むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 自律神経の話

    動悸、発汗、のぼせなどがみられると、更年期かと思いますが、歳も60すぎて更年期は10年前に終わったとか、まだ30代の場合などは自律神経失調症です。自律神経失調は治療がなかなか難しい病気とされています。産婦人科医にいけば、ホルモン補充療法をするかどうかと言う話になります。60過ぎていたり、まだ30−40代で女性ホルモンに問題ない(けど症状だけある)場合、経過観察となってしまいます。また、漢方を使う婦人科の先生だと、加味逍遥散や桂枝茯苓丸が処方されます。

    しかし、私の見立てでは、桂枝茯苓丸より当帰芍薬散の方があっている人の方が多いと思います。ここは、厳密な漢方の弁証(見立て)が必要なので、漢方をもらっているけどあまり効いていないと言う場合、弁証が違っている可能性があります。西洋薬では古くはグランダキシンという安定剤を処方されることが多いのですが、私はほとんどこの薬を使いません。他にもっとよく効く薬があるからです。たまに、デパス(エチゾラム)やソラナックス(アルプラゾラム)が他院で出ていることがありますが、当院に来たらこれらの安定剤は極力他の薬に置き換えています。

    自律神経は自分の意志で調整できない神経です。交感神経と副交感神経があります。ストレス社会ですから交感神経の過緊張が問題となることがおおいです。そこで、副交感神経を優位にする方法ですが、ゆっくり食事をする、静かな音楽を聴く、お風呂に入る、運動をするなどです。運動やサウナなどはその最中は交感神経ですが、終わったら副交感神経に大きく振れます。また、日常の睡眠、起床、食事などのリズムを一定に保つことが大切です。

    城南のインド・ネパール料理「エベレスト」。往診の通り道にあり気になっていたので行ってみました

  • やっぱり怖がらないでいい!

    東京では新コロの新規感染者数が結構伸びていますが、4月ごろのような深刻さはないようです。日本は世界のはやりに安易に乗ってロックダウンの真似事をしたら経済がえらいことになったので、政府は現状を見つつ二の足を踏んでいるのかもしれません。政府の新コロ関連の記者会見は西村経済再生担当大臣がやっていますね。どうして厚労省でなく経済再生担当大臣なんでしょう?なにか裏があるに違いないですが、庶民には関係ないので傍観しておきます。話はそれましたが、今、感染者数が増えているのはおもにホストクラブやキャバクラなど夜の商売の従業員さんたちです。

    みんな若いので重症化しないため、緊迫した感じになっていないのかもしれません。しかし、水商売の人達は喫煙率が高いので、リスクはあります。では、感染しても重症化しないで済んでいるのはなぜでしょう?私が思うに、夏は日光に当たることで体内でビタミンDができるのが幸いしていると思います。ヨーロッパの幾つもの研究で、ビタミンD血中濃度が高かった人は重症かしなかったというデータが発表されています。そこで、夏の間は皆さんもし感染したとしても重症化する確率が低いのではないかと思います。そう考えると、水商売の人は昼あまり外出しないのでビタミンDが少ない可能性があります。夜勤が多い人は夏でもサプリを飲んだ方がいいでしょう。

    世の中は、ワクチンや新規治療薬の話題で盛り上がっています。おそらく世界で何百億もの新規ビジネスとなることでしょう。賢い人は、科学的裏付けなしに飛びつかないことです。カモになりますよ。ビタミンDのように安くてデータも確かなものがわかってきているのにビタミンDは医薬品でないのと、激安なのでビジネスとして儲からない。したがってどの製薬メーカーも本気で取り組まないという背景があります。

     

    高森 ラクダ山

  • 自分の機嫌は自分で取る

    斎藤一人さんと鴨頭嘉人さんのYouTubeを見ていると、いい生活習慣のすすめがあります。まず、歩きながら「ついてる、ついてる、ありがとう」とこころで呟く。私の場合、犬の散歩で2000歩は歩きます。その際に「ついている、ついてる」と唱えながら歩くと2000回のついてるが心にインプットされます。当然、何が起こっても「ついてる」気がしてきます。もう一つは、歯磨きをしながら「笑顔の練習」です。歯を磨く時は鏡が目の前にあることが多いので、ボーと歯を磨くのはもったいない。笑顔の練習にもってこいです。https://youtu.be/km6zuforLOg

