むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 乾燥肌に漢方入浴剤はいかが?

    この冬はブログに取り上げるのを忘れていたのが、漢方入浴剤の話題です。当院むかいの凌雲堂薬局に、オリジナルの漢方入浴剤「潤美湯」を用意しています。私も、冬になると乾燥肌で皮膚から粉が吹くほどかさかさになり、とても痒いのですが、今年はニベアを塗って様子を見ていました。しかしなかなか治りません。そんな中、妻が以前買った潤美湯が出てきたので、さっそくお風呂に入れてこのところ3日ほど漢方ぶろに入っていますが、乾燥肌が随分改善しました。痒みも取れました。すごいです。私がこの潤美湯を作ったときは、桜十字病院の薬局のスタッフと何十というパタンの生薬の組み合わせを考え、作ってはお風呂に入れて自分の乾燥肌がどのくらい良くなるかを実験しながら確かめました。桜十字病院の薬局のスタッフにも確かめてもらい、おたがい、こっちがいいとかあれこれ議論しながら完成させたものです。

    単なる乾燥肌でかゆい人にもいいですが、アトピー肌にも試す価値があると思います。潤美湯は純粋な生薬なので、鍋ややかんで15分ほど煎じて使って頂く必要があります。漢方薬として飲める品質なのですが、入浴用に作ったレシピなので、もし飲む場合は少し処方内容をアレンジします。希望があれば、ご相談ください。

    話は変わって、私はスマートウォッチを使っていますが、寝るときもつけっぱなしです。睡眠の良し悪しがモニターされます。私は5時間睡眠なのですが、スマートウォッチの睡眠スコアはたいてい80点以上です。短時間睡眠ですごく熟睡できているのだと思います。としをとると睡眠が悪くなるのは自然のことですが、よく眠れているのは幸せなことです。不眠の患者さんには、薬を使ってもいいからしっかり寝て疲れを取りましょうとお話しています。

  • さくらの「さ」の意味は

    私は通勤中歩いて30分、スマホかでYouTubeを聞きます。今日は大嶋啓介さんの講演を聞きました。ちょうど今、桜の季節ですが、花見は「予祝」意味があるといいます。予祝とは、まだ成功していないうちから、あたかも大成功したかのようにリアルにその姿を想像して祝うものです。昔の風習では、桜を見ながら大豊作を祝ったという話です。この理屈を応用すれば、受験生が試験を受ける前から合格した姿を想像しながら祝う、という感じです。

    先日、やまとことばの話を聞いたのですが、桜の「さ」、花見では酒の「さ」、肴の「さ」と花見に関連する言葉に「さ」がつくのは偶然ではないようです。「さ」相はやまとこばで「太陽の恵みを受けて栄える、豊穣」という意味があるそうです。国文学者ではないのでそういった解説をきいてもピンとこないので、ネットで調べたら、解説を見つけました。興味があればどうぞ御覧ください。http://matocayamato.blog62.fc2.com/blog-entry-185.html

    この、やまとことばの解説をしていただいた先生から、しめ縄についても教えてもらいました、神社のお社にはしめ縄がしてありますが、向かって右から左の方向に巻いてあるものは伊勢神宮の方式で、左から右方向へ巻いてあるのは出雲大社の方式だそうです。それぞれ意味があり、伊勢方式は未来を意味し、出雲大社の方式は過去を意味するそうです。未来をお願いするときは伊勢、過去をお礼するときは出雲ということになります。

     

    健軍神社の画像をネットで調べたら、しめ縄は向かって右から左へ巻いてありました。伊勢方式です。未来のお願いに向いているようです。

  • 特定健診のクーポンは期限があります

    年度末ですが、特定健診の案内など届いていてまだ検査を受けていない人はいませんか?特定健診は期限があります。3月いっぱいで使わないと無効になります。お手元に届いていれば、是非早めにご確認ください。当院では特定健診は予約なしで当日受けられます。肺炎球菌ワクチンのクーポンが届いているところもあるかと思います。65歳、70歳、75歳と5歳刻みでクーポンが届いていると思います。期限をお確かめください。期限内なら半額です。通常8000円ほどしますから補助のある年に受けたほうが絶対お得です。

    このところ、朝は5度位で昼は25度位と、一日の寒暖差が20度もあります。温度変化に弱い人達は、このところ随分体調を悪くしています。桜も咲いて、真冬ほどの寒さもなくなり、日差しもキラキラと明るくなって最高の季節なのですが、毎年3月4月頃は調子悪いと言ってこられる患者さんがあとを絶えません。花粉症もちょうどこの時期なので、ひとによってはつらい春です。

