むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 春はストレスの季節

    クリニックの前には公園がありますが、桜が満開です。今週いっぱいは天気に恵まれそうですので、しばらくは花見を楽しめます。せっかく来院された際には、時間をとって公園を散歩してみてください。気分も明るくウキウキしてきますよ。週末の雨が上がってえらく冷え込んでいますが、花見の時期というのはだいたいこのように寒くなります。あまり慌てて衣替えをしてしまうと寒い目に会います。朝晩冷えますので風邪に注意しましょう。それにしても、先日が春分の日だったので、昼と夜の時間が半々となり、これからどんどの日が長くなります。今日も、帰宅したときまだ明るかったのでびっくりです。つい先日まで帰宅時には手に懐中電灯を持って歩いていたのが遠い過去みたいです。

    3月は部署異動や転勤、進学などでストレスの多い時期です。このところストレスから来るいろんな体調不良で患者さんがおおいですが、何年かぶりに来られる方も結構あります。それも、しばらく元気に過ごしていたけど、今回異動になって調子が悪くなった、みたいな感じです。このように、調子がいいときと悪いときを繰り返すのは、閾値(いきち:症状が出るか出ないかの境目)が低く、他の人にとってはどうってことないストレスが耐えられないのです。

    これは、頭の中の気分を安定させる幸せホルモンとも呼ばれるセロトニンの不足から起こると考えれれます。セロトニンはトリプトファンというアミノ酸の代謝物なので、材料となるトリプトファンをしっかり摂る必要があります。肉魚、卵、アーモンド、バナナなどに多いと言われます。それがセロトニンに変換されるには、ビタミンB6とナイアシンと鉄が必要です。日頃からしっかり栄養をとらないとストレスに耐えるだけの体ができないということです。決して食をおろそかにしてはいけません。

    クリニックの前の桜

  • 春の漢方

    せっかくの連休でしたが、ずっと雨だったので、ほとんど何もできませんでした。もうすぐコストコがオープンしますが、会員にならないと買い物できません。今、オープン前に会員登録をすると年会費が安いそうです。会員になっておこうかとも思ったのですが、おそらくオープンして半年くらいは週末店近辺の道路は激しい渋滞となることでしょう。以前、福岡にコストコがオープンしたときも、周辺の渋滞はすごかったのを覚えています。そう考えると、ちょっと落ち着いてから行こうかと思います。

    雨が降ると花粉症は一休みでしょう。黄砂も多いらしいので、雨できれいに流してもらうのはありがたい。一方、雨が降ると頭痛やめまいが増えます。漢方的には水毒といいますが、水過剰の病態です。五苓散や苓桂朮甘湯を用いて体内の水分バランスを正常化します。女性で生理前に頭痛はめまいがするのも同じ理屈です。この場合、五苓散もいいですが基本は当帰芍薬散です。

    学校は卒業式シーズンですが、もうすぐ春休みです。去年は春休みが6月まで続いたので長くて大変でしたが、今回はどうなることでしょうか。お母さんたちは自分の仕事があると、夏休みなど長い休みは本当に困ります。子供のご飯の準備や塾(夏期講習や春季の特別コース)などありますから、あまりにいそがしくてキーっとなる人がたくさんいます。心を冷静に保つには抑肝散がよく効きます。

     

  • 血圧や脂質はなぜ下げるのか

    血圧やコレステロールの薬を初めて処方すると、こういう薬は一度始めたら一生飲まないといけないんでしょう、といわれます。実際にそうかも知れないし、そうでないかもしれません。では、なんのために血圧やコレステロールの治療をするのか。通常、多少血圧やコレステロールが高くても自覚症状はなんともありません。それを薬で治療しても、何ら変わった感じはしないと思います。それでも、血圧やコレステロールを管理することはとても大切な事です。それは、20年くらいたってから差が出てきます。脳卒中や心筋梗塞になる確率の問題です。

    もし、脳卒中や心筋梗塞を起こしてしまえば、その先は半身不随や寝たきりになるかもしれません。孫に囲まれて幸せな老後を夢見ていても、寝たきりになってしまえば、旅行もできず、美味しいものも食べられず、介護施設で過ごすことになるでしょう。かかる医療費や介護施設での費用は相当な額になります。今の若い人たちは老後に十分な年金をもらえることはないでしょうから、お金がなければ、寝たきりを世話してくれる施設にも入れません。大変な老後が待っています。それを避けるためにできること。それは、血圧管理、コレステロール管理、血糖管理です。食べすぎず、運動する。薬が必要ならきちんと飲む。それにつきます。