    笑顔でいると、深刻な悩みが考えられなくなります。職場や家庭でいろんな悩みがあってつらい人は、まず、作り笑顔でいいので笑顔になることです。そうすることで、悩みが軽くなります。診察中でも、いろんなストレスや悩みで体調を壊して来院される方が大勢いますが、たまに、診察室で涙を流しながら話をしたかと思ったら、「こんなことで悩んでもしかたないとわかってるんですけどね」と言いながら涙を拭いてニコッとされる方がいます。この、最後の微笑みは、楽しいから笑うのではありません。

    悩んで体調を壊している自分を客観視して、笑っているのですが、実は、ここでにっこりできることで、悩みが軽くなります。作り笑いは、自分へのプレゼントになるのです。こういう作り笑いは女性の方が得意ですが、サラリーマンのお父さんも練習しましょう。社長の機嫌を取る前に、自分の機嫌をとると仕事もバッチリうまく行きますよ。

  • 白内障の原因と予防

    うちの犬は9歳半くらいなのですが、眼をよく見ると白内障が始まっています。もう歳なんだなーと思います。しかし、白内障は単なる加齢現象ではありません。水晶体という目のレンズの部分が紫外線などの影響で濁ってくる病気です。放射線を目に浴びたり、眼をケガした場合も白内障になりますが、多くは酸化だと思います。そこで、うちのゴンのことを考えると、散歩は私が仕事から帰って夜にしか外に出ませんから、ほとんど紫外線を浴びることはありません。昼間も室内犬なので直射日光は当たりません。では、どうして9年ぐらいで白内障が出てくるのでしょうか?

    犬は人より歳を取るスピードが早く、1年が人の6年分くらいとか言いますから、9歳の犬なら54歳です。私より年寄りです。でも、不思議です。眼のタンパク質の歳は6倍することなく、紛れもなく9歳なのです。ということは人なら小学生です。ふつう白内障などあり得ません。では、何が眼の老化を促進しているのか?考えたら、やはり食事だと思います。

    ドッグフードは高脂質食です。犬は肉食動物なので高蛋白食であって欲しいのですが、ドッグフードは小麦やトウモロコシに鳥などの食肉にならなかった部分(とさかなど)と大量の油を混ぜて作ってあります。体にいいわけありません。油は酸化するので食べさせるときにはかなり劣化していると思われます。結局こういう食事ばかりとっていたらあっという間に老化するということです。抗酸化物質としては、ビタミンC(野菜、果物), ビタミンE(アーモンド、アボカド), 尿酸、コエンザイムQ 10、βカロチン(にんじん、カボチャ)、カテキン(緑茶)、アスタキサンチン(サーモンや蟹)などがあります。こういう物質(サプリだけでなく新鮮な食材)をしっかり取らないと老化するということだと思います。

  • めまい、頭痛の季節

    昨日は部分日食だったとのことですが、私はほとんどTVを見ないので日食のことを知りませんでした。せっかく晴れていたので、知っていたら天体観測したと思うのですが、残念でした。また、昨日は夏至でした。あたりは夜の8時でもかなり明るい。不思議な感じです。昔ノルウェーのTrompsoという北極圏の街に学会で行ったときは白夜でした。全く日が沈まないので、夕食後にまだ観光できます。観光客が夜通し騒いでいる声が聞こえていました。白夜とはいえ、ずっと日が高いわけではありません。夜12時ごろになると北の空に夕陽のように赤く染まった太陽があるのですが、それ以上は沈まずに夕日なのか朝日なのかわからないようにして次の日に突入するのです。

    ところで、最近はめまいの患者さんが増えています。めまいと同時に頭重感や耳鳴りを伴うことも多いようです。気圧や湿度の問題なので、気象病と言えると思います。外的な要因を受けやすい体質があるのです。こういう体質は当事者からすると困った物ですが、野生の動物にとっては欠かすことのできない優れた才能です。天気予報を見ないでも明日の雨が分かるのですから、自分の身を守ることができます。

    このような梅雨時の体調不良には、五苓散がよく効きます。実際には患者さんの証を見ていくつかの処方を使い分けるのですが、基本処方の五苓散があればなんとかなります。難治性のめまいや頭痛にはハリもいいと思います。針をすることでめまい体質が改善します。

    田植えが終わったばかり。夏至で夕方遅くまで明るい空