むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 発見!指は自律神経の切り替えスイッチになる

    涼しくて快適な週末でした。いかがお過ごしですか?私は久しぶりに久木野まで行ってきました。四季の森温泉でゆっくりサウナに入ったり、散歩をしました。中岳からの噴煙は全く上がっておらず、しずかな風景でした。サウナの中で一人静かにリラックスする方法について考えました。そして、一つ発見したことがあります。人さし指と親指で丸を作るとオッケーのサインになります。この状態は交感神経にスイッチが入るようです。集中したいときには最適です。指を一つずらして中指と親指で輪を作ると交感神経と副交感神経の中間でニュートラルのポジションです。もう一つずらして薬指と親指で輪を作ると副交感神経にスイッチが入るようです。

    サウナの中で瞑想していたら突然こういった指のポジションでスイッチが切り替わることがわかりました。これは、肘から手首にかけてのひねりが鍵となります。肘から先が外向きにねじれていると交感神経です。パソコンを打つときも肘から先は外に向けてねじれているので交感神経緊張状態です。意識的に肘から先を内側に捻ってみましょう。椅子に座って手をテーブルに置いたら、掌(てのひら)が上を向いた状態になると思います。このとき、親指と薬指で輪を作ると仏像みたいな手になります。数秒で心がスーとおちついてくるのがわかると思います。

    実は、この指の輪っかのことは昔私に整体のことを教えてくださった坂本先生にちらっと教わったのですが、先生の整体教室に数回しか通わないうちに坂本先生が亡くなってしまい、詳しく聞けなかったのです。しかし、今日ふと思い出して指を輪にしてみて、こんな簡単なことでリラックスのスイッチが入るんだと気付いて、自分でも驚きました。ぜひお試しください。

  • 分子栄養学実践講座

    分子栄養学実践講座という講習を去年から受けていたのですが、膨大な講義(動画)ライブラリーがあり、しばらくは根気づよく見ていたのですが、このところ韓流ドラマ「愛の不時着」などにハマってしまって、勉強どころではなくなっていました。ところが、最近メールが来て、この分子栄養学講座は視聴期限があと1ヶ月半だということがわかりました。これはいけない、と反省して、まだ見ていない講義をあわてて勉強再開しています。

    この勉強会は精神科の藤川理論やその基礎となった三石先生の理論を発展させた物です。非常に論理的で実践的なのでとても役に立ちます。私たち医師は基礎医学で生化学を学んでいるので、聞いた内容はスッと理解できるのですが、基礎医学を学んでいない人が見てもチンプンカンプンだと思います。非常に複雑な代謝を理解していないと全く歯が立ちません。

    それでも、患者さんの中には藤川先生の本などを一生懸命に読んで自力でサプリなどを買って実践している人が結構おられます。きちんと理解していれば問題なく自分の健康管理ができます。しかし、理論的背景がよくわからず表面的理解で実践するのはあまりお勧めできません。また、採血データなしに思い込みで突き進むのもお勧めできません。こういった分子栄養学的治療をやってみたい場合、是非我流に陥らずそのやり方で合っているかをご相談いただけたらと思います。

  • 新コロの新情報

    Yahooニュース(現代ビジネス6/18配信)を見ていたらとてもいい情報がありましたのでご紹介したいと思います。武漢での最近のPCRを使った研究です。無症状の新コロ陽性患者さんの自宅に行って、その人たちの生活環境からどのくらいウイルスが検出されるかというもの。検査したのはマスク、コップ、携帯、家具、ドアノブ、トイレ、歯ブラシなど合計3343検体。結果は驚いたことにどこからもウイルスが検出されなかったということ。つまり、発熱も咳も何もない陽性患者さんの生活環境には物を介してほとんど人に移すような心配はないということです。

    もう一つ、同じ武漢での研究で、公共施設の生活環境をランダムに調査した検討。バス、タクシー、電車、モール、レストランなど皆が立ち寄る場所からサンプルを2314検体採取してPCR検査した結果、どこからもウイルスは検出されなかったそうです。うれしいニュースですね。身の回りの生活環境はそれほど神経質にならなくていいということです。武漢でこのデータですから、几帳面に掃除や消毒する日本の生活環境はさらにクリーンだと思われます。それにしても中国はすごいです。日本は必要な人の検査も渋っているのに、中国では人の検査は一通り終えて、生活環境の調査に及んでいます。

