むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 米価格高騰で麺生活は注意が必要

    相変わらずお米の値段は高止まりしているようです。備蓄米が市場に放出されても、その効果は「焼け石に水」といった印象です。
    例年なら十分足りていたはずのお米は、一体どこに消えてしまったのでしょう。新聞によると、家計を意識して、比較的安価な麺類への消費シフトが起きているとのこと。しかしこれを見て、私は少し不安になりました。「これは、生活習慣病が増えるな」と。

    たとえばうどん。実は白ごはんよりも血糖値が上がりやすい食品です。消化が早いため、血糖値が急激に上がりやすく、糖尿病のある方には注意が必要です。また、腹持ちが良くないため、食後にすぐお腹が空いて間食が増える、という悪循環に陥ることもあります。さらに、インスタントラーメンとなると、問題はもっと増えます。多くの製品は麺が油で揚げてあるため、酸化した脂質を摂りすぎるリスクがあります。また、付属のスープに入っている調味料には、化学調味料や保存料が多く含まれています。たまに食べる分には問題ありませんが、毎日のように食べるのはおすすめできません。

    こうした栄養バランスの偏った食生活を続けていると、ビタミン不足による体調不良が起きることもあります。「脚気」は、ビタミンB1の不足によって起こる病気ですが、現代でもインスタントラーメン生活で脚気になったという話を聞いたことがあります。

    また、麺類に多く含まれる塩分も見逃せません。ラーメンのスープをすべて飲み干すと、それだけで5g近い塩分を摂ってしまうこともあります。高血圧のある方にとっては、とくに注意が必要です。

    では、どうすればインスタント麺を少しでも健康的に食べられるのでしょうか?ポイントは、足りない栄養をしっかり足すことです。具体的には、野菜、きのこ、卵、鶏肉や豆腐などのタンパク源を加えて「煮込みラーメン」風にするだけでも、栄養バランスがぐっと良くなります。

    また、付属のインスタント調味料は極力使わず、できれば自分でスープを作るのがおすすめです。かつお節や昆布の和風だしでは味噌汁っぽくなってしまうので、魚介系の粉末だし(いりこ・サバ・カツオなど)や、野菜だし、とんこつ系のペースト(ウエイパーなど)をブレンドすると、ラーメンらしいコクのあるスープになります。どうしても物足りないときは、付属の粉末スープを1/3ほど加えるだけでも十分味が整います(さすが化学調味料の力ですね)。私は韓国の辛ラーメンもお気に入りですが、こちらもコチュジャンやテンジャン(韓国味噌)などを使えば、スープは自作できます。こうすれば、少し安心して楽しめますね。

    いろいろ考えてみましたが、やっぱりお米のほうが健康的で安心感のある主食だと感じます。以前ご紹介した業務スーパーのカリフォルニア米は、価格も比較的手頃で、しかも日本人に馴染みのあるジャポニカ米です。はじめは少し軽めの食感に違和感を覚えるかもしれませんが、毎日食べているとだんだんおいしく感じられるようになります。ネットでも「さっぱりしているのでチャーハンにすると間違いなく美味しい」との声が多く、私も同感です。