むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 私の腰痛の治し方

    今年の正月から参加している経営者モーニングセミナーというのがあり、毎週1回朝の6時から7時まで講演会に参加していました。ところが、コロナの影響でそういう講演会はことごとく中止となりました。そんな中、ついに全国各地でZOOMを使ったオンライン配信が始まりました。今日は、司会が福島の郡山、演者はロサンゼルス、聴衆は日本各地から120名という会でした。私はどうせ朝は5時から起きてコーヒーを飲みながら新聞を読んでいるので、その時間に自宅でトップレベルの講演を聞くことができるのならこんなにいいことはありません。今日の講演はたまたまFacebookで見かけて知ったので参加できたのですが、日本中でいろんな講演があっているはずなのに情報が全くない、と思って、知り合いに尋ねてみました。すると、そういった情報が集まったサイト(Facebookグループ)に招待してくれました。見たら、毎日たくさんの講演会がZOOM配信されています。見ているだけでワクワクしてきました。どんどん勉強して、医学だけでなく、経営者としての腕や人格も磨きたいと思います。コロナは皆さんいやな思いやこわい思いをされたことでしょうが、このように仕事のデジタル化、オンライン化が一気に進んだのは瓢箪から駒でした。

    話は変わって、最近クリニック前の街路樹の落ち葉が毎日たくさん落ちているので、朝から掃除するのですが、腰が痛くなってしまいました。私は、自分の腰痛はストレッチポールで治します。ストレッチポールは直径20センチ、長さ1mほどのウレタン製の丸太状のリハビリ器具です。丸太の上に寝転がるだけで痛みやしびれが取れます。大体3000円程度で買えます。おすすめですよ。

    漢方では、腰痛には麻杏よく甘湯をよく使います。ぎっくり腰にはそれに芍薬甘草湯を合わせて使います。高齢でだんだん腰が悪くなった場合牛車腎気丸がおすすめです。女性の場合、疎経活血湯を使う場合もあります。また、当院ではハリ治療を併用することもあります。ぎっくり腰にはよく効きますが、10年以上たった古傷にも針が結構おすすめです。なかなか治らないとあきらめずに漢方や針もあるということを思いだしてください。

  • 夏バテ・熱中症に注意

    雨になったので涼しい一日でしたが、最近はかなり暑い日が続いています。私の処方では、季節に応じて調整するのが当たり前です。例えば血圧。夏は下がる人が多いので、薬を軽くします。また、利尿剤を降圧剤として使用している場合、夏は脱水に注意が必要です。場合によっては夏は利尿剤を切ってほかの種類の降圧剤に変更します。漢方でも季節ごとの変更をします。例えば、元気を出すために補中益気湯を処方しますが、夏は清暑益気湯という夏バテ予防の処方に切り替えます。冬に冷え性対策をしていた場合、夏は温めすぎないように処方を考えます。ただ、なかには夏のほうがエアコンが効きすぎて会社で冷えて体調不良という人もいますので、内容を聞きながら夏の処方を決めていきます。

    それにしても、急に暑くなって来たので体がついていけずに頭痛がしたりめまいがしたりだるくなったりと、夏バテみたいな症状が出ている人がいます。あまりに暑いので、エアコンを入れて快適に過ごすのが一番ですが、本来は、夏本番に向けて今は暑さに体を慣らす時です。皮膚は汗をだして体温を調整するのですが、汗をかく練習がないと夏本番で汗が出ずに熱中症になりやすいといわれます。そこで、一日中エアコンのきいた室内で快適に過ごすのではなく、少しは外に出て汗をかきましょう。サウナで汗をかく練習をしているひとは大丈夫と思います。

    当院では、漢方をたくさん使いますが、夏バテ対策は水分補給と漢方です。野外で仕事をする農家の方、交通整理、道路工事、建築業、部活などいろんな人が外で活躍しています。漢方を飲んでおくとかなり元気に過ごせますので、体調を壊す前にご相談ください。今日のニュースでは、野外でソーシャルディスタンスが保てる場合、マスクは外しましょうとのことです。やはりマスクをすると暑いので熱がこもって危険です。特に小さいお子さんはマスクをしないようにとのことです。

  • 今週からストレス増大ウィークです(特に学童)

    通常、長い夏休みが終わって2学期が始まろうとする時期に中高生の自殺が増えます。一年で最も危険な時期です。今年は、夏休みではないですが、コロナの影響もあり非常に長い春休み(?)でしたが、いよいよ日本全国非常事態宣言も解除されて来週から学校が始まるところが多いと思います。だらだらと家で過ごしていた子供たちが、朝きちんと起きて学校に行くのはストレスです。また、楽しいはずの学校も、行ってみれば、ソーシャルディスタンスで友達や先生に近づくなとか、無言で給食を食べろとか、楽しくないこと満載だと思います。オンラインで出された課題がまだ仕上がっていない場合もあるでしょうし、今から新入学で新しい生活が始まろうとしている子もいると思います。