    老人ホームに行くと、春はメンタルも高揚して認知症のお年寄りがわめいたり、乱暴になったり、いつになく落ち着きがなく動き回って転んで怪我したりします。介護施設の人に言わせれば、そういうお年寄りの行動を見て春を感じるそうです。当院の新患を見ると、不整脈で来る方も多くなっています。これも寒暖差や季節の変化が関係しているのかもしれません。

  • 新しい糖尿治療薬

    糖尿病の治療をして太ったという人、それは、食べ過ぎとか運動不足ではなく血糖を下げる薬のせいで太った可能性があります。ほとんどの治療薬はインスリン分泌を増やして血糖を下げるか、インスリンを注射する方法を取ります。インスリンの量が増えると、血中の糖分は細胞内に取り込まれて血液中の血糖は下がります。一方、細胞内に取り込まれた糖分が代謝されて燃えてしまえばいいのですが、取り込んだだけで運動もしなければ余ったカロリーは脂肪に変換されて、蓄積されるのです。したがって、血糖は下がったけど太ってしまうという結果になります。せっかく糖尿の治療をして太ってしまってはいけません。

    最近、新たに開発されたSGLT2阻害剤というグループの糖尿治療薬は血糖を細胞内に取り込むのではなく、腎臓から尿中に排泄促進します。糖分を捨ててくれるので太りません。むしろ、ご飯1杯くらいのカロリーは食べなかったことにしてくれるので、この薬を飲むと徐々に痩せる効果が期待できます。保険診療ではこの薬剤はあくまでも糖尿病治療剤であり痩せ薬ではないため、美容目的の処方は禁じられています。しかし、自由診療で保険の効かないクリニックでは処方されているようです。

    SGLT2阻害剤は血糖を改善させるだけでなく、心不全や腎不全にも効果があり、最近では糖尿病でなくても心不全治療剤として使用することが認可されました。糖尿でない人が飲んでも血糖が下がりすぎることはあまりないみたいです。この薬は、この数年で最大の素晴らしい発見だと思います。おそらく透析患者さんも今後減ってくると思います。当院では、古い薬を飲んでいる患者さんも、できるだけ新薬(SGLT2)の素晴らしい恩恵をあずかれるように薬剤変更などを積極的に行っています。

    医師会から感謝状をいただきました

  • 個人情報は注意して管理しましょう

    LINEが個人情報を中国や韓国のサーバーに集めており、社会問題となっていますが、こんなことLINEが始まった当初から言われていたことです。もともとLINEは韓国の会社で、今はYahoo!JAPANと経営統合して日本の会社のようにしていますが、そうではありません。それなのに、国もLINEを使っているのが不思議でした。例えばコロナの健康調査と称して、時々厚労省からLINEメッセージであなたの健康状態を返信してくださいと来ていました。もちろん無視です。わたしは、そういう問題が7−8年前からあると知っていたので友人との連絡にLINEは使いません。どうしてもLINEでしか連絡がつかない人だけ使っています。

    LINEは最近オンライン診療のシステムを開発しています。オンライン診療はスマホのTV電話機能(ZOOMなど)を利用して診察を受けるものです。今回のコロナ騒動で、病院を受診せずに薬だけほしいという人に、オンライン診療を認めると国が決めたものです。しかし、スマホでは患者さんの様子がよくわからないし、息づかいや体温、喉の腫れ具合、脈の強さ、お腹を押したときの腹力など何もわかりません。正しく診断するのは難しいに決まっています。これは、内科医としてはとても心配です。しかも、オンライン診療となると、保険証の情報を送ってもらったり、支払いはクレジットカード払いなのでクレジット情報などを送ってもらい、決済することになります。それをLINEみたいな海外の会社に任せていいのかと、心配になります。

    実際はLINEだけでなく、GoogleでもFacebookでも同じだと思います。最近私はアンドロイドのタブレットを買ったのですが、日頃Macで使っているGoogleのアカウントから、全部自動的に新しいアンドロイド・タブレットへIDやパスワードがおくられてなんの設定もせずに自分の環境が完成しました。ここまでGoogleにパスワードを知られているんだと驚きました。みなさんも気をつけましょうね。

    2019年7月ソウル明洞にて LINEのクマのキャラクター