    したがって、若いからこそ血圧やコレステロールが高い場合きちんと管理しないといけないのです。逆に、80歳くらいになって多少血糖が高くても心配いりません。20年後の合併症などをあまり心配する意味はないからです。私の考えとしては、80過ぎて大きな病気をしていないばあいは、美味しいものを食べたり飲んだりして人生を大いに楽しんでいただきたいと思います。

  • 役に立つ軟膏

    ワセリンは非常に便利な塗り薬です。傷に塗っておけばキズ薬になるし、乾燥肌に塗れば潤いが出ます。湿疹の治療にも使えるし、寝たきり老人の褥瘡(とこずれ)にも使えます。万能です。医薬品として処方することもありますが、普通に薬局で買えます。白色ワセリンといいますが、薬局にはVaseline(ヴァセリン)というアメリカ製がよく目につきます。着色料も防腐剤も何も入っていないので大人も子供も、敏感肌の人も幅広く使えます。花粉症の人は鼻腔に軽く塗っておくと、花粉を鼻の入り口でキャッチするので花粉症が軽くなると言われています。私は、手指のさかむけなどに塗りますが、ついでに10本のツメに塗ってやるとツメもきれいになります。また、私のワセリンにはティーツリーのアロマオイルを染み込ませているので、塗るといい香りがします。また、ティーツリーには抗菌作用があるのでキズなどには一石二鳥です。

    もう一つよく使う軟膏がヘパリン類似物質軟膏(あるいはクリーム)です。市販されているヒルドイドと同じです。油性の軟膏が一番保湿作用が強いのですが、少しサラッとしたクリームや液状のローションもあります。また、最近は泡状になった製品もあり、塗る場所によって使いやすいものを選ぶと良いと思います。これも敏感肌に優しい究極の保湿剤みたいに言われており、薬局で買えるのに処方箋を求めて来られる患者さんが多く見られます。基本、美容目的は保険が効かないので、薬局で買っていただきたいのですが、何らかの皮膚疾患でこういった保湿剤を使うことが望ましい場合は保険で処方することができます。

    私が好んで処方するもう一つの軟膏はケラチナミン軟膏とウレパールローションです。尿素配合軟膏とも呼ばれます。いずれも薬局で買えるので、処方するのは美容目的以外です。この軟膏は保湿作用が強く、冬場に手の皮がむけたりする場合、丁寧にケラチナミンを塗って保湿してあげると手の皮はツルツルになってむけなくなります。こういった軟膏は皮膚科が専門ですが、当院前の凌雲堂薬局にも取り揃えています。

  • 肝臓に負担が少ないアルコールは?

    先週末は休日当番医だったため、2週間ぶっ通しでの仕事となりました。今日で13連勤です。さすがに疲れ気味です。また、今週はダイエットにチャレンジしており、天気が良ければほとんど歩いています。毎日1万3千歩くらいです。また食事もセーブしており、いつもお腹がグーグーいっています。お腹が鳴るたびに健康になり、若返るのです。子供の頃は、学校で授業中お腹が鳴るのを恥ずかしがりますが、私くらいの年頃だと、お腹がなるのは健康の証です。いばって鳴らしましょう。

    先日も書いたのですが、朝からコーヒーを飲むと、肝臓はカフェインを処理しないといけなくなるので、肝臓をできるだけ休めてあげるためには朝のコーヒーをやめてみようと思い立ちました。朝は白湯です。職場でも午前中はお茶をやめて白湯にしてみています。ただ、それだけでは寂しいので、朝からドリップしたコーヒーを魔法瓶に入れて持っていきます。ランチタイムにコーヒーを飲むことにしました。美味しい!午前中カフェインフリー生活が体にいいのかどうかは今検討中です。まだわかりませんが、こころなしか体が軽い気がします。

    お酒が肝臓の負担になるのは誰もが知っていることですが、私の経験上、焼酎のような蒸留酒はまだいいほうだと思います。日本酒のように雑多な成分(旨味や香り)を含むお酒は代謝するといろんな物質ができてきて、処理しきれずに二日酔いしやすい。ピュアなアルコールに近いほうが負担が少ないようです。そう考えると、ビールよりハイボールや酎ハイ(焼酎やウイスキーは蒸留酒)ではないでしょうか。