    >ネタ元:https://gendai.ismedia.jp/articles/-/73360

    もう一つ、車の中で聞いた情報なので、うろ覚えですが、新コロ陽性患者さんのリスク解析で、最も相関関係が高かったのは人口密度だったそうです。やはり、人混みを避けるのが一番みたいです。このように、きちんと情報を得て、自分でどう行動すべきかを考えれば、何も怖いことはありません。神経質になり過ぎて体調を壊しては元も子もありません。

  • 慢性腎臓病(CKD)の管理

    慢性腎臓病(CKD)は検診で指摘されることが多く、将来透析になるかもしれないので注意しなさいと、非常に脅かされる疾患の一つです。あまりに軽症の人が病院で脅されて、栄養指導などを受けた挙句に何を食べたらいいか分からない、あんな薄味では美味しくない、タンパク質をあまりとらずに炭水化物と油ものだけでは辛い、ということで相談に来られます。私が思うに、それほど厳しい制限をしないといけない人はごくわずかで、脅かされている人達のわずか1割程度ではないかと思います。塩分に気をつけるのは必要ですが、蛋白はきちんととらないと足腰の筋肉が弱ってしまいます。日本人は元々蛋白摂取が少ないのであまり気にしないでいいと思われます。残念ながらCKDが進んでしまっても諦めないでください。ある種の漢方はCKDにとてもよく効きます。

    CKD管理で大事なのは、血圧管理、コレステロールの管理、血糖の管理の3つです。こういう疾患(高血圧や糖尿病)は薬での管理が難しくありませんから、是非きちんと治療するべきです。その結果、腎機能の悪化を防ぐことができます。特に糖尿病は糖尿病性腎症といって、長い病歴と共に腎機能が悪くなる例が多いので注意が必要です。最近出たSGLT2阻害剤という糖尿治療薬は腎機能を改善することがわかっているので是非使った方がいいのですが、古いくすりにはそのような効果は期待できません。

    たまに、この薬は高いのでジェネリックに変えてください、と言われますが、残念ながらSGLT2はまだ新しいのでジェネリックがありません。ただ、糖尿は血糖を下げればいいという問題ではなく、どの薬で下げるかによって心不全や腎不全の予防効果に大きな差があるので、安いジェネリックで血糖だけ下げただけでは意味がないということをしっておくべきです。

  • 骨を丈夫にするには

    梅雨の中休みで久しぶりに晴れたら、患者さんが集中して来院されました。待ち時間がいつもより長くなってすみませんでした。新患の場合、どんなことに困っているのかを詳細に聞いて理解しないと、表面上の頭が痛いとかめまいがするといった症状だけを直そうとしてもうまくいきません。その背景にある生活習慣やストレスの問題など、根本的な原因をさぐります。本人が気付いていない場合もありますから、話してくれないところまでこちらから尋ねます。そこで時間がかかってしまいます。

    ところで、当院は内科ですが、骨粗鬆症の検査や治療も行っています。当院の骨粗鬆症の検査は手のレントゲンを撮って指の骨量を計測するものです。治療も、週1回の薬や毎日飲むタイプのビタミンD製剤、半年に1回でいい注射製剤など取り揃えています。一番多いのは、ボナロン(アレンドロン酸)という週1回タイプです。この薬は骨量を増やすのですが、一つ注意が必要です。顎骨壊死という副作用が報告されているため、歯を抜いたりする処置の際には薬を止めておく必要があります。歯医者さんが治療の前にお薬手帳で確認してくれると思いますが、気づかずに処置されるような可能性もありますから、患者さん本人が知っておいた方がいいと思います。

    骨はカルシウムでできているから骨粗鬆症の薬で骨密度を上げて、カルシウムたっぷりの牛乳を毎日飲めばいいと思っているかもしれませんが、それは間違いです。例えば、宇宙飛行士は無重力空間に数日いると急激に骨が弱ってスカスカになります。重力がないと体重を骨で支えなくていいからです。そのことから考えると、きちんと骨に体重をかけて動くことが骨を強くする鍵となるわけです。その場でジャンプしたりするのが非常に有効です。寝たきりとか、一日部屋でTVを見て過ごす、みたいな生活だと薬を飲んでも骨は強くなりませんよ。

    シャワー通りの地中海料理 Cocina Uchida(コシーナ ウチダ)。猪肉の煮込みアーモンドソース