むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 慢性腎臓病(CKD)の管理

    慢性腎臓病(CKD)は検診で指摘されることが多く、将来透析になるかもしれないので注意しなさいと、非常に脅かされる疾患の一つです。あまりに軽症の人が病院で脅されて、栄養指導などを受けた挙句に何を食べたらいいか分からない、あんな薄味では美味しくない、タンパク質をあまりとらずに炭水化物と油ものだけでは辛い、ということで相談に来られます。私が思うに、それほど厳しい制限をしないといけない人はごくわずかで、脅かされている人達のわずか1割程度ではないかと思います。塩分に気をつけるのは必要ですが、蛋白はきちんととらないと足腰の筋肉が弱ってしまいます。日本人は元々蛋白摂取が少ないのであまり気にしないでいいと思われます。残念ながらCKDが進んでしまっても諦めないでください。ある種の漢方はCKDにとてもよく効きます。

    CKD管理で大事なのは、血圧管理、コレステロールの管理、血糖の管理の3つです。こういう疾患(高血圧や糖尿病)は薬での管理が難しくありませんから、是非きちんと治療するべきです。その結果、腎機能の悪化を防ぐことができます。特に糖尿病は糖尿病性腎症といって、長い病歴と共に腎機能が悪くなる例が多いので注意が必要です。最近出たSGLT2阻害剤という糖尿治療薬は腎機能を改善することがわかっているので是非使った方がいいのですが、古いくすりにはそのような効果は期待できません。

    たまに、この薬は高いのでジェネリックに変えてください、と言われますが、残念ながらSGLT2はまだ新しいのでジェネリックがありません。ただ、糖尿は血糖を下げればいいという問題ではなく、どの薬で下げるかによって心不全や腎不全の予防効果に大きな差があるので、安いジェネリックで血糖だけ下げただけでは意味がないということをしっておくべきです。