ずに熱中症になりやすいといわれます。そこで、一日中エアコンのきいた室内で快適に過ごすのではなく、少しは外に出て汗をかきましょう。サウナで汗をかく練習をしているひとは大丈夫と思います。

    当院では、漢方をたくさん使いますが、夏バテ対策は水分補給と漢方です。野外で仕事をする農家の方、交通整理、道路工事、建築業、部活などいろんな人が外で活躍しています。漢方を飲んでおくとかなり元気に過ごせますので、体調を壊す前にご相談ください。今日のニュースでは、野外でソーシャルディスタンスが保てる場合、マスクは外しましょうとのことです。やはりマスクをすると暑いので熱がこもって危険です。特に小さいお子さんはマスクをしないようにとのことです。

  • 今週からストレス増大ウィークです(特に学童)

    通常、長い夏休みが終わって2学期が始まろうとする時期に中高生の自殺が増えます。一年で最も危険な時期です。今年は、夏休みではないですが、コロナの影響もあり非常に長い春休み(?)でしたが、いよいよ日本全国非常事態宣言も解除されて来週から学校が始まるところが多いと思います。だらだらと家で過ごしていた子供たちが、朝きちんと起きて学校に行くのはストレスです。また、楽しいはずの学校も、行ってみれば、ソーシャルディスタンスで友達や先生に近づくなとか、無言で給食を食べろとか、楽しくないこと満載だと思います。オンラインで出された課題がまだ仕上がっていない場合もあるでしょうし、今から新入学で新しい生活が始まろうとしている子もいると思います。

    親も在宅ワークなど慣れない仕事でストレスが溜まっていますが、子供も同じですから、今週から来週にかけてはしっかり子供のことを見てあげてほしいと思います。学校に行きたくないとか、宿題が終わらないとか、言葉には出さなくても頭やお腹が痛くなったりめまいがしたり、いろんなサインを発すると思います。そこで、「今まで怠けた分をしっかり取り戻しなさい」「だらだらしないで」などと子供に気合を入れるのは危険です。久しぶりの学校だから、行きたくないのはわかるよ、と共感してあげてください。

    新聞によると、大人も同じようです。在宅ワークになれたら、もう二度と満員電車で通勤したくない、人が大勢いるオフィスに座って仕事したくない、換気の悪い会議室での会議に参加したくない、在宅でできるのに何で出社しないといけないんだ、と駄々をこねる子供のようにイヤイヤモードです。心療内科の相談は日に日に増えています。あまり悪くなると治るのにも時間がかかります。また、混んでくると予約が取りづらくなりますので、数日お待たせする場合もあります。時間に余裕をもってご相談ください。

  • お腹が張る疾患(SIBO)について

    日曜朝はゲンキの時間という健康番組を見ます。最近はテレビのゲストが在宅参加で音声が悪いし見にくいので見るのをやめていたのですが、今日は珍しく見ました。テーマはお腹の不調。少ししか食べないのにお腹が張ってゲップやガスが多い。こういった病態を最近はSIBOと呼びます。SIは小腸という意味。BOというのは腸内細菌の過剰増殖という意味です。通常、お腹には常在菌といって乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が大事と言う話題は有名ですが、これは大腸の話です。こういった腸内細菌が小腸内で過剰に増殖すると、食べ物が小腸に入ってくると、発酵してガスを産生するのです。

    そこで、SIBOの患者さんは、小腸内の細菌を減らさないといけません。漢方も有効ですが、ヨーグルトや納豆など発酵食品を避けたほうがいいみたいです。通常体にいい食材ですが、SIBOでは逆に悪い食材となります。注意しましょう。また、細菌の餌となるような小麦製品(パンやパスタ)乳製品を避けてみましょう。

    TVでは、さらに、食前に歯を磨いて口の中の細菌数を減らすことで、食事で飲み込む細菌数が減ることが大事だと言っていました。また、お腹を冷やさないように。薄着に注意することと同時に冷たいものの飲食を避けましょう。最近、当院でもSIBOの治療(いわゆる腸活)に取り組んでいますが、よくなる人、なかなか良くならない人が半々くらいです。漢方や抗生剤、整腸剤などの治療法を私なりに検討していますが、日常の食に対する取り組みがどこまでできるかは患者さん自身にかかっています。SIBOで困っている方は、まずネットや本を読んで勉強してください。