    親も在宅ワークなど慣れない仕事でストレスが溜まっていますが、子供も同じですから、今週から来週にかけてはしっかり子供のことを見てあげてほしいと思います。学校に行きたくないとか、宿題が終わらないとか、言葉には出さなくても頭やお腹が痛くなったりめまいがしたり、いろんなサインを発すると思います。そこで、「今まで怠けた分をしっかり取り戻しなさい」「だらだらしないで」などと子供に気合を入れるのは危険です。久しぶりの学校だから、行きたくないのはわかるよ、と共感してあげてください。

    新聞によると、大人も同じようです。在宅ワークになれたら、もう二度と満員電車で通勤したくない、人が大勢いるオフィスに座って仕事したくない、換気の悪い会議室での会議に参加したくない、在宅でできるのに何で出社しないといけないんだ、と駄々をこねる子供のようにイヤイヤモードです。心療内科の相談は日に日に増えています。あまり悪くなると治るのにも時間がかかります。また、混んでくると予約が取りづらくなりますので、数日お待たせする場合もあります。時間に余裕をもってご相談ください。

  • お腹が張る疾患(SIBO)について

    日曜朝はゲンキの時間という健康番組を見ます。最近はテレビのゲストが在宅参加で音声が悪いし見にくいので見るのをやめていたのですが、今日は珍しく見ました。テーマはお腹の不調。少ししか食べないのにお腹が張ってゲップやガスが多い。こういった病態を最近はSIBOと呼びます。SIは小腸という意味。BOというのは腸内細菌の過剰増殖という意味です。通常、お腹には常在菌といって乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が大事と言う話題は有名ですが、これは大腸の話です。こういった腸内細菌が小腸内で過剰に増殖すると、食べ物が小腸に入ってくると、発酵してガスを産生するのです。

    そこで、SIBOの患者さんは、小腸内の細菌を減らさないといけません。漢方も有効ですが、ヨーグルトや納豆など発酵食品を避けたほうがいいみたいです。通常体にいい食材ですが、SIBOでは逆に悪い食材となります。注意しましょう。また、細菌の餌となるような小麦製品(パンやパスタ)乳製品を避けてみましょう。

    TVでは、さらに、食前に歯を磨いて口の中の細菌数を減らすことで、食事で飲み込む細菌数が減ることが大事だと言っていました。また、お腹を冷やさないように。薄着に注意することと同時に冷たいものの飲食を避けましょう。最近、当院でもSIBOの治療(いわゆる腸活)に取り組んでいますが、よくなる人、なかなか良くならない人が半々くらいです。漢方や抗生剤、整腸剤などの治療法を私なりに検討していますが、日常の食に対する取り組みがどこまでできるかは患者さん自身にかかっています。SIBOで困っている方は、まずネットや本を読んで勉強してください。

  • 漢方豆知識

    当院に漢方薬をもとめて来院される方が多いですが、処方のほとんどはエキス剤です。エキス剤というのは工場で煎じた漢方薬をフリーズドライにして粉薬みたいになっているものです。要は、インスタントコーヒーと同じで、お湯に戻せば元通り漢方薬になるわけです。そこで、漢方にうるさい専門医の先生はインスタントコーヒーを粉のまま飲まないのとおなじで漢方エキスも一旦お湯に溶いて飲みなさいと指導されます。しかし、私はあまりそのへんはうるさく言いません。味が苦手な人もいるからです。エキス剤を水で飲むのと一旦お湯に溶かして飲むのとで効能に差があるかと言われれば、私は9割方同じだと思っています。少し劣るかもしれないと思うのは、香りを鼻からかぐことでアロマセラピー効果があるので、粉のまま飲めばその分差引かれるわけです。

    漢方メーカーは皆さん知らないと思いますが、たくさんあります。ツムラは最大手なので、ご存知と思いますが、エキス製剤を一番最初に開発したのは小太郎です。また、クラシエ(昔のカネボウ薬品)も有名です。また、品質の良いオースギ、三和生薬などもあり、当院ではそれぞれの得意な分野を採用して使っています。

    更に、メーカーによって錠剤、カプセルなどの製剤もあるため、子供さんや漢方の粉が苦手で飲めないという場合、粉以外の製剤を使います。漢方カプセルは中身が軽いため水に浮きます。通常の薬を飲むように水をくわえて上を向くとカプセルは口の中で上の方へ浮いてくるため飲みにくいです。水をくわえたらあごを引いてやや下向きにするとカプセルは喉の奥へ行くのですっと飲めます。口内炎に処方する黄連解毒湯はカプセルを採用していますが、カプセルから中身を出して口内炎に振りかけると痛みが軽くなります。喉の炎症を取る桔梗湯は一度うがいに使って、そのまま飲み込みます。うがいで直接喉に効いて、飲み込んだら吸収されて更に効くというわけです。当院前の凌雲堂薬局の先生たちは漢方に詳しいので、いろんな使い方について説明してくれると